北風と太陽(覗続編)
あの日、結局アリーナとクリフトの二人は夕刻までベッドで眠り、
マーニャは迫り来る尿意に生き地獄を体験した。
何度かベッドの下から脱出を試みたが、
クリフトの眠りが浅く、眠っているアリーナの身体に
時々何かしているらしく、まったく身動きが取れなかった。
あの時の欲求不満は、数日経った今でも
ずっとマーニャの中で沸々と煮えたぎっている。
(あのエロ神官め!これはもうクリフトと1回でもヤラなきゃ気がすまないわっ!)
しかし、あのクソ真面目なクリフトのことだ。
たとえマーニャが全裸で迫っても、服を脱ごうとはしないだろう。
――――――――ここは【北風と太陽】大作戦である。
マーニャは変化の杖でどこにでもいそうな小奇麗な町娘に変身し、
サントハイム城教会の付近を掃除しているクリフトの前で白々しくうろうろした。
「何かお困りですか?」
「あ、……はい。私、出張マッサージの者なんですが、
兵士様の休憩所の場所がわからなくって。」
「それでしたらこちらですよ。ご案内しますね。」
(よし。ここまでは計画通りね!)
クリフトの後を付いて行く。
少し歩き、マーニャ(町娘)とクリフトは休憩所にたどり着いた。
しかし部屋の中には誰もいなかった。
…もちろんマーニャはそれを事前に確認済なのだが。
「あら?予定の時間はとっくに過ぎてるのに。
……キャンセルされちゃったのかしら。」
「依頼した兵士の名は何というのですか?」
「ええと……」マーニャは何も書いていない手帳をペラペラとめくる。
「あら、いやだ!予約の日は明日だったわ。」
すかさず、がしっとクリフトの腕を掴む。
「あの!今日はせっかく来たので、親切にして頂いた御礼にいかがですか?
オイルを使った南国式マッサージなんですけど。」
「生憎ですが、私は今 勤務中でして。」
(……ちっ、クソ真面目なヤツね。)
「お願いします!何もしないで帰ったら………その、私は上司に怒られるんです!」
めちゃくちゃな理屈だ。
話のつじつまをどうやって合わせよう。
マーニャ(町娘)は困った顔でうんうん悩む。
「……わかりました。では少しだけお願いします。」
クリフトの人の良い性格にマーニャは救われた。
クリフトが服を脱ぐ間、マーニャは部屋の外で待っていた。
服を脱いで施術されると知ったクリフトは顔を真っ赤にして動揺していた。
……オイルマッサージなんだから当たり前なのに。
あの日、あんなに積極的に服を脱いでセックスしていたヤツとはとても思えない。
そのギャップがまたマーニャをそそらせる。
「あの………どうぞ……。」
クリフトの合図でマーニャ(町娘)は部屋に入る。
マーニャの指示通り、クリフトは全裸になって腰にタオルを巻き、
ベッドでうつ伏せになっていた。
部屋の鍵を閉める。
クリフトの体だ。
あの時は見ているだけでおあずけだった、クリフトの体だ。
ごくっと唾を飲む。
オイルを両手になじませる手が自然に急いてしまう。
「では、いただきまーす!」
「……え?」
「いえ!何でもありませんわ……うふふ。」
とりあえずクリフトの背を普通にマッサージする。
クリフトも普通に気持ちよさそうだ。
肩甲骨もくっきり出ていてしっかりした体格のいい身体だ。
マッサージしながら、クリフトの体をじっくり視姦する。
よだれが垂れそうになるのをくっと堪え、
視線を足の方へ移していくと、
なんと、太ももの隙間から玉袋が覗いているではないか。
腰にタオルを巻いてはいるが、丈が短くきちんと隠しきれていない。
(こ、これは……尻隠して玉隠さず、ってやつ!?)
マーニャに魔がさした。
悪戯に一瞬だけ指先でそれに軽く触れてみる。
「…ぁあっ!」
クリフトは嬌声を上げ、体をのけ反らせた。
想像以上の好反応だった。マーニャは目を光らせる。
最初は普通にマッサージするだけのつもりだったが、予定変更だ。
オイルでぬるぬるの手で柔らかなそれを持ち上げ、指先で優しく転がす。
「あっ……、あぁ……、はぁっ…っ、あぁぁっ……っ」
クリフトは徐々に腰を浮かせ、四つん這いの姿勢になっていた。
はらりと腰に巻いていたタオルが落ちる。
見ると、クリフトの陰茎はもう完全に起立していた。
すかさず、もう一方の手で陰茎を攻め始める。
オイルにより絶妙な潤滑さを手にしたマーニャは、
右手ではワイングラスのように袋をいやらしく転がし、
左手ではかさの部分を絞るように攻め続けた。
「うっぐ…!はぁぁっ………、あっ、あぁああっ、」
クリフトの吐息は狂おしいほど激しく、
もはや限界に達しようとしている。
―――マーニャはハッとして、突然手の動きを止めた。
こんな前哨戦で尽きられても困る。
突然の停止に、クリフトは四つん這いの姿勢のまま
虚ろな目つきで怪訝そうにマッサージ師を見た。
「………マーニャさん……?」
「!」
マーニャは自分の姿を見る。
いつの間にか変化の杖の効果が切れていたようだ。
クリフトの意識はまだ朦朧としている。
もう、このまま強行突破するしかない。
クリフトを仰向けに倒し、マーニャは覆いかぶさった。
下着の隙間から自分の陰部に直接触れる。
もう充分すぎるくらい濡れていた。
そのまま勢いよく踊り子の服ごと下着を剥ぎ取り、クリフトのモノの上に座る。
ズブズブとクリフトが入ってくる。
予想通りの見事な硬さだった。マーニャは悦びに浸る。
(あぁっ!いいわっ……!)
マーニャは無我夢中で腰を動かす。悦びに声が漏れる。
――――その時だった。
「……アリーナ……」
マーニャはその女性の名を聞くと、体が硬直した。
クリフトが呟いたのだ。
クリフトと目が合う。気まずい雰囲気。
するとマーニャの体内にあるモノはみるみると
つい先ほどまであった硬度を失っていった。
マーニャは驚愕する。
まさか……。
これって……。
『中折れ』!?
マーニャは今まで、中折れを体験したことがなかった。
それはどんなに疲れている男でも満足させられるという、
マーニャの自信であり、自負しているところでもあった。
それが、こんなむっつりスケベなエロ神官によって
記録を破られるハメになるなんて……!!
屈辱である。
マーニャはすっかり弱々しく縮こまってしまったクリフトのモノを
自身からぬるっと取り出すと、急いで服を着た。
「……あんたは……お姫様じゃなきゃダメなのね。」
「マーニャさん……。」
「今日のことは忘れなさい。………あたしも忘れるから。」
マーニャは背を向けたまま、部屋を出ていった。
マーニャは城を出て平原を歩きながら怒りを沸々とさせていた。
(くっそー!あのエロ神官めっ)
あんな奴、クソ真面目で、バカ正直で、一本気で、
純情で、本命には誰よりも一途で――――――――
………あたしにもそんな恋人できないかなぁ。
マーニャは空を見上げ、
独り、あてもなく歩いた。
《おわり》
マーニャは迫り来る尿意に生き地獄を体験した。
何度かベッドの下から脱出を試みたが、
クリフトの眠りが浅く、眠っているアリーナの身体に
時々何かしているらしく、まったく身動きが取れなかった。
あの時の欲求不満は、数日経った今でも
ずっとマーニャの中で沸々と煮えたぎっている。
(あのエロ神官め!これはもうクリフトと1回でもヤラなきゃ気がすまないわっ!)
しかし、あのクソ真面目なクリフトのことだ。
たとえマーニャが全裸で迫っても、服を脱ごうとはしないだろう。
――――――――ここは【北風と太陽】大作戦である。
マーニャは変化の杖でどこにでもいそうな小奇麗な町娘に変身し、
サントハイム城教会の付近を掃除しているクリフトの前で白々しくうろうろした。
「何かお困りですか?」
「あ、……はい。私、出張マッサージの者なんですが、
兵士様の休憩所の場所がわからなくって。」
「それでしたらこちらですよ。ご案内しますね。」
(よし。ここまでは計画通りね!)
クリフトの後を付いて行く。
少し歩き、マーニャ(町娘)とクリフトは休憩所にたどり着いた。
しかし部屋の中には誰もいなかった。
…もちろんマーニャはそれを事前に確認済なのだが。
「あら?予定の時間はとっくに過ぎてるのに。
……キャンセルされちゃったのかしら。」
「依頼した兵士の名は何というのですか?」
「ええと……」マーニャは何も書いていない手帳をペラペラとめくる。
「あら、いやだ!予約の日は明日だったわ。」
すかさず、がしっとクリフトの腕を掴む。
「あの!今日はせっかく来たので、親切にして頂いた御礼にいかがですか?
オイルを使った南国式マッサージなんですけど。」
「生憎ですが、私は今 勤務中でして。」
(……ちっ、クソ真面目なヤツね。)
「お願いします!何もしないで帰ったら………その、私は上司に怒られるんです!」
めちゃくちゃな理屈だ。
話のつじつまをどうやって合わせよう。
マーニャ(町娘)は困った顔でうんうん悩む。
「……わかりました。では少しだけお願いします。」
クリフトの人の良い性格にマーニャは救われた。
クリフトが服を脱ぐ間、マーニャは部屋の外で待っていた。
服を脱いで施術されると知ったクリフトは顔を真っ赤にして動揺していた。
……オイルマッサージなんだから当たり前なのに。
あの日、あんなに積極的に服を脱いでセックスしていたヤツとはとても思えない。
そのギャップがまたマーニャをそそらせる。
「あの………どうぞ……。」
クリフトの合図でマーニャ(町娘)は部屋に入る。
マーニャの指示通り、クリフトは全裸になって腰にタオルを巻き、
ベッドでうつ伏せになっていた。
部屋の鍵を閉める。
クリフトの体だ。
あの時は見ているだけでおあずけだった、クリフトの体だ。
ごくっと唾を飲む。
オイルを両手になじませる手が自然に急いてしまう。
「では、いただきまーす!」
「……え?」
「いえ!何でもありませんわ……うふふ。」
とりあえずクリフトの背を普通にマッサージする。
クリフトも普通に気持ちよさそうだ。
肩甲骨もくっきり出ていてしっかりした体格のいい身体だ。
マッサージしながら、クリフトの体をじっくり視姦する。
よだれが垂れそうになるのをくっと堪え、
視線を足の方へ移していくと、
なんと、太ももの隙間から玉袋が覗いているではないか。
腰にタオルを巻いてはいるが、丈が短くきちんと隠しきれていない。
(こ、これは……尻隠して玉隠さず、ってやつ!?)
マーニャに魔がさした。
悪戯に一瞬だけ指先でそれに軽く触れてみる。
「…ぁあっ!」
クリフトは嬌声を上げ、体をのけ反らせた。
想像以上の好反応だった。マーニャは目を光らせる。
最初は普通にマッサージするだけのつもりだったが、予定変更だ。
オイルでぬるぬるの手で柔らかなそれを持ち上げ、指先で優しく転がす。
「あっ……、あぁ……、はぁっ…っ、あぁぁっ……っ」
クリフトは徐々に腰を浮かせ、四つん這いの姿勢になっていた。
はらりと腰に巻いていたタオルが落ちる。
見ると、クリフトの陰茎はもう完全に起立していた。
すかさず、もう一方の手で陰茎を攻め始める。
オイルにより絶妙な潤滑さを手にしたマーニャは、
右手ではワイングラスのように袋をいやらしく転がし、
左手ではかさの部分を絞るように攻め続けた。
「うっぐ…!はぁぁっ………、あっ、あぁああっ、」
クリフトの吐息は狂おしいほど激しく、
もはや限界に達しようとしている。
―――マーニャはハッとして、突然手の動きを止めた。
こんな前哨戦で尽きられても困る。
突然の停止に、クリフトは四つん這いの姿勢のまま
虚ろな目つきで怪訝そうにマッサージ師を見た。
「………マーニャさん……?」
「!」
マーニャは自分の姿を見る。
いつの間にか変化の杖の効果が切れていたようだ。
クリフトの意識はまだ朦朧としている。
もう、このまま強行突破するしかない。
クリフトを仰向けに倒し、マーニャは覆いかぶさった。
下着の隙間から自分の陰部に直接触れる。
もう充分すぎるくらい濡れていた。
そのまま勢いよく踊り子の服ごと下着を剥ぎ取り、クリフトのモノの上に座る。
ズブズブとクリフトが入ってくる。
予想通りの見事な硬さだった。マーニャは悦びに浸る。
(あぁっ!いいわっ……!)
マーニャは無我夢中で腰を動かす。悦びに声が漏れる。
――――その時だった。
「……アリーナ……」
マーニャはその女性の名を聞くと、体が硬直した。
クリフトが呟いたのだ。
クリフトと目が合う。気まずい雰囲気。
するとマーニャの体内にあるモノはみるみると
つい先ほどまであった硬度を失っていった。
マーニャは驚愕する。
まさか……。
これって……。
『中折れ』!?
マーニャは今まで、中折れを体験したことがなかった。
それはどんなに疲れている男でも満足させられるという、
マーニャの自信であり、自負しているところでもあった。
それが、こんなむっつりスケベなエロ神官によって
記録を破られるハメになるなんて……!!
屈辱である。
マーニャはすっかり弱々しく縮こまってしまったクリフトのモノを
自身からぬるっと取り出すと、急いで服を着た。
「……あんたは……お姫様じゃなきゃダメなのね。」
「マーニャさん……。」
「今日のことは忘れなさい。………あたしも忘れるから。」
マーニャは背を向けたまま、部屋を出ていった。
マーニャは城を出て平原を歩きながら怒りを沸々とさせていた。
(くっそー!あのエロ神官めっ)
あんな奴、クソ真面目で、バカ正直で、一本気で、
純情で、本命には誰よりも一途で――――――――
………あたしにもそんな恋人できないかなぁ。
マーニャは空を見上げ、
独り、あてもなく歩いた。
《おわり》
2009年04月29日(水) 22:19:14 Modified by test66test