アンヘルSide
カイムSide
重い足取りで帰路へと着くカイムに突如影が差す
その大影の主であるレッドドラゴンへ念を投げた
---アンヘルか……直接俺の処へ来るなんて珍しいな
何時もは念で呼び出すなり何なりするのに……
「む、我から逢いに来てはいかんか?
偶には我とて人恋しくもなる、許せ……」
そんな言葉にカイムは微笑みかけるが
その何処か疲れた様子に心配そうにカイムの顔を覗き込む
「なんだ、疲れておるのか?
もう日も暮れようとしているのに一体何処へ行っていたのだ」
---汚れを落としに川へ……
ふと、陰った表情にまた一歩カイムへと踏み出し覗き込むと
カイムはアンヘルの鼻面を優しく一撫でしそのまま抱きしめた
「どうしたのだ?……泣いておるのか?」
---………………
カイムは何も答えずに唯肩を震わせてアンヘルにしがみ付く
少しだけその返事として腕の力が強まってアンヘルを困らせる
しかし反面普段は見せない己の契約者の一部を見て何とも言えぬ気持に駆られる
何があったか聞くのは野暮な事だが多少は気にかかる
だが今はカイムのしたい様にさせる一万も生きたのだ今更焦りはしまい……
「不器用な男だの……」
---……五月蠅い
アンヘルも人の事は言えぬかと心の中で呟いて
カイムの気が済むまで誰にも見せぬ様に翼で軽く覆ってやった……