タグ検索で【かめい先輩】4件見つかりました。

(27-936)王子様と先輩編

コンビニの屋根の下という切り取られた世界から、じっと空を見上げる。 どんよりとした重たい雲の隙間から、途切れることなく雨が降り続いていた。 一人でこのコンビニに来るのは久しぶりかもしれない。 いつもは、毎日飽きもせず自分のことを迎えに来る彼と放課後の待ち合わせをする場所。 そんな彼から、今日は間に合いそうにない、よかったら待ってて欲しい、という旨のメールが届いたのは少し前のことだ。 放課後の待ち合わせを開始してから、彼が自分の下校時間に間に合わないのは初めてだった。 今日は朝から雨だし、彼にも自分の知らな…

https://seesaawiki.jp/w/e6esr/d/%2827%2d936%29%b2%... - 2013年12月26日更新

(25-490)春の歌編

もうそろそろ授業終わるよね? いつものお店で待ってるよ いつもの時間、いつも通りに携帯電話が震える。画面を見れば、差出人はいつも同じ人。 毎日のことなんだからわざわざ連絡くれなくても、と言うのは、もうやめた。 開放されている窓から、心地よい春風が吹き込んでくる。 満開だった桜は満開を過ぎ、既に次の年の準備に取り掛かろうとしていた。 絵里がこの学校を卒業して、もうすぐ一カ月が立とうとしている。 もう一生、会うこともないだろうと思っていた彼と、今のところ毎日のように顔を合わせていた。 相変わらず、自分に対…

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(25-219)お願い魅惑のターゲット編

並木道に並ぶ蕾が膨らみ始め、新しい命が芽吹き始めた頃、 新しい生活に胸を弾ませるこの季節になっても、隣を歩く彼は何も変わらなかった。 自分より1つ年上である彼は、来月から新しい環境に身を置くはずなのだが、 何も考えていないような様子で今までと同じように自分に連絡をとってくる様子を見ていると、 まるでこれからもう一度高校生を繰り返すのではないかと錯覚してしまいそうになる。 それを気にかける言葉すら口にすることができない自分の天の邪鬼な部分に気が付き、足元の小石を蹴りあげた。 このままじゃいけない、と、頭の…

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(24.5-613)笑顔に涙編

明日は午前中で学校終わるから、午後からデートしようよ! そんなメールが送られてきたのは、既に布団に入って目を閉じていた昨日の深夜のことだった。 メールの送り主は、自分が入学した時から、しつこく自分を付け回してくる悪趣味極まりない謎の男。 さらに、相手が眠りにつこうとしているような時間帯に平気でメールを寄越してくるとても身勝手な男でもある。 本当に趣味が悪い。 相手にされない事が分かっていながら自分を追い掛けているこの男は、 頭に詰まっているべき常識を顔の良さに吸い取られてしまったのだろうか。 それに、午…

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