カブキノイド

◆【ここは『☆☆☆☆☆』を愛する者が集い、読み、書き加えるページです。】

イラスト
「機動刑事ジバン30話：美少年小太郎一座の怪人」より、ファンアート

ご注意：他人の著作物を引用する場合は、このように引用元の明記をお願い致します。(...【ウィキの書き方】より抜粋）　

　　

バイオノイド

カブキノイド

【INDEX】

☆☆☆☆☆データ
☆☆☆☆☆プロフィール
☆☆☆☆☆ストーリー
☆☆☆☆☆ウンチク
☆☆☆☆☆アイテム
☆☆☆☆☆メモリー

◆【☆☆☆☆☆データ】　　

◇呼称：カブキノイド（かぶきのいど）
◇登場作品：機動刑事ジバン（1989）　第30話『美少年小太郎一座の怪人』
◇通称：バイオノイド
◇身長：　センチ　◇体重：　キロ
◇出身地：
◇所属：バイオロン
◇他共演：怪物人間

◇
◇

ダブルノイド←前回・次回→シノビノイド、バイオ下忍

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◆【☆☆☆☆☆プロフィール】　　

　
歌舞伎の演者をモチーフにしたバイオノイド。
『聖獣戦隊ギンガマン』の敵役「ブドー魔人衆」をほうふつさせる、「和風」に生物アレンジが入ったスタイル。
歌舞伎演目としては「暫」+「連獅子」らしいデザイン上に、カゼノイドのような斑点が目立つ。
ただ、どんな生物が入っているかは、「エビ」「カニ」「蛾」多数の意見がネット上に流れている。
他のバイオノイドがおどろおどろしい「モンスター」という面構えをしているのに比べ、カブキノイドの精悍なマスクは、なんとなく今はやりの異形のヒーローをほうふつさせ、かっこいい。

一人称は「それがし」

その歌舞伎っぷりは、以下の通り。
登場時も、バイオロン基地なのに、歌舞伎の幕が上がり、花吹雪飛び散る中、たたらを踏んで登場。
「絶景かな!　絶景かな!」と大見得を切って、その千両役者ぶりを見せつけた。
台本では、マーシャに「大げさな奴」とあきれられていた。
また、いちいち大見得を切り、六法飛びで移動する。
口癖である「絶景かな絶景かな」(歌舞伎の石川五右衛門のセリフ)をはじめ「しばらく!　しばぁらぁく!」(歌舞伎『暫』から)
そして名台詞「石川や、浜の真砂は尽きるとも、世にバイオロンのタネは尽きまじ」(歌舞伎の石川五右衛門のセリフ)など、歌舞伎にちなんだセリフを筆頭に、歌舞伎調で話す。
　ただ、普通の口調でしゃべることもあり、竜小太郎への脅迫はどすのきいた口調だった。
　TPOに応じて歌舞伎口調を使っているらしい。

ここまで歌舞伎がモチーフなら、その作られた目的も、例えば歌舞伎「役者」だから変幻自在な変装能力でいたるところに潜入して工作。
ずばり『ターボレンジャー』なら、「オヤクシャボーマ」が、「暴魔一族から逃げたい」と言って、ターボレンジャーを芝居にかけ、味方のふりをして欺こうとしたという前例がある。
　しかし、カブキノイドの真価は、歌舞伎とは関係ない。
「月の光を浴びると、人間を怪人にしてしまう怪物細胞」
　一つしかないそれを体内で増やすということが目的。
　ネット上でも「歌舞伎モチーフと目的の能力があってない。ただの培養槽じゃん」との指摘も多い。

　役者らしく、ちゃんと変身能力もある。
　支配人、そして竜小太郎の踊りの相手方にも化けた。
　また、そのまま舞台へ上がって、見事な日本舞踊を披露したのは、「歌舞伎」の名を冠するバイオノイドの名にふさわしい。

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◆【☆☆☆☆☆ストーリー】　　

龍千之丞、そして竜小太郎。
来るべき公演に向けて、情熱を注ぐ親子。
「もう、黙ってどこへも行かないでね」
竜小太郎が千之丞につぶやく。
そう、小太郎の父にして日本舞踊家の龍千之丞は、舞の修行のため、全国どこへでも踊りを学ぶべきところがあれば、ふらりと放浪する癖があったのだ。
しかし、そんな親子の絆を引き裂く事件が!
突然、二人の目の前で車が交通事故を起こす。
載っていたのは、マーシャ・カーシャ!
そして、事故のはずみで、アタッシュケースから怪物細胞が散布。
それが額にはりつき、龍千之丞の顔は隈取に包まれ、牙が生え、そして異形に……。

そう、これぞ今回の作戦のキモである「怪物細胞」の威力。
「怪物細胞が付着した人間は、月の光を浴びると、怪物化する」
たった一つしかない「怪物細胞」それを無数に培養できるバイオノイド。それがカブキノイドだ!
歌舞伎の幕が開き、「たーぁ!たたたぁ!」と、桜吹雪散る花道を飛び六方で、という、バイオノイド一派手な登場をするカブキノイド!
ちゃんと「絶景かな!　絶景かな!」と大見得を切るのも忘れない。カブキ魂あふれるバイオノイドだ!
「ギバ様!某に与えられるはずの怪物細胞が紛失したとはっ!　こらまた!　いかーにぃぃぃっ!」
「なんとしても怪物細胞を取り戻せ!」
「ガッテン!　しょうちのすけぇぇぇっ!」
歌舞伎口調で、大見得を切ってそれにこたえるカブキノイド。
ふざけた格好、言動だが、はたしてその実力は?

一方で、清志郎先輩の命令で、痴漢捜査をすることとなる羽目になった直人と洋子。
偶然にも、千之丞に出会ってしまう!
「小太郎に伝えてください。もう、会えないと……」
衝撃の告白をする千之丞。
彼は怪物人間となった自分の姿を、息子に見せたくはなかったのだ!
その時!　皮肉にも月の光が差し、再び千之丞は怪物人間に!
「バイオロン!」
変わり果てた千之丞に、銃を向けた洋子の前に立ちふさがるのは、ジバンだった!
「おとなしくしてください!　あなたを傷つけたくありません!」
必死で千之丞を取り押さえようとするジバン。
しかし、その時
「しばらくっ、しぃばぁらーくっっっ!」
振り返ると、その場に似合わない派手な異形……カブキノイドが!
六方を踏んで、さらには大見得を切りつつ、巨大煙管を構えながらカブキノイドは言い放つ!
「その男!　このカブキノイドがもらったぁ!」
さらには、マーシャ・カーシャも加勢!
「怪物細胞を返せ!」
「そうはさせん!」
言い切るジバンに、容赦なく実力行使に出るカブキノイド。
煙管の先から、光弾が連射される。
しかし、千之丞をかばっているジバンは、その盾となりまともに銃撃をくらってしまう!
イニシアチブを取ったカブキノイドは、踊るようにくるくる回って、煙管でさらなる猛攻を重ねてくる。
ついに膝をつくジバン!
さらには「怪物細胞を返せ!」マーシャ・カーシャ。加えてマスクまで現れた!
しかし、洋子の加勢でマスクたちを蹴散らし、煙管でジバンを拘束するカブキノイドもジバンは何とかパンチを叩き込む!
「おっのぉれぇぇぇぇっ!」
大見得を切るカブキノイド!　
次の瞬間、カブキノイドの仮面が取れ、ジバンを急襲!
面が取り付いたら、何かしらダメージを受ける!?　そう思ったジバンは、パンチ一発で撃退。
しかし、そのすきに。
「おぼえておれぇ!」
カブキノイドは姿を消す。
こうして、カブキノイドVSジバン。第一幕は終わった。

小太郎の口から語られる父への思い。
今回は、親子で踊る「合舞踊」
絶対に、お父さんは、会場に来て一緒に踊ってくれる……
そんな小太郎の言葉に、ジバンは会場をマークすることに決める。

本番当日。
舞台ではあでやかに踊る女形が。
小太郎の艶姿だ。
そして、「千之丞」が舞台に出る、と信じているのは、小太郎たちだけではなかった。
「どうしてダメ刑事がここに来てるのよ?」
「慌てない、これもあるしね」
不敵に笑うマーシャの手には、会場を吹き飛ばすためのリモコンが!
そして、そこには、「第三の敵」クイーンコスモの姿も!

楽屋にて、次の舞で使う小道具が壊れていたことに気づく小太郎。
小道具部屋に向かうが、そこには、歌舞伎の蜘蛛の糸でぐるぐる巻きにされている支配人が!
あわてる小太郎の、肩を叩く者。
なんと、そこにも、支配人の姿が!
そいつは、不敵な笑みを浮かべると、手を顔面に掲げる。
拍子木の音とともに、支配人がカブキノイドに!
「千之丞があらわれたら、すぐにひっとらえてやる!」
憤る小太郎の前に、平然とカブキノイドは言い放つ。
「おとなしく、踊りを続けるんだ。さもないと、客席に仕掛けた爆弾を爆破させる」
うなづくしかない小太郎。
不在の千之丞に変って、カブキノイドが相手方に化ける。
舞台上なら、小太郎に駆け寄るものあらば、すぐにわかる。
さすが、「歌舞伎役者」モチーフの怪人らしいアイディアだ。

「歌舞伎役者」らしく、存分にその舞の腕を振るうカブキノイド!
しかし、小太郎は、客席に向かって、声に出さずに、くちびるの動きだけで、危機を伝えようとした。
「ば・く・だ・ん?」
たちまち気づく直人と洋子。
しかし
「その通りよ」
たちまち後ろから現れたマーシャ・カーシャに拉致されてしまう!

「後でたっぷりいじめてあげるわね!」
小道具置き場に閉じ込められる直人たち。
こうなれば、正体がばれるのを覚悟でジバンに変身するしかないのか?
絶体絶命な中、直人と洋子のピンチを救ったのは、「ひょっとこ」のお面の男だった。

そして迎える「合舞踊」の舞台。
しかし、小太郎しか出てこない。
不審に思った観客が、ざわめく。
そして、小太郎の危機を救ったのも、ひょっとこの男だった。
観客席から躍り出た彼は、小太郎とともに、見事な舞を見せた!
「お父さん!　出てこないで!」
小太郎の思いとは裏腹に、「本物かどうか確かめるのよ!」黒子に化けていたマーシャ・カーシャが出したものは
なんと
「張りぼての月」
ひょっとこは、苦しそうに頭をかかえ、身をよがらせると、たちまち怪物に変わる!
逃げる彼を追って、「追うのよ!」
小気味よい小包の音とともに、相手役が大見得を切ると、カブキノイドの姿に!
さらには、観客の大半も、戦闘員マスクの姿に!
飛び六方で後を追うカブキノイド達!

そして、屋根の上で、後ろを振り返りつつ、逃げてくるひょっとこの男。
しかし、次の瞬間、屋根を突き破る奴の姿!
カブキノイドの姿が!

「千両役者」ならぬ「千両怪物」にふさわしい、度肝を抜く登場!
驚いて転げ落ちるひょっとこの男。
「うんっ?　待ちぃやがれぇぇぇっ!」
歌舞伎口調で、大見得を切り、トンボを切って後を追うカブキノイド!

「石川や!　浜の真砂は尽きるとも!　世に!　バイオロンのぉ!　種は尽きまーじ!　怪物細胞、返してもらおう!」
石川五右衛門の名台詞を朗々とろうじながら、まるで、花道を歩くように、見得を切りながら、じりじりと近づくカブキノイド!
まさに「バイオノイド一の千両役者!」
「返せ!」
後ろから迫る、バトルマーシャ・カーシャの姿に気を取られる男。
その隙を逃さず!　
ジャンプして面をたたき割ったカブキノイドだが……

「ややっ!　お前はっ!」
　しかして、その下にあった素顔は「直人」その人!
　いつの間にか入れ替わっていたのだ!
「おっのぉれぇぇっ!　小癪なっ!」
　大見得とともに、かかってくるカブキノイドに、直人も奮闘するが、派手に吹き飛ばされて壁やら窓やらを突き破って、姿を消す!
「千之丞は、いずこにありやぁぁぁっ!」
芝居がかった口調で、六方飛びをかますカブキノイドに命じるマーシャ・カーシャ
「劇場へ戻れ!」
そして、一斉に来た道を戻るバイオロン軍団!

しかし
「これ以上の悪事!　許さんっ!」
立ちはだかるのは、機動刑事ジバン!
光は、胸と襟の桜の代紋!
「対バイオロン法、第一条!　機動刑事ジバンは、いかなる場合にでも、令状なしに犯人を逮捕することができる!」
「小っ癪なぁぁぁっ!何をぬかす!」
マーシャたちの後ろから、大見得を切りながら飛び出してくるカブキノイド。
戦いの火ぶたを切ったのは、屋根の上からのマスクの銃撃!
しかし、ジバンは、たじろぐこともない!　愛用のマクシミリアンガンが火を噴き、マスクは倒れる!
慌ててカブキノイドは、くるりと手を一閃!　
ジバンたちに牙をむいた煙管マシンガンが火を噴く!
しかし、超加速でそれをかわすジバン!
明らかに動揺を隠せないカブキノイド!
ジバンのジャッジメントタイムは、そんなことでは止まらない!
「第二条!　機動刑事ジバンは、相手がバイオロンと認めた場合、自らの判断で、抹殺することができる!」
しかし、カブキノイドも、そのふざけた格好とは裏腹に、侮れない敵だった!
「花吹雪爆弾っ!」
煙管を掲げると、錯乱する花!　花!　花!
満開の踊る桜吹雪に、視界をふさぐジバンは見とれてしまう。
しかし!
胸に着弾!　体に着弾!
カブキノイドの放つ花びらの一片一辺は、相手に付着すると、大爆発を起こす。
危険な乱れ狂い咲きだったのだ!
「絶景かな!　絶景かなぁ!」
カブキノイドの、感極まった叫び!
ジバンが花吹雪にまみれ、爆発という華にに彩られ、もだえ苦しむさまは、さながらまさに踊るよう!
美しくも恐るべき技!
カブキノイドの猛攻は止まらない!
カブキノイドの愛用の煙管。それをくるくると回すと、今度はされが刺すまたに変化!
ジバンに隙を与えずに、とびかかり指すまたで首を締め上げる!
しかも、タダの締め上げ攻撃ではない!
ジバンの体に高圧電流のような光の帯が絡みつく!
しかも、それは歌舞伎の糸となってジバンを捕縛!
この三重の「歌舞く地獄」に、ジバンは苦戦しながらも、エネルギー放出によって戒めから解かれる。
思わずのけぞるカブキノイド。
その隙を見逃すジバンではなかった。
再び、火を噴くマクシミリアン・ガン!
見事に刺すまたに命中!
たまらず、武器を落とすカブキノイド!
しかし、それでも、カブキノイドは最後の武器を使おうとする!
仮面に手をやると、気合一閃!　
上空に放り投げたそれは、ひげの部分と合体!
一本の大剣になった!
!　構えるジバンに、カブキノイドが、六方飛びで襲い掛かった!
小鼓の音に合わせ、幻覚テレポート攻撃さえしてくるカブキノイド!　この死の舞、読み切れなければ価値はない!
辛くも、カブキノイド必殺の一撃を、マクシミリアンソードを使って防ぐジバン!
異形と鋼鉄!　二つの肉弾が絡み合い、カブキノイドはジバンごと屋根の上にジャンプ!
足場にとられて、転がるジバン!
ピンチだ!
しかし、ジバンはこんなことではへこたれない!
すぐに体勢を整えて!
「ジバン!　エンド!」
炸裂する正義の一撃の前に、カブキノイドは断末魔の悲鳴とともに爆発四散!

そこへ駆けつけるバイカン
彼が持ってきた薬。それは、怪物細胞を消す薬だった。
洋子先輩も爆弾解除に成功!
美しく舞う親子のバックに、流れる花火!
「バイオロンのたくらみは打ち砕かれ、踊りに賭ける子と父の固いきずなは守られた!　
　人と人との心を結ぶ愛と信頼。それを悪に踏みにじらせてはならない!
　戦え!　機動刑事ジバン!」

終わり

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◆【☆☆☆☆☆ウンチク】　　

カブキノイドを評して「石川五右衛門」みたいだと評した方もいらっしゃる。
例えば、ゲーム『がんばれゴエモン』のように、身の丈ぐらいの巨大煙管を使う。
口癖の「絶景かな絶景かな」
竜千之丞を追い詰めた時に吐くセリフ「石川や、浜の真砂が尽きるとも、世にバイオロンの種はつきまじ!」
これは、歌舞伎で石川五右衛門の名台詞として知られるものが元ネタ。もちろん五右衛門がバイオロンなぞ知るわけがなく、元ネタは「世に盗人の種は尽きまじ」なのだが……。　　

また、モチーフが侍・忍者なら知名度はあるからわかる。
何せ『シンケンジャー』のモチーフは侍。『忍者』モチーフは『ニンニンジャー』など数えきれない。
しかし「歌舞伎」という、ぱっと見思いつかないモチーフを持ってきているところ。
ギバ様は密かに「日本かぶれ」なのかもしれない。
と言っても、カブキノイド自体、映画『カブキマン』あるいは、アニメ『マイトガイン』の敵役、「ショーグン・ミフネ」のように「ずれてる日本観」なのだけど。

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