キマイラ


左：アズシャール級に対し、急降下しながらミサイルを発射。	右：編隊飛行するＡＦ-２
1984.05.20 放映　第６話「Prelude (プレリュード)」海外Robotech版（ 43. " Prelude to Battle " ）より。語の訳文は、予兆、又は前哨（戦）。

（「ROBOTECH BOOK Ⅳ SOURTHERN-CROSS」より）

（線画資料・月刊「アニメック」1984年7月号より）

Chimera　【形式番号　AF-2】

【分類】

種別	単座の航空/宇宙全天候・長距離護衛戦闘機
形式番号	AF-2　（Aero-space Fighter）

【寸法及び重量】

全長	20.1 m
全高	10.0 m
翼幅	21.5m /10.2 m(切断翼型)
乾重量	35.7t

【推進機】

主機	４基のP&W（Pratt & Whitney）JG100B反応タービン。最大出力（ブースト無しで）各267kN.（Overboostで各275kN）
副機	２基の中島/P&W/ロールス・ロイスPLC FF-2011-4S プラズマショック・エクシパション・反動エンジン。最大出力（ブースト無しで）各121.5 kN .（Overboostで各249kN）
スラスター	８基の P&W HMM-1A 高機動ヴァーニア・スラスター。コクピット側面の両側の２つのバンクの各２基、つまり４個の噴射口が前部に、残り４基は胴体後部のスリット部に設置。
発電機	１基の超小型「SCRR Mk.10」プロトカルチャー (資源)・出力発生機（ジェネレーター）
反応剤搭載量	反応エンジンの為の10.1リットルのD20(重水)反応物質。

【性能】

デルタ－Ｖ	内部燃料のみの12.5kps。3.3kpsデルタ-vの燃料による外部燃料タンクを追加可能
海面最大速度	不明
高度10kmの最大レベル速度	マッハ2.2+～2.8
高度45+kmの最大レベル速度	6432 kph (Mach 6)
失速速度	185 Kph（時速297km/h）
初期上昇率	毎分30,000m以上
実用上昇限度	ズーム上昇無して65km。（オーバーブースト込み、ブースター２本では衛星軌道上まで進出可能。）
主機耐久力	約８年（標準作戦時間平均にて）
耐Ｇ構造限界	-5.4 G /+15.0 G

【電子装置】

レーダー	ウェスチングハウス APG-145 X-バンド　パルス・ドップラー・超水平線・全方位（omni-directional）レーダー。超水平線上《球状》長距離の探知と追尾を全高度の目標に対して提供。
視認装置	フィリップス・「オール・ヴュー・II」多波長・全方向・デジタルカメラシステム。中距離、全高度と全レンジにおける赤外線イメージング＆光学＆紫外線帯探知/追跡機能を持つ。
光学測距・指示器	トムソン・LT-5 多波長・レーザー光波測距儀とレーザー目標指示装置（ディジネーター）。
戦術電子警告装置	エレクトロニカ・Eletronicaレーダー警告レシーバー(RWR)。 OlDelftの赤外線警告警告レシーバー(IRWR) 。
戦術電子妨害装置	セレーニア「スカイ・ウォリアー」アクティブ/パッシヴ・センサー・ジャマー。チャフ・ディスペンサー（撒布機）/　フレア。
パルス・ドップラー・レーダー (Pulse Doppler Radar)	レーダーが受信した信号にパルス連続処理とドップラー処理を加えるもので、ミキサーとバンドパス・フィルターを使用して目標物からの反射以外のものを排除するレーダー。地上や海面のクラッターなどを除去できる。ドップラー技術を使用することで、目標の接近率を知ることもできる。

【武装】

|固定火器|１門の「マウザーEU-1」レーザ＆粒子砲。

１分間に 35MJ の火力で５０回の発火が可能。機首先
端のインテーク脇にオフセット固定装備。|

内蔵武器庫	キマイラには３基の武器庫が内蔵されており、正三角形の胴体断面のうち、２つは上部に、１つは下部にある。
ミサイルＡ装備	各武器庫に９基の「コブラ」ミサイル（最大速度：約マッハ3.0.最大射程80km）。　全数は９本×３＝２７発
ミサイルＢ装備	３本のRMS-2「死の天使」【 RMS-2 "Angel Of Death" 】核反応スタンド・オフミサイル。　全数は３本×３＝９発反応弾頭(核出力 200 kT) 。最大射程293kmの長距離ミサイルで、全航程をマッハ4.0で飛翔可能。複合型マルチ・スペクトラム光学イメージャーとアクティブ・レーダー追跡機能を持つ。宇宙艦船攻撃用に調整された場合、最大デルタ-Ｖは 5 kpsを維持する。
ミサイルＣ装備	３本の「ファイアーバード」ミサイル。　全数は３本×３＝９本これらは通常弾頭を上記「ＲＭＳ」系のフレームに装備したもので、最大で234kmもの射程と、全航程でマッハ6.5の速度を誇る。誘導は慣性誘導又は赤外線画像（IIR）又はアクティブ/ホーム・オン・ジャム（電波発信源に向かって飛ぶ）方式。宇宙空間での最大デルタ-Ｖは4 kps。
IIR Imaging -Infra Red	「目標捜索装置」（シーカー）が自動追尾対象を画像として捉える、赤外線ビデオカメラを使用した、赤外線画像式ホーミング（≒自動追尾）方式。これはフレアなど航空機の形状をしていない赤外線源の妨害の影響を少なくすることができる。電子技術の向上に伴って、検知距離は初期の2倍になり、欺瞞（フレア等）への耐性が高まり、かつ常温作動可能になって冷却不要となった。最新型のオフボアサイト赤外線画像ミサイルR73 ARCHERなどは、赤外線捜査追跡システム　 (　infra-red search and track system, IRST system。　「赤外線照準追尾システム」とも訳される　）　を使った中間指令誘導を介在させることによって発射後ロック (LOAL) を可能にし、ミサイルシーカーの視野外（オフボアサイト）の目標、つまり、　「前方から最大60度離れた『横に居る目標』も撃てる」　新世代の赤外線ミサイルである。 1985年にR73 ARCHERが出現し、ソ連崩壊後に旧東側諸国製ミサイルから入手した現物をテストした旧西側諸国関係者に衝撃を与えたと言う。現在ではアメリカのAIM-9Xをはじめとする同種のミサイルが開発されて珍しいものではなくなり、徐々に普及してきている。

1984.08.05 放映第16話「Hunter Killer (ハンターキラー)

Robotech版　“ 53. The Hunters ”より。

【装甲】

高度なチタン鋼合金から成り、小火器の発砲を止め、12.7mmの機関銃弾等のより重い歩兵火器からの良好から優れた抵抗力を規定し、更に軽装甲機動兵器に装備された、例えばゼントラーディ（Zentraedi）の22.3mmのHE自動砲弾には、公平から良好な幸甚力を有する。

キマイラは、放射線、生物兵器的な災害、化学兵器の災害に対して、放射線及び化学センサーが危害を探知すると同時にコクピットと高加圧に維持してこれらの危害から乗員を保護する。

なお、微生物などの生物兵器の危害が予期される場合は、手動でこれを行う必要がある。
機体内蔵の消耗品である生命維持装備は標準大気を最大約３日間、乗員に供給することが可能。

これはVHT-10A/B オーロランの約１日間に対して３倍値であり、これは、本機が無可変の長距離護衛戦闘機であることから、母艦喪失後、他艦隊への合流等の状況も当然あり得ることを考慮したものである。

左より、核兵器・生物兵器・化学兵器（毒）の標識

【1984年静岡模型見本市の1/144試作木型模型】

（秋田書店「マイアニメ」1984年7月号綴じ込み別冊５P目・静岡模型見本市特集より）
→左側にわずかに写っているのは、CER-11ドライアドの木型見本の右腕。

（小学館「ザ・セレクトスペシャル　超時空騎団サザンクロス　スペシャルガイドブック」より）

【解説】

宇宙航空防衛軍（宇宙隊）に所属する護衛戦闘機。機体規模に較べて大きな航続力を持ち、艦隊に随伴して標準的作戦のほとんどの行程に随伴可能である。主にトクガワ級　超時空空母(SCV)などの護衛任務に就く。
シルエット上、比較的小型の戦闘機のように見えるが、実際は全長20ｍを超える大型の機体である。

多面体構成の機体は放熱能力に優れ、非可変であるため、機体容積にも余裕があり、宇宙空間での航続力は、VF-8 ローガンや、VFH-10 オーロラン、他のスーパー・パック付きの可変戦闘機をも上回る。

また宇宙空間で反応弾ミサイル「RMS-2」を３発「内蔵」可能で、かつ発射後の放射線や熱線から逃れる為に充分な加速力と速度維持力（20.2ｋｍ/毎秒まで、巡航速度1万300km/hへ2秒で到達）を持つ。
強大なＧに対応する為、短時間のみの使用制限付きながら高価な加速度制御（慣性制御）装置が搭載されている。

反面、その形状から大気圏内での機動性は幾分心許なく、カタログ・データ上のスペックであるマッハ6は高度45kmの高空での実測値であり、高度1万m以下での速度や飛行特性はVF-7シルフィードや他の制空戦闘機はもちろん、VF-1Aバルキリーやレギオスなどの可変戦闘機類に較べても劣っている。

しかしながら本機の名誉の為に付け加えるが、トレッドのように慣性＆重力制御装置を補助機関に使用し、常時駆動しなければならないほど、本来のデザインの空力特性が悪いということはない。
武装は機首の照準スコープ付き粒子ビーム砲を主砲とし、各種ミサイル類を搭載している。

【開発史及び就役史】

創設間もないREF海軍は、主力・重攻撃戦闘機としてRDF宇宙軍（後にREF） AF-1「ヴァルター」(Vulture)宇宙戦闘機の改装を選択したが、ASC 戦術宇宙軍は、戦闘艦艇の上にこの役割を割当てる戦闘機の為の異なる一揃いの評価基準を選択した。

戦術宇宙軍（TSC）は戦闘機の主砲がAF-1「ヴァルター」(Vulture)宇宙戦闘機の「EP-100」粒子砲と同等に強力である必要性を感じておらず、幾らか小さい導入を選択した。

他方で、この作戦期日の前半に於いて、特にREF海軍に補給と製造設備へのより少ない機会（アクセス）が予想されたので、(補給と製造に手間の掛かる)ミサイルは、REF海軍よりもむしろ、それが比較的容易なサザンクロス軍の戦術航空宇宙軍（ASC-TSC）の艦隊防衛任務に不可欠であると考えられていた。

最終的に、戦術航空宇宙軍はより大きいデルタ-Ｖ（δ-v容量）を一義として、彼らの戦闘機の為に、より大きい自立性を望んだ。

本質的には、これらの評価基準を満たして選ばれた航空宇宙機は、非常に大きくて、反射炉による動力付きの大気圏内外両用（Trans-atmospheric）の「飛行（航宙）するミサイル砲台」となった。

攻撃用戦闘機として、AF-2「キマイラ（「キメラ」とも）」【 Chimera 】はREF艦隊の VFB- 9/12 Beta【A, B, S】トレッドを凌ぐことさえ出来、艦隊護衛航空機としてのレギオス（Legioss）【形式番号　VFA-6 Alpha　A, B, C, D, E, F, G, H, I, J, S, Z】の「α＋β」の結合のように機能した。

しかしながら、非変形の本質のため、歴史的な重要性はしばし可変戦闘機によって霞んで目立たなくなった。少なくとも27機の重ミサイルの搭載に加えて、「キマイラ」（ Chimera )は機首にレーザ砲を装備した。

AF-2「キマイラ」（ Chimera )は、西暦2018年に導入されて、宇宙空間、又は限られた範囲で大気圏内で、忠実に戦術航空宇宙軍(T.A.C)に就役した、

それはサザンクロス軍によって就役から公式には決して退役させられることは無く、そして、その多くがインビッドの占領の間、月面基地に身を潜めて退避して残存していた。

この航空宇宙機によってみられた殆ど全ての行動が、Robotech 支配達(Masters)に対するものだった。

特に RMS-2 "Angel Of Death"（死の天使）のような反応ミサイルを装備した時、AF-2「キマイラ」（ Chimera )は、しばしばそれらの

ランディング・フリゲート　（Assault Carriers)　及び、

アズシャール級・「Neuparszietsch」(主力艦)ラッシュ船　（Lighter Capital Ships）

等の敵艦船に死を宣告した。

It is uncertain if any of these craft engaged the Invid, as insufficient records of the Invid's initial attack survive to describe those fateful hours, though it is reasonably likely if the remaining Southern Cross fleets had any warning of the attack whatsoever

残存サザンクロス軍艦隊が攻撃を受けた際に、何らかの警告でもあれば、合理的に言って（reasonably）何かその記録が残っていそうではあるが、インビッドの最初の攻撃の際の不十分な記録しか、それらの運命的な時間を記述する為に生き残れなかったので、これらの宇宙航空機のどのく程度がインビッドと対戦したかどうかは不明である。