ボビィ
(小学館「ザ・セレクトスペシャル 超時空騎団サザンクロス スペシャルガイドブック」より。)
【配色見本。1984年静岡模型見本市の1/48試作木型より。】
Bobby 【形式番号 SPR-19】
GMP(全領域統合憲兵軍)については別項で詳述する。リンク先を参照されたい。
【種別】
SPR-19 ボビィ:(全領域)統合憲兵軍(GMP)執行部の警備ロボット。 |
GMPの軍事法施行、セキュリティ及び戦術攻撃ロボット。 |
ボビィ(Bobby):は英国式英語で「巡査」の意味の俗語。もっともニュアンス的にはわが国の「おまわりさん」に当たる柔和な感触を持つ言葉である。もちろん受止側の見方によっては蔑称としても使われる。
【開発企業】
〔設計〕ヴッカース(Vickers)エリダヌス星系設計支部& S.C.A.R(※)
〔製造〕ヴッカース(Vickers)
〔機関〕アリソン(Allison)電力機関開発部(地球圏本社)
S.C.A.R(Scientific Committee on Academic Research=学術研究科学委員会)
QPR-19 /SPR-19 | |
全高 | 4. 9 m |
胴体厚 | 1. 3 m |
胴体幅 | 2. 3 m |
乾燥重量 | 7. 3t |
【主機】
- 1基のSCE-2P 超小型「プロトカルチャー (資源)電池・エネルガイザー (energizer)」
【反応剤積載量】
- 4本のプロトカルチャー (資源)標準キャニスター(小缶)。
【移動性能】
- 最大実効速度:72kph (時速115.872km/h)
- デルタ-V:(オプション装備時):通常の反応剤供給速度で0.3 kps。
これらは空間戦用のオプションバックであり、地上戦ではジャンプ飛行等は不可能。
〔パック未装備時の背面設定〕
(→出典:編集者入手の当時(1984年)の設定原画複写機コピーから)
【航続力】
- 反応剤耐久性:370時間の作戦使用毎に「プロトカルチャー (資源)」を交換&補給。
【電子装備〕
- コントロールシステム:(QPR-19のみ) GMP研究グループMk.5レフレックス人工知能システム。
【センサー・システム】
- ウエスティングハウスTPG-144 戦場監視モードを備えたXバンドのパルス・ドップラー・フェーズド・アレイ・レーダー
- フィリップス「オールビュー II」多波長・全方位・球状(Spherical)・デジタルカメラ・システム。中距離における全高度帯域の赤外線イメージング、光学可視帯域、紫外線帯域での探知及び追尾をバトロイドに提供する。
- フィリップスIRS-2画像認識システムは、GMPデータベースにデジタル無線接続し、容疑者の身元を明らかにし評価するために身分(identify)記録へのフル・アクセスをを提供します。
- トムソンLT-8・多波長・レーザー光波測距儀とレーザー目標指示装置(ディジネーター)。
パルス・ドップラー・レーダー (Pulse Doppler Radar) | レーダーが受信した信号にパルス連続処理とドップラー処理を加えるもので、ミキサーとバンドパス・フィルターを使用して目標物からの反射以外のものを排除するレーダー。地上や海面のクラッターなどを除去できる。 ドップラー技術を使用することで、目標の接近率を知ることもできる。 |
【戦術電子妨害/TEWS】
- セレーニア「グランド・ウォーリア(地上の戦士)」アクティヴ/パッシヴ・センサージャマー。
【固定武装】
- 1基のテザー・ガン(TASER):左手首にマウントされ、50 kVの電撃を送り込むことが可能。わが国で言うスタン・ガン相当。容疑者を気絶させることが出来る有効半径は約10 m。なお、距離や導通体によって電撃を調整するリミッター・アジャスター付で容疑者を殺さずに逮捕するよう設計されている。
【手持武器】
- 1基の EU-17粒子ビームガンポッド:このガンポッドは、1回の発火当たり2MJのエネルギー・パルスを発射可能で発射速度は毎分最大50回。これはゴーレムに割り当てられた標準ガンポッドで、他のバトロイド用標準ガンポッドは大き過ぎ、より小型なゴーレムに於いては有効に使用することが出来ない。
- 1基のGUP-2 戦術警察ガンポッド:結合した20mmの自動大砲および同軸40mmの擲弾筒(グレネード・ランチャー)。自動大砲は、ビーンバッグ(※1)のような低速暴動コントロール弾薬を発射することが可能。ラバーコート(※2)された膝撃ち木製弾丸(ニー・ノッカー/knee knockers)と同様に、タングステン・コーティングされた劣化ウランの装弾筒付徹甲弾(そうだんとうつきてっこうだん)Armor Piercing Spin-Stabilized Discarding Sabot (APSSDS)も、曳光弾を一定の割合で混ぜて(※3)使われた。
※1ビーンバッグ(Bean Bag) − 小さな玉で満たされたナイロンバッグを打ち出す。殺傷能力が低いので野生生物保護団体で使用する
※2【ゴム弾 (rubber bullet)】
弾頭を硬質ゴムで作成した弾丸。多くの場合、弾丸は切れ目の有る円筒状で先端にくぼみがあり、発射されると先端のくぼみが受ける風圧で切れ目に沿って十字形に開いて飛翔する。弾丸の重量やその構造上、有効射程が短く、目標に対して弾丸が貫通することがないので非致死性兵器として扱われる。しかし、至近距離では十分な殺傷力があり、目標にヘビー級プロボクサーのパンチ並みの衝撃を与えるうえ、数m以内では皮膚を貫通する威力のものがほとんどのため、当たり所によっては目標が死亡することも十分あり得る。この特性を生かして大型獣の撃退、警察や軍隊による暴徒鎮圧などに用いられる。
※4
徹甲榴弾〔High Explosive Armor Piercing (HEAP)〕と曳光弾を一定割合で混合。この火器はインビットには効果的だが、それ以外には威力不足で、サザンクロス軍ではあまり使用されなかった。|
※5
徹甲榴弾:HE-AP(又はAPHE)弾の事。
徹甲弾の内部に炸薬を入れたもので、敵の装甲を貫いてから内部で爆発する弾種。着弾から時間差で爆発させるため底部に信管を設けてある。WW2での艦船の主砲弾で、大口径砲では構造が簡素な割りには高性能だが、小型砲では炸薬の量が少なく、あまり効果的ではない為、現在あまり使われない。但し航空用機関砲では未だ現役である。
ゴーレム/ボビィの装甲は 新開発の低用量複合素材である。VQ-6Aバンダル(VFA-6レギオスの無人・人工知能型)以降適用後のすべての地球製機動兵器の規格になった低用量大規模複合材料チョバム(Chobham)装甲板である。発射体、ミサイル、および他の動的な兵器に対して提供された立派な保護は別として、この装甲もプラズマ球(破壊半径)、レーザー、およびある程度の粒子銃刀砲に抵抗力がある。これは装甲がそのような高エネルギー兵器から照射を受ける層で剥離して気化することで耐え得る意味で、発射された兵器のエネルギーの多くを吸収し、装甲の潜熱や昇華熱に変換しする形である。
装甲は、全ての小火器、重歩兵砲の発砲、および軽機動兵器の標準的な固定火器を止めて、中型の機動兵器装備の標準的な火器への良い抵抗を提供し、重機動兵器に装備されるような、例えば VF-1バルキリーのヒューズ・GU-11/55mm三連ロータリー滑腔弾(smooth-bore)ガンポッドのAPFSDS弾丸や、VHTタンク系に装備されたラインメタル105mmの無旋条砲弾丸については不十分ながら一定の距離である程度の抵抗力を有す。
パイロットの搭乗機能を持つSPA-19ボビーは、放射線および危険な化学センサーによって活性化された過圧力コックピット・モジュールを使用して、核危険、生物学の危険および化学災害からの十分な保護を提供する。生物戦条件が予想される場合、予め手動でフィルタを交換しなければならない。NBCろ過システムは最高1週間の浄化大気を提供することが可能である。
左より、核兵器・生物兵器・化学兵器(毒)の標識 |
【解説・運用史】
ヴィッカーズ社は、GMP【全領域(統合)憲兵軍】がその立場を強化するためにSPR-19パワーアーマーを開発した。
しかし、これは標準サイズのゼントラーディ兵士(戦術師団および民間防衛組織の任務だった)と歩調を合わせて警察任務を遂行することを意味しなかった。
これらの組織が対処することが出来なかった多くの状況(それは以前にはあり得なかった多くの困難な状況であった)を扱うことは、GMPに存在理由と柔軟性を与えた。
GMPの英国人師団によって「ボビィ」と愛称で呼ばれたSPR-19は、暴動鎮圧警察と共に暴動制御の役割をすることが可能だった。それは、爆破予告および爆発物処理の対処において有用だった。
「ボビィ」(おまわりさん=巡査の意)はM-11のような過去に憲兵隊によって使用された従来型装甲車より有効なパトロール車輌(広義の)であり、サージブレーカー(siege breaker)的役割を果たした。
危機に際してはこのユニットはGMP騎兵が標準サイズのゼントラーディ兵士に、格闘戦での機敏さを犠牲にせずに、彼らを制圧出来る十分な武器をマウントすることができるプラットフォームを提供すると共に、肉体的なサイズの劣勢を埋め合わせて、法の執行を適正に継続して執行可能なスーツを提供した。
GMPは「ボビイ」が重支援を他の軍事部隊サービスに依存することを黙認した。
さらに、このシステムを使用する場合GMPは、戦略機甲隊の「MBR-13サラマンダ」または都市防衛組織の「MDR-17ユニコーン小隊で実行可能なプロフィールの下位部分を自ら執行する事が出来た。
有用で柔軟性のあるSPR-19がそうであるとともに、これらのアーマースーツ(警察ロボット)は大量生産されなかった。
GMP側ではこれを禁止する要因としてコストが掛かることを挙げたが、しかし推理の線の先にある直接の理由は、QPR-19「ゴーレム」のより多くの生産と開発がGMPの少数精鋭の決定そのものと衝突することにあった。
その他のバトロイドに較べて小規模なボディの為にゴーレム/ボビィは、他のサザンクロス軍の標準型バトロイド用に開発された標準ガンポッドを有効に使用することが出来なかった。代わりに、より小型のEU-17粒子ビーム・ガンポッドを使用した。
【関連項目】
・ GMP(統合軍事警察) | ・ ラーナ・イザヴィア |
・ ゴーレム 【形式番号 QPR-19】 | ・ ゴーレム&ボビィ開発史 |
・ M11 Armored Security Vehicle | ・ FIAT 6836 M-120 Heavy Armored Vehicle |
【親項目】
2010年08月19日(木) 03:44:41 Modified by yui1107