最終更新:ID:rkVVfVbedg 2010年10月13日(水) 23:31:00履歴
537:『秘密にしたいことだってある』
10/08/01 02:14:29 QlmTgmJo
いつもだったら、この時間は期待しているはずなのに。
風呂から上がり、ベットに腰掛けている風早は「はぁ〜…」と、長いため息をつく。
一人暮らしをはじめて、この小さなアパートの一室に爽子が泊まりに来ることは
両の手で数えることはできないくらいあった。
その度に、二人きりの夜を過ごしてきた。
どれも思わず口元が緩んでしまうくらい、甘い気持ちで過ごしてきたのに。
こんなに重い気持ちで夜を過ごすのは初めてだ。
風早はちらりとベットの脇にひっそりと積まれた雑誌たちに目線を向け、
何回目かのため息をついた。
事の始まりは一時間前。
いつものように爽子手作りの夕飯を平らげた二人はまったりと過ごしていた。
「まるで犬みたいだね」と矢野から言われている風早は(もちろん不服ではあるが)
ここぞとばかりに爽子に甘える。
甘えてくる風早が嫌ではない爽子は(むしろ「かわいい」と密かに思っている)
そのまま身を委ね、二人きりの時間を楽しむ。
そのうち、いい雰囲気になってくるのはいつものことで。
爽子の赤く染まった頬に優しく唇をおとし、風早がシャワーを浴びに行ったのは、ほんの少し前。
浴室から出た風早が部屋に入ると、
さっきとは比べ物にならないくらい真っ赤になった爽子が気まずそうに座っている。
「?どーしt」
「わ、わたし!おお、お湯、いただくね!」
理由を聞こうと口を開く前に、爽子は勢いよく立ちあがり、あっという間に浴室へ消えていった。
疑問符を浮かべながら、しばらくの間、爽子が消えていった方向を眺めるが理由がわかるわけもなく。
後で聞けばいいか、とさっきまで爽子が座っていたベットの前に目を向け、
風早は固まり、今に至る。
538:『秘密にしたいことだってある』
10/08/01 02:15:22 QlmTgmJo
(まさか出しっぱなしにしていたとか…)
ちらりと目の端に映るそれは、水着の女性が豊満な体を惜しみなく晒している
いわゆるエロ本。
風早だって男だ。
エロ本の一つや二つや三つは持っている。
スケベだって自覚している分、なおさら。
それでも、爽子や突然の来訪者たち(主にジョーたち)に見つからないように、しっかりと隠していた。
しかし、うっかり片付け忘れていたらしく、見せるかのように乱雑に置かれていた。
中身こそ閉じられていたが、爽子が見つけた時も閉じられていたとは限らない。
むしろ、先ほどの爽子の反応を見る限り、ばっちり見てしまったんだろう。
さすがにそのままではマズイと端に寄せたが、現状は何も変わっていない。
(やっぱ引いたかなぁ…。こういうの免疫なさそうだし)
(怒るかなぁ…。いや、爽子のことだから「自分じゃ魅力がない」とか考えそう)
もやもやとした考えが次々に浮かんできては風早に重りのようにのしかかってくる。
普段なら、どこか浮かれた気持ちでそわそわと待っている時間だが、
今は別な意味でそわそわとしている。
カチャリ。
浴室のドアが開く音が聞こえた。
ガバっと顔を上げ、嫌な汗を流しながらドアに目線を向ける。
きぃ、と音を立てゆっくりとドアが開いていく。
心臓の音が聞こえるんじゃないかと、
いつもとは違う緊張感に包まれた風早の目に飛び込んできたのは
―ワイシャツ一枚姿の爽子だった。
539:『秘密にしたいことだってある』
10/08/01 02:15:54 QlmTgmJo
予想だにしなかった姿に思わずぽかんとしてしまう。
白いワイシャツからは、白い素足が覗いている。
彼女の体には少し大きいのか、まるで短いワンピースのようだ。
しっとりと濡れた黒髪と紅潮した頬から風呂上がりであることを知らせており、
開けられた第一ボタンの間からは鎖骨がちらちらと覗いている。
袖はすっぽりと彼女の手を包んでおり、申し訳程度に手先が覗いている。
その姿に熱と目眩を感じながら、風早はようやく口を開く。
「ど、どうしたの」
「あ、勝手に借りちゃってごめんなさい」
いや、そこじゃなくて。
なんでそんな俺好みの格好してるの。
…なんて言えるはずもなく。
風早はまじまじと眺めながら、かぁーと音をたてているかのように赤くなる爽子の言葉に耳を傾ける。
「その、さっき偶然部屋にあった雑誌に…ワイシャツ一枚の女の人が写っていて」
「翔太くんはこういうのが好きなのかな、て思いまして…」
「でもワイシャツ持ってきてなかったから、勝手に借りちゃったの。ごめんね」
「一言断った方がよかったね」と付け足し、しゅんと項垂れる。
その姿にすっかり萌えポイントを刺激された風早は立ち上がり、そのまま爽子を抱き締める。
予想していなかった爽子の反応に安心しながらも、爽子の体温とシャンプーの香りを楽しむ。
すっぽりと腕に収まっていた爽子はしばらくすると、もぞもぞと身体を動かした。
「あ、あの」
その様子に気付いた風早は爽子の顔を覗き込む。
540:『秘密にしたいことだってある』
10/08/01 02:18:28 QlmTgmJo
(うっ…)
紅潮した頬に潤んだ瞳で上目遣いされるのに、風早は弱い。
そんな風早には気づかず、爽子は恥ずかしそうに口を開く。
「お腹に、その…当たっているんですが…ひゃぁ!?」
「…〜っ、爽子がそうさせているんだってば!」
気まずさを誤魔化すかのように、風早が強く抱きしめ、
既に熱を持ちはじめた自身を押しつけるような形になる。
何度体を重ねても、ひとつひとつに敏感に反応する爽子の反応が、
風早に芽生えた小さな悪戯心をどんどん大きくさせていく。
フルフルと小さく身体を震わせ反応する爽子に対し、
風早の視線は白いシャツから覗く白い太ももへと注がれている。
抱きしめていた腕を爽子の細い腰に回すと、そのまま爽子を背伸びさせる程度に体を持ち上げる。
突然のことに驚く爽子を傍目に、風早はそのまま熱を持った自身を白い太ももへと押しつける。
「…っぁ」
ビクッと跳ねた身体と小さく聞こえた喘ぎ声に気前を良くした風早は
今度は太ももなぞるかのように、それを当ててみる。
それだけではもの足りず、風早は爽子の耳たぶをはむはむと甘噛みする。
「ん…っ!」
口はそのまま首筋へと移動していき、わざとらしくちゅ、ちゅ、と音を立てていく。
声を我慢しているのかくぐもった声が漏れ、シャツの隙間からちらちらと見える鎖骨はなんとも色っぽい。
風早からの愛撫に十分なほど反応する爽子は立っていられないのか、風早の肩に腕を回し体を預ける。
それが合図のように、二人は密着したままベットへと倒れこんでいった。
541:『秘密にしたいことだってある』
10/08/01 02:18:59 QlmTgmJo
首筋へのキスを終えた風早は、爽子に覆いかぶさっていた身体を起こし、跨っている爽子を眺める。
シーツに広がる黒髪。
それだけなのに、どこか色気を感じさせる。
逆に爽子の表情は、まんまるく目を見開いており、みるみるうちに羞恥の色を濃くしていく。
(…かわいい)
そんなこと思ってもなかなか口には出せない風早は、代わりにキスの雨を降らせていく。
おでこ、耳、首筋、鎖骨と移動していき、最後には唇にキスを落とす。
普段ならここで終わるが、風早の頭の中に小さな欲求が生まれる。
それに突き動かされるかのように、風早は白いシャツから覗く白い太ももへとキスをする。
そのまま赤い印をつけ、爽子を見上げると耐えるかのように、ぎゅっと目を瞑り口元を手で覆っていた。
(声、聞きたいのに)
情事の時の、耐えきれずに漏れるあの声が好きで堪らないのだ。
口元を覆う手を自分の手に絡みとり、そのまま「おまけ」と呟き、ぺろりと印を舐める。
「ひゃん…っ」
思惑通り、爽子の口からは耐えきれずに甘い声が漏れる。
思わず緩んでしまう頬を引き締めながら、一旦離れ、息が乱れる爽子を見下ろす。
潤んだ瞳で、何かを訴えるような表情の爽子に気付き、耳を寄せる。
しばらくもじもじと言いにくそうにしていたが、耐えきれないのか、
消え入りそうな声で、恥ずかしそうに訴えた。
「じ、焦らさ…ないで…」
(〜…っ、色っぽいのに可愛いなんて反則だ!)
二人の夜は、始まったばかり。
10/08/01 02:14:29 QlmTgmJo
いつもだったら、この時間は期待しているはずなのに。
風呂から上がり、ベットに腰掛けている風早は「はぁ〜…」と、長いため息をつく。
一人暮らしをはじめて、この小さなアパートの一室に爽子が泊まりに来ることは
両の手で数えることはできないくらいあった。
その度に、二人きりの夜を過ごしてきた。
どれも思わず口元が緩んでしまうくらい、甘い気持ちで過ごしてきたのに。
こんなに重い気持ちで夜を過ごすのは初めてだ。
風早はちらりとベットの脇にひっそりと積まれた雑誌たちに目線を向け、
何回目かのため息をついた。
事の始まりは一時間前。
いつものように爽子手作りの夕飯を平らげた二人はまったりと過ごしていた。
「まるで犬みたいだね」と矢野から言われている風早は(もちろん不服ではあるが)
ここぞとばかりに爽子に甘える。
甘えてくる風早が嫌ではない爽子は(むしろ「かわいい」と密かに思っている)
そのまま身を委ね、二人きりの時間を楽しむ。
そのうち、いい雰囲気になってくるのはいつものことで。
爽子の赤く染まった頬に優しく唇をおとし、風早がシャワーを浴びに行ったのは、ほんの少し前。
浴室から出た風早が部屋に入ると、
さっきとは比べ物にならないくらい真っ赤になった爽子が気まずそうに座っている。
「?どーしt」
「わ、わたし!おお、お湯、いただくね!」
理由を聞こうと口を開く前に、爽子は勢いよく立ちあがり、あっという間に浴室へ消えていった。
疑問符を浮かべながら、しばらくの間、爽子が消えていった方向を眺めるが理由がわかるわけもなく。
後で聞けばいいか、とさっきまで爽子が座っていたベットの前に目を向け、
風早は固まり、今に至る。
538:『秘密にしたいことだってある』
10/08/01 02:15:22 QlmTgmJo
(まさか出しっぱなしにしていたとか…)
ちらりと目の端に映るそれは、水着の女性が豊満な体を惜しみなく晒している
いわゆるエロ本。
風早だって男だ。
エロ本の一つや二つや三つは持っている。
スケベだって自覚している分、なおさら。
それでも、爽子や突然の来訪者たち(主にジョーたち)に見つからないように、しっかりと隠していた。
しかし、うっかり片付け忘れていたらしく、見せるかのように乱雑に置かれていた。
中身こそ閉じられていたが、爽子が見つけた時も閉じられていたとは限らない。
むしろ、先ほどの爽子の反応を見る限り、ばっちり見てしまったんだろう。
さすがにそのままではマズイと端に寄せたが、現状は何も変わっていない。
(やっぱ引いたかなぁ…。こういうの免疫なさそうだし)
(怒るかなぁ…。いや、爽子のことだから「自分じゃ魅力がない」とか考えそう)
もやもやとした考えが次々に浮かんできては風早に重りのようにのしかかってくる。
普段なら、どこか浮かれた気持ちでそわそわと待っている時間だが、
今は別な意味でそわそわとしている。
カチャリ。
浴室のドアが開く音が聞こえた。
ガバっと顔を上げ、嫌な汗を流しながらドアに目線を向ける。
きぃ、と音を立てゆっくりとドアが開いていく。
心臓の音が聞こえるんじゃないかと、
いつもとは違う緊張感に包まれた風早の目に飛び込んできたのは
―ワイシャツ一枚姿の爽子だった。
539:『秘密にしたいことだってある』
10/08/01 02:15:54 QlmTgmJo
予想だにしなかった姿に思わずぽかんとしてしまう。
白いワイシャツからは、白い素足が覗いている。
彼女の体には少し大きいのか、まるで短いワンピースのようだ。
しっとりと濡れた黒髪と紅潮した頬から風呂上がりであることを知らせており、
開けられた第一ボタンの間からは鎖骨がちらちらと覗いている。
袖はすっぽりと彼女の手を包んでおり、申し訳程度に手先が覗いている。
その姿に熱と目眩を感じながら、風早はようやく口を開く。
「ど、どうしたの」
「あ、勝手に借りちゃってごめんなさい」
いや、そこじゃなくて。
なんでそんな俺好みの格好してるの。
…なんて言えるはずもなく。
風早はまじまじと眺めながら、かぁーと音をたてているかのように赤くなる爽子の言葉に耳を傾ける。
「その、さっき偶然部屋にあった雑誌に…ワイシャツ一枚の女の人が写っていて」
「翔太くんはこういうのが好きなのかな、て思いまして…」
「でもワイシャツ持ってきてなかったから、勝手に借りちゃったの。ごめんね」
「一言断った方がよかったね」と付け足し、しゅんと項垂れる。
その姿にすっかり萌えポイントを刺激された風早は立ち上がり、そのまま爽子を抱き締める。
予想していなかった爽子の反応に安心しながらも、爽子の体温とシャンプーの香りを楽しむ。
すっぽりと腕に収まっていた爽子はしばらくすると、もぞもぞと身体を動かした。
「あ、あの」
その様子に気付いた風早は爽子の顔を覗き込む。
540:『秘密にしたいことだってある』
10/08/01 02:18:28 QlmTgmJo
(うっ…)
紅潮した頬に潤んだ瞳で上目遣いされるのに、風早は弱い。
そんな風早には気づかず、爽子は恥ずかしそうに口を開く。
「お腹に、その…当たっているんですが…ひゃぁ!?」
「…〜っ、爽子がそうさせているんだってば!」
気まずさを誤魔化すかのように、風早が強く抱きしめ、
既に熱を持ちはじめた自身を押しつけるような形になる。
何度体を重ねても、ひとつひとつに敏感に反応する爽子の反応が、
風早に芽生えた小さな悪戯心をどんどん大きくさせていく。
フルフルと小さく身体を震わせ反応する爽子に対し、
風早の視線は白いシャツから覗く白い太ももへと注がれている。
抱きしめていた腕を爽子の細い腰に回すと、そのまま爽子を背伸びさせる程度に体を持ち上げる。
突然のことに驚く爽子を傍目に、風早はそのまま熱を持った自身を白い太ももへと押しつける。
「…っぁ」
ビクッと跳ねた身体と小さく聞こえた喘ぎ声に気前を良くした風早は
今度は太ももなぞるかのように、それを当ててみる。
それだけではもの足りず、風早は爽子の耳たぶをはむはむと甘噛みする。
「ん…っ!」
口はそのまま首筋へと移動していき、わざとらしくちゅ、ちゅ、と音を立てていく。
声を我慢しているのかくぐもった声が漏れ、シャツの隙間からちらちらと見える鎖骨はなんとも色っぽい。
風早からの愛撫に十分なほど反応する爽子は立っていられないのか、風早の肩に腕を回し体を預ける。
それが合図のように、二人は密着したままベットへと倒れこんでいった。
541:『秘密にしたいことだってある』
10/08/01 02:18:59 QlmTgmJo
首筋へのキスを終えた風早は、爽子に覆いかぶさっていた身体を起こし、跨っている爽子を眺める。
シーツに広がる黒髪。
それだけなのに、どこか色気を感じさせる。
逆に爽子の表情は、まんまるく目を見開いており、みるみるうちに羞恥の色を濃くしていく。
(…かわいい)
そんなこと思ってもなかなか口には出せない風早は、代わりにキスの雨を降らせていく。
おでこ、耳、首筋、鎖骨と移動していき、最後には唇にキスを落とす。
普段ならここで終わるが、風早の頭の中に小さな欲求が生まれる。
それに突き動かされるかのように、風早は白いシャツから覗く白い太ももへとキスをする。
そのまま赤い印をつけ、爽子を見上げると耐えるかのように、ぎゅっと目を瞑り口元を手で覆っていた。
(声、聞きたいのに)
情事の時の、耐えきれずに漏れるあの声が好きで堪らないのだ。
口元を覆う手を自分の手に絡みとり、そのまま「おまけ」と呟き、ぺろりと印を舐める。
「ひゃん…っ」
思惑通り、爽子の口からは耐えきれずに甘い声が漏れる。
思わず緩んでしまう頬を引き締めながら、一旦離れ、息が乱れる爽子を見下ろす。
潤んだ瞳で、何かを訴えるような表情の爽子に気付き、耳を寄せる。
しばらくもじもじと言いにくそうにしていたが、耐えきれないのか、
消え入りそうな声で、恥ずかしそうに訴えた。
「じ、焦らさ…ないで…」
(〜…っ、色っぽいのに可愛いなんて反則だ!)
二人の夜は、始まったばかり。
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