とりあえず現段階でのまとめ

47 名無しさん@ピンキー[sage] 2009/05/20(水) 15:12:55 ID:J0h45oNT
※編集注:浮気話注意※
ここしばらくお互いの仕事が忙しく、すれ違いの日々が続いていた。たまに会えても爽子は大層疲れた様子ですぐに眠りについてしまう。 
一週間、二週間……ひと月。 
風早の我慢が限界に達しそうなある晩、爽子がやってきた。 
「やっと仕事が一段落したよ」 
安堵した顔で笑む恋人の顔を見て、自分も同じように笑った。そこに嘘はなかった。それだけではないけれど。 
その晩、ベッドの上で、長い黒髪に顔をうずめた。白い顔と首筋に何度もキスを繰り返し衣類に手をかけた時、爽子の顔が苦悶していることに気がつく。 
「爽子?」 
急な変化に戸惑いながらも、急いで彼女の上から移動するが、うめき声についで額に汗が浮かぶ。 
「んっ」 
蒼白な顔に心臓を締め付けられる。 
「待ってて!救急車呼ぶから!」 
部屋からら飛び出そうとすると、弱々しい腕が制止した。 
「風早く…違うの」 
きつく刻まれた眉間はそのままに、苦しげな声が。 
「…今月…ずれてて……ごめんなさい。きちゃったみたい」 
とりあえず病気でないことにホッとしたが、爽子が薬を飲み布団に丸まってようやく寝息をたてたると、起こさぬように移動してから盛大なため息を吐き出した。 
}
48 風早浮気話2[sage] 2009/05/20(水) 15:26:18 ID:J0h45oNT
翌日、仕事帰りに職場の同僚と飲むことになっていた。爽子は臨時の会議で遅くなり、その日は会えないと言われていたし、アノ日はおそらくゆっくりとひとりで眠りたいだろうと思う。

「風早、今日よく飲むなぁ」
「のまずにはいられないりゆーがおれにはあるんだ!」
ガンッとジョッキをテーブルに置くとき、加減が出来なくなっていた。
(酔ってる)
まだ自覚できるから大丈夫だと思った。しかし風早は徐々に酩酊していき、すぐにその自覚も手放した。
「一緒に飲みませんか?」二人の女がそこにいた。ひとりは茶色い長い髪を腰近くまで伸ばしていた。
(爽子とどっちが長いかなぁ)
形の良い唇が笑いの形をつくり、光っていた。

風早の記憶は曖昧になった。
「わたしのへやすぐだから」
声が近付いたり遠ざかったりしながら、耳に残る。
長い髪が夜の闇のなかで揺れた。

唇を貪り
鎖骨の窪みを舌でなぞり
柔らかな暖かい山の頂上に辿り着き
熱い喘ぎが耳にかかる
さわこきょうはずいぶんこえだすね
よく回らない頭でそう思う。
積極的に吸い付いてくる唇。背中に回された手のひらがせわしなく肌を行き来し、片手が風早の下半身をまさぐる。
どうしちゃったの
さわこもしたかった?
おれがまんできないよ
いい?
49 風早浮気話3[sage] 2009/05/20(水) 15:39:41 ID:J0h45oNT
急いで避妊具をつけて、熱いものを当て…いくよいれるよ。
ちらと顔を上げたら、予測外の潤む瞳と目が合った。
あっ。
だれこのオンナ。
だけど止まらない。
ズブと入ってしまい、熱くまとわり付くその快感。もう止められない。
このかんじさわこじゃない。爽子じゃないや。
背徳感が背中を突き抜け快感を加速させる。
腰の動きに合わせて、下の女が甘い細い声を繰り返し上げる。またそれに応えるように突いていく。暫くすると風早の僅かの誘導で、オンナは慣れたように体位を変えていく。
ああ、全然違うんだなと、快楽の片隅で自分の声がする。いつになっても恥じらいながらきごちなく自分の求めに応じる細い身体を思い浮かべる。
爽子じゃないならどんな格好させてもいいや。
風早は女の体を持ち上げて荒々しく腰を動かす。それに合わせてオンナは腰を振る。汗と蜜のにおい。でもこれは甘くない。
硬い乳首をくわえ込んだ。ああ、感じる場所は似てるね。途端に黒髪の、愛しいひとの裸体と重なる。耐えがたいほどの波が来る。
「あっ!」
オンナが叫ぶ。
イクイクイッチャウッ!
締めつけられて、爽子と呼ぶ。大事な名前を頭の中で。吐き出す瞬間の白い光の中で。
『ごめん』
ごめん爽子。間違えて。
キスはもうしないから。
50 風早浮気話4[sage] 2009/05/20(水) 15:47:55 ID:J0h45oNT
カーテンを通す朝の光の下でみるオンナは、こげ茶の髪の長いの綺麗な顔立ち。でもどこにでもいるような女だった。 
爽子以外のひとと初めて体を重ねたというのに、その身体を綺麗だとは思うが、もう触りたいとは思わない。あるのは身代わりにした眠る女への申し訳なさと、爽子へ罪悪感。 
そっとベッドを抜け出し鞄から携帯を取り出すと、着信を知らせる点滅が光る。ギクリとして液晶をみると、やはり彼女の名前があった。昨晩の履歴の着信とメールが一件ずつ。 
控え目な彼女らしい、おやすみの挨拶と、珍しく愛の言葉が書かれていた。無機質な携帯が急に大事になる。 
天井を仰ぐ。 
隠し通さなければ、と思う。 
これだけは失えない。 
58 風早浮気話5[sage] 2009/05/21(木) 15:08:55 ID:By1KTR06

その晩仕事を終えた爽子が風早の部屋にやって来た。いつもの心地よい空間に、異質なのは自分。何度洗い流しても昨晩のオンナの残滓がまとわりついているようで落ち着かない。 
「風早くん?」 
そんな自分とは裏腹に、体調が戻りつつつある爽子は、血の気はないがスッキリとした顔をしている。 
「どうかした?調子わるい?温かくして今日はもう寝て」 
暖かな眼差しを、腹を決めて真正面から受け止める。 
その時携帯が鳴った。 
風早は今まで爽子と居るときに電話に出るのを躊躇したことはなかった。いつも爽子のそばで会話をしていた。後ろ暗いことなどなにもなかったから。でも今日は…。 
コレに出てはまずい、そう思ってしまったら不自然な間が出来た。 
「風早くん?電話…」 
のろのろと携帯を持ち上げる。このまま時間が止まってしまえと思った。そうでなければ今すぐにこの携帯を叩き壊せと。しかし、操られたように動く親指が、繋げてしまった。大きな同僚の声が響く。爽子の耳にも。 
59 風早浮気話6[sage] 2009/05/21(木) 15:13:26 ID:By1KTR06
「あっ、風早!おまえ昨日の女のうちになんか忘れた?ケー番知りたがってんだけど、ちゃんと彼女居ること話したっつったよなぁ。教えねぇよ?」
「ああ…」
忘れ物なんかしてないし、実は彼女がいて彼女が一番大事であなたは酔った勢いですすみませんときちんと朝出るときに話してきたよ。
そんなことは今声に出せないので、じゃあなと一方的に通話を終える。
爽子はまだうまく事態が把握できていないようであったが、不安気に、そして助けを求めるように風早をみた。
風早は膝をつき、ひれ伏した。


罪をさらけ出した風早に「ずるいよ風早くん」
そう言って黙った爽子は微動だにしない。顔を上げた風早は、蒼白い無表情な爽子に対峙する。
「ごめん!ごめんなさい!!」
風早はもう一度頭を床に押し付けた。
「俺弱かった。酔って…止められなかった」
懸命に言葉をつなぐがずっと爽子は黙したまま。しかし、「俺がすきなのは爽子だけなんだ」そう言った次の瞬間に、弾けるように爽子が崩れた。
60 風早浮気話7[sage] 2009/05/21(木) 15:36:27 ID:By1KTR06
「んーーーっ!!」
爽子は駄々っ子のように近くのクッションを叩く。しかし慣れない拳の勢いに振り回されて前のめりによろけた。それを支えた風早の腕をパシと払いのけ、今度はその胸を叩く。
「ずるいよ、ずるいよっ」と繰り返す。子供の癇癪のようだと感じた。風早は打たれるままに、爽子を見守る。
「どうして言うの?聞いちゃったら私許さなきゃいけない。風早くんが誰かにキスするなんていやだよ、私に触れるみたいに誰かにするなんていやだよっ。いやだよっ!でもっ」
涙を流しながら爽子は声を絞り出す。
「風早くんを無くすのが一番いやだ。だから許さなきゃ。でもいやなんだよっ。どうしたらいいかわからないっ」
そのまま声をあげて子供のように泣き出す爽子を、風早は抱き締めた。細い体が力一杯抵抗し、風早の腕の中で暴れた。こんな力があったのかと驚きながら、「爽子」と何度も呼び掛ける。「ごめん、爽子、ごめんな」と。
何度引っかかれても、風早は腕を解かない。今、解いてしまったら終りのような、危うい場所に自分たちがいることを感じていた。徐々に爽子の動きが弱まり、最後に叩いた拳が風早の胸で止まる。
荒い呼吸とすすり泣きがずっと響いていた。
61 風早浮気話8[sage] 2009/05/21(木) 16:05:44 ID:By1KTR06
大きな呼吸を幾度か繰り返し、顔を上げた爽子は風早に、なかないで、そう言った。
「泣かないで風早くん」
風早は苦しそうに伸ばされた手に触れられて、自分が泣いていることを知る。
「…ごめんね」
昏い眼で告げられて、砂袋で殴られたような重い衝撃に動けない。爽子の黒々とした揺れる瞳が風早を映す。
「私きっと風早くんに触れられるたびに思い出してしまう。考えてしまう。この手が、別の女の人の肌に触れたこと。ずっと忘れられないかもしれない…」
風早は別れの言葉を覚悟した。到底聞き入れることは出来ないと思いながらも、爽子にはそれを口にする権利があるのだ。風早は待った。
長い昏い沈黙は、爽子の震える声で破られた。
「埋められるかな…」
寂しい真っ暗な海の底から遠い太陽を仰ぎ見るような、心細さと祈りを感じて風早は震えた。
「さわって」
お願いと。消えそうな一本の蜘蛛の糸のような爽子の声を決して逃さないように辿って涙に濡れた頬に触れる。一瞬浮かんだ嫌悪感を、風早は悲しく受け止めた。爽子も同じだと思ったから。
62 風早浮気話9[sage] 2009/05/21(木) 16:53:32 ID:By1KTR06
「風早くん…もっと」
いざなう声に、手を滑りこませて爽子の服を脱がせていく。まだ生理の終わらぬうちのこのような行為を、普段ならば爽子は決して許さない。しかし今を逃してはもう遅いのだとお互いにわかっていた。
涙は絶え間なく流れ落ちる。赤くなった鼻をすすり、しゃっくりを繰り返しながら、爽子は風早のゆっくりとした愛撫を受ける。熱い吐息で、時折訪れる嫌悪感と風早への愛を均そうと闘っている。
風早は跪き、真っ白な肌に祈りを込めて唇を落とし、肌に落ちた涙を吸い上げていく。
今は言葉では埋められないのだ。
時折、鼻をすすり上げる音に混じり「風早くんのばか」と聞こえた。途方もない愛しさと恐れが胸を占める。
風早は、愛していると、愛しているよと、決して口には出さずに、注ぎ込むようにまだ血の匂いのする爽子のなかに入っていった。
涙に汚れた爽子が、稚けなく微笑んでまた涙を零した。
 
おわり
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