とりあえず現段階でのまとめ

245 FUNDAMENTAL LOVE[sage] 2008/11/18(火) 02:01:15 ID:lLBIlxnv
「誤解が解けたつ、ついでに告白しても・・い、い?」
二人の間に出来た大きな溝を修復した黒沼爽子は、確かにそう言った。

「え?何の?」
「……告白は、告白以外はない……かと…」

その言葉を正しく理解した時の風早の顔は、面白いほどに崩れていた。




 
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「よかったじゃん爽子!!」
「おめでとー、長い道のりだったね」
二人で教室まで戻ると、あやねと千鶴がそう言って、笑顔で2人を出迎えてくれて。
「あー……うん……」
 風早は、照れくさそうに視線を合わせられずに下へ向けたまま、しかし繋いだ手を離さずに そう言った。


「あれ、…爽子?」
「黒沼?」
 ふと振り返ると、爽子はなぜか、沈んだように俯いていた。
「まさか…嫌なことでもされたのか貞子ちゃん?」
 ケントも、いくらか怪訝そうにし、心配そうに爽子に訊ねる。
「え? あ……」
 爽子は、はっと我に返ったように、顔を上げるが、
「な、なんでもないよ」
 と、戸惑ったように言い、また、視線を俯かせてしまう。
「…………黒沼?」
 爽子の様子に、風早もなんとなく、不安になってきてしまう。

その後開かれた龍の家で『ようやく付き合っておめでとう会』が開かれたときも、爽子の表情は相変わらず優れなかった。
246 FUNDAMENTAL LOVE[sage] 2008/11/18(火) 02:04:31 ID:lLBIlxnv
「なぁ、黒沼……」

彼氏、彼女になった二人で始めて歩く、帰り道。
 風早は、爽子に向かって、優しく問いかける。
「何か、黒沼だけじゃ解決できない事があるんだったら、教え
てくれない? 俺、そんなに頼りないかな?」
「……そうじゃ、ない…」
 しかし、爽子は、普段以上にボソボソと言うだけだった。

「黒沼?」
 風早が、再度名前を呼んで問いかけると、爽子は意を決したように、
顔を上げて、風早を見つめた。
 風早は一瞬、たじろぎかけるが、踏みとどまって、笑顔を向ける。
「……風、早くんは──」
 爽子は、不安そうな瞳を向けて、問いかける。
「これで、良かった?」
「え?」
 爽子の突飛な言葉に、風早は一瞬、キョトン、と、呆気に取られてしまった。
「私で、良い?」
「うん、黒沼が良い」
 風早は微笑んで答えるが、爽子の表情は、浮かないままだ。
「私…………付き合えない」
「えっ」
 風早は、爽子の言葉に、驚いたように目を円くする。

 恋人。ちづちゃんも体験したことの無い、大人な世界。

そんな事が、自分に出来るのか。彼女なんて大役が、自分に赦されるのだろうか。
 そんな不安が、爽子の胸中に、あの瞬間から湧いていた。
あやね、千鶴、真田に祝われた時点で、一気に爽子の意識にのしかかって来たのだった。

「普通に、付き合えない……」
 爽子は、風早から視線を離し、俯いた。
「爽子」
 風早が、きっぱりとした声で、爽子の名前を呼ぶ。
「あ……」
 爽子がちらり、と視線をやると、風早は、険しさを感じさせる表情で、爽子を見ていた。
「……名前」
 爽子は、戸惑ったような色を見せつつ、風早の顔に視線を上げる。
「なあ、普通って何?」
「……え、と」
 風早の問いかけに、今度は爽子が、キョトンとしてしまう。
「俺は、爽子が好きだから爽子の隣にいる。 爽子ともっと一緒にいたいから
ここにいる。それじゃ、駄目か?」
「……ううん……」
 風早はそこまで言って、爽子が軽く頷くのを確認すると、顔をいつもの、穏和そうな笑みに戻した。
「何度でも言う。黒沼爽子が好きだ」
「風早くん……ごめんなさい。変な事言ってしまって」
 爽子は感極まって涙を両目に湛えてしまいつつそう言った。
247 FUNDAMENTAL LOVE[sage] 2008/11/18(火) 02:05:44 ID:lLBIlxnv
「……」
風早は、そっと、爽子を抱きしめた。
「…あ…」
 それを感じた爽子が、風早におずおずと腕を回して。



風早にお礼をしたい時には、5秒目を瞑ってやれよ



ピンから以前教えられた『風早への』お礼を実行しようとして。
爽子は目を閉じて、2人はそのままキスを交わす。

数時間前に初めて体験した、重ねるだけの、甘い甘い、蕩けるようなキス。

「……風早くん、好き」
くちびるが離れると、爽子は微笑み、抱きついたまま風早を見据えて、はっきりと言った。
「俺も」
風早は腰に回していた左腕にぐっと力を込める。 

────大丈夫……これから、何があっても、
私は今日のかぜはやくんの言葉を思い出したら、絶対大丈夫…… 

ぎゅっと抱きしめ返しながら、爽子は思う。 
「風はやく……ん」
「爽子……」 
2人して顔を赤らめ、しかしごく自然に、惹かれ合うようにもう一度キスをする。

「う…」
「ん……はぁ・・」
1分近く重ねていた唇を開放され、爽子は息を乱しながら脱力する。
「……キス、っていっぱい…あるんだ」
「……うん」 
少し長いキスから離れると、風早と爽子の双方は目を合わせたり、
逸らしたり、見つめてみたり顔をさらに紅潮させてみたりしながらの
ウブコントを繰り返す。

「……日にち決めて、二人だけで遊びに行こう」
爽子は、こくん、と、肯定の頷きを返した。

その何気ない動作がたまらなく愛しくて。
もう一度唇を重ねた。
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