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ウィキペディア「脳死」について、論ずる

概要

脳死について、定義および概念の説明、脳死と判定された患者の意識回復例、その他、百科事典としての記事について吟味が必要であり、ウィキペディア「脳死」についても厳格なる説明が必要であろう。

ウィキペディア−脳死〜2003年11月19日初版

ウィキペディア「脳死」初版

脳死

脳死とは、脳幹を含めた脳すべての機能の廃絶のことである。
古来、人間の死とは何かは自明のことであったため、医学的に厳密に定義することはさほど重要ではなかった。一般に、脳、心臓、肺すべての機能が停止した場合と考えられており、医師が死亡確認の際に呼吸、脈拍、瞳孔反射の消失を確認することはこれに由来している。
しかし医療技術の発達により、脳の機能が完全に廃絶していても(そのため自発呼吸も消失していても)、人工呼吸器により呼吸と循環が保たれた状態が出現することとなった。個体として死んでいるとは確言できないが、人物として人格はすでに失われた状態である。これを脳死と呼ぶが、近年二つの観点から脳死を人の死と認めるべきかどうかが問題となっている。

論点

臓器移植
免疫抑制薬の発達により、疾患の治療法に臓器移植が選択肢として加わるようになったてきた。しかし、多くの臓器は死体からの移植では機能を保てない(死体移植で実用的なものは腎臓、角膜など限られている)。もし脳死患者は死亡したものとみなすことができれば、生命維持に必須の臓器を生体移植に準じた条件で摘出することが可能となる。
尊厳死
脳機能の廃絶した状態では呼吸管理と経管栄養(または静脈栄養など)に完全に依存してしか生存できず、かつ循環機能の停止も時間の問題であると考えられる。この、無意味に延命させられている状態で最期を迎えることについて人間としての尊厳を奪うものと考える向きもある。この場合、脳死が人の死と認められなければ人工呼吸器をはずすなどの措置は直ちに殺人罪が成立してしまう。

脳死判定

診察・検査結果などから明らかに脳死であろうと判断される状態は臨床的脳死と呼ばれる。しかし、臓器移植などの目的で脳死を法的に示す必要のある場合は手順に乗っ取った脳死判定が行われる。このような目的がないときに脳死判定をすることはできない。なぜなら、判定基準は呼吸器をはずして自発呼吸を確認するなど患者を死亡させかねない項目を含んでいるからである。

この記事は 書きかけです。この記事を直して下さる協力者を求めています。

ウィキペディア−脳死〜2008年8月24日版

ウィキペディア−脳死〜2008年8月24日版

脳死

脳死(のうし、英:brain death)とは、ヒトの脳幹を含めた脳すべての機能が不可逆的に(回復不可能な段階まで)廃絶した状態のことである。ただし国によって定義は多少異なり、大半の国々は前述のような「全脳死」を脳死としているが、イギリスでは脳幹のみの機能停止を条件とする「脳幹死」を採用している。

目次 [非表示]
1 概要
2 脳死判定
3 脳死判定基準
3.1 脳死判定の前提条件
3.2 除外条件
3.3 判定基準
4 論点
5 関連項目
6 外部リンク

概要

古来、人間の死とは何かは自明のことであったため、医学的に厳密に定義することはさほど重要ではなかった。一般に、脳、心臓、肺すべての機能が停止した場合(三兆候説)と考えられており、医師が死亡確認の際に呼吸、脈拍、対光反射の消失を確認することはこれに由来している。順序としては一般に

肺機能の停止
心臓機能の停止
脳機能の停止
という過程を辿ることになる。

しかし医療技術の発達により、脳の機能が完全に廃絶していても(そのため自発呼吸も消失していても)、人工呼吸器により呼吸と循環が保たれた状態が出現することとなった。すなわち、

脳幹機能の停止
本来ならば心臓機能が停止する筈だが、人工呼吸器により呼吸が継続される
心臓機能も維持される
という過程の結果生ずる状態が脳死である。脳死は、心肺機能に致命的な損傷はないが、頭部にのみ(例えば何らかの事故を原因として)強い衝撃を受けた場合やくも膜下出血等の脳の病気が原因で発生することが多い。

本来、脳死に陥った患者は随意運動ができず、何も感じず、近いうちに(あるいは人工呼吸器を外せば)確実に心停止するとされる状態の筈であるが、それを否定するような現象の報告例も多い。また、心臓は動いており、身体も温かい。脳死者の多くは、脊髄反射によって身体を動かすことがある。

脳死という状態は、人工呼吸器が開発・実用化された1950年代頃に現れるようになった。当時は「超昏睡」や「不可逆昏睡」などと呼ばれ、あくまで生きている状態とされていた。

脳死判定

診察・検査結果などから、明らかに脳死であろうと判断された状態を臨床的脳死と呼ぶ。

しかし、臓器移植などの目的で脳死を法的に示す必要のある場合は手順に則った脳死判定が行われる。このような目的がないときに脳死判定をすることはできない。なぜなら、判定基準は呼吸器を外して自発呼吸を確認するなど患者を死亡させかねない項目を含んでいるからである。

なお、日本国における法的な脳死の定義については「臓器の移植に関する法律」第6条の規定による。同法による臓器移植による脳死判断の初適応は1999年2月28日である。

脳死判定基準

以下は日本脳神経外科学会による脳死判定基準である。

脳死判定の前提条件
深昏睡である。(意識障害参照)
原疾患が確実に診断されており、回復の見込みがない。

除外条件
6歳未満の小児(ただし、法的な意思確認の関係上、15歳未満が事実上の除外条件となっている)
急性薬物中毒
低体温
代謝・内分泌障害
妊産婦
完全両側顔面神経麻痺のある時。
自発運動、除脳硬直、除皮質硬直、痙攣が認められる時。

判定基準
脳死判定は移植に関係のない、脳死判定の経験のある2名以上の医師で行い、6時間後にも同所見であることが必要である。なお、脳死判定に先立って臨床的脳死判定する場合は1〜4を確認する。

深昏睡(JCS300またはGCS3)である。
瞳孔固定 両側4mm以上。
脳幹反射(対光反射、角膜反射、網様体脊髄反射、眼球頭反射、前庭反射、咽頭反射、咳嗽反射)の消失。→よって失明、鼓膜損傷などでこれらが施行できない場合は脳死判定はできない。
平坦脳波。(刺激を加えても最低4導出で30分以上平坦)
自発呼吸の消失。(100%酸素で飽和したのち呼吸器を外し、動脈血中二酸化炭素分圧が60mmHg以上に上昇することを確認。脳に影響を与えるため、必ず最後に実施する。)
2回目の判定が終了した時刻を死亡時刻とする。

論点

長期脳死(chronic brain death)
従来、脳死になったら数日から一週間で心臓も止まると言われてきたが、1998年に米国の脳神経学者D・A・シューモンShewmonが統計的な大規模調査を行ない、175例が脳死判定後一週間以上、心臓鼓動していたことを明らかにした。
脳死状態で1年以上心臓が動いていた例が3例ある。最長例では21年間心臓が動き続けた。これは4歳で脳死判定された男子であり、脳死状態で身長が伸び、論文発表後も成長し20歳を超えた。2004年に死亡(心停止)した後に解剖されたが脳は死滅しており、人間の統合性は脳がなくても維持されることが示唆されている。日本でも小児脳死の大規模調査が行なわれており、長期脳死の例が確認された。海外の専門家のあいだでは脳死概念を疑う声も徐々に出てきている。
ラザロ徴候(Lazarus sign)
1984年に米国の脳神経学者A・H・ロッパーによって5例が報告された。脳死患者が医師の目の前で、突如両手を持ち上げ、胸の前に合わせて祈るような動作をする。動作後は自分で手を元の位置に戻す。同様の現象はその後各国で多数確認され、日本でも医学誌に症例報告がある。動作のビデオも収録されている。ロッパーは「脊髄自動反射」と理解するが、疑問視する声もある。脳死患者を家族に見せないようにすべきとロッパーは書いている。
臓器移植
免疫抑制薬の発達により、疾患の治療法として臓器の移植が選択肢に加わるようになってきた。しかし多くの臓器は死んでから移植したのでは機能が保てない(死体移植で実用的なものは腎臓、角膜など限られている)。脳死の患者は死亡したものと解釈すれば生命の維持に必須の臓器を生体移植に準じた条件で摘出することが可能となる。当然のことながら臓器を摘出した患者は個体死に至る。
尊厳死
脳機能の廃絶した状態では呼吸管理と経管栄養(または静脈栄養など)に完全に依存してしか生存できず、かつ循環機能の停止も時間の問題であると考えられる。この、無意味に延命させられている状態で最期を迎えることについて人間としての尊厳を奪うものと考える向きもある。この場合、脳死が人の死と認められなければ人工呼吸器をはずすなどの措置を正当なものと 解釈することが困難となる。

関連項目

遷延性意識障害(いわゆる「植物状態」「植物人間」)
心臓死
尊厳死
脳神経外科学
神経学
臓器移植
意識障害
小松美彦
森岡正博
立岩真也

外部リンク

臓器移植法改正を考える- 大阪府立大学教授・森岡正博によるサイト。臓器移植法の改正に関連して、脳死について考える様々な情報が紹介されている。
立岩真也

ウィキペディア−脳死〜2009年7月8日版

ウィキペディア「脳死」2009年7月8日版

脳死

脳死(のうし、英:brain death)とは、ヒトの脳幹を含めた脳すべての機能が不可逆的に(回復不可能な段階まで)廃絶したと判定された状態のことである。日本では、脳死を「個体死」とする旨を法律に明記していない。

目次 [非表示]
1 脳死の定義
1.1 各国の脳死の定義
1.2 日本での脳死の定義
2 概要
2.1 三徴候死から脳死へ
2.2 脳死移植と脳死判定
2.3 脳死の原因
2.4 脳死患者の状態
3 脳死判定
4 脳死判定基準
4.1 脳死判定の前提条件
4.2 除外条件
4.3 判定基準
5 論点
6 脳死と判定された患者の意識回復例
7 脚注
8 関連項目
9 参考文献
10 外部リンク

脳死の定義

脳死の定義については、医学者により差異がある。各国とも政府の承認の脳死判定基準の前提としての「脳死の定義」が定められている。


各国の脳死の定義
国によって定義は多少異なり、大半の国々は前述のような「全脳死」を脳死としている。

イギリスでは、大脳の活動は脳幹網様体に依存しているという定説に基づき、深昏睡患者の脳幹のみの機能停止を条件とする「脳幹死」を採用している。平坦脳波は必要条件とされず、脳波検査は必須とされない。

ロシアでは「脳全体の機能の喪失を伴う全脳全体の器質の死滅」を脳死として脳血流の途絶を必要条件とする。ドイツ・スウェーデンでも、原則として脳血流の途絶により、脳死判定される。

日本での脳死の定義
「脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止するに至ったと判定された状態」

臓器の移植に関する法律第六条2項

前項に規定する「脳死した者の身体」とは、その身体から移植術に使用されるための臓器が摘出されることとなる者であって脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止するに至ったと判定されたものの身体をいう。

概要

三徴候死から脳死へ
古来、人間の死とは何かは自明のことであったため、医学的に厳密に定義することはさほど重要ではなかった。一般に、脳、心臓、肺すべての機能が停止した場合(三兆候説)と考えられており、医師が死亡確認の際に呼吸、脈拍、対光反射の消失を確認することはこれに由来している。順序としては一般に

肺機能の停止
心臓機能の停止
脳機能の停止
という過程を辿ることになる。

しかし医療技術の発達により、脳の機能が完全に廃絶していても(そのため自発呼吸も消失していても)、人工呼吸器により呼吸と循環が保たれた状態が出現することとなった。すなわち、

脳幹機能の停止
本来ならば心臓機能が停止する筈だが、人工呼吸器により呼吸が継続される
心臓機能も維持される
という過程の結果生ずる状態が脳死である。

脳死という状態は、人工呼吸器が開発・実用化された1950年代頃に現れるようになった。当時は「超昏睡」や「不可逆昏睡」などと呼ばれ、あくまで生きている状態とされていた。

脳死移植と脳死判定
1967年12月3日、南アフリカのケープタウンで、脳死と判定された患者からの心臓摘出および心臓疾患の患者に対しての心臓移植が、クリスチャン・バーナード医師らによって行われたのが、世界最初の脳死移植である。脳死移植は、世界で行われるようになり始める。1968年8月、アメリカのハーバード大学で、不可逆性昏睡を判定する基準すなわち脳死判定基準として「ハーバード基準」が作成されるが、これが世界最初の脳死判定基準となる。

1968年8月6日、札幌医科大学において日本最初の脳死移植が行われるが、後に殺人罪などで告発され検察当局による任意捜査が行われ嫌疑不十分[2]の不起訴処分となる。その後しばらく、日本では脳死移植は行われなくなる。1974年に、日本で脳波学会基準の脳死判定基準が作成される。1976年に、アメリカ脳神経外科学会基準ができ、イギリスの脳幹死説による脳死判定基準も作成される。1984年に筑波大学医学部付属病院で、脳死と判定された患者からの臓器摘出が行われたが、後に、東京大学の本多勝紀医師や阿部知子医師が殺人罪で告発され、嫌疑不十分の不起訴処分となることになる。1985年に、日本で厚生省の「脳死に関する研究班」が厚生省基準を作成する。1997年7月16日に、日本の国会で「臓器の移植に関する法律」が成立する。1998年2月28日に、高知赤十字病院で、日本初の「臓器移植に関する法律」に基づいた脳死判定および臓器摘出手術が行われる。

脳死の原因
脳死は、心肺機能に致命的な損傷はないが、頭部外傷や脳出血くも膜下出血等の脳の病気が原因で発生することが多い。厚生省の調査で、報告のあった1695人の脳死患者のうち、頭部外傷が502人で約30%、くも膜下出血が503人で約30%、脳出血が346人で約20%で、その他の脳血管障害が139人で約8%、その他の一次性脳病変が26人、蘇生後が105人、その他の二次性脳疾患が43人となっている。

脳死患者の状態
本来、脳死に陥った患者は随意運動ができず、何も感じず、近いうちに(あるいは人工呼吸器を外せば)確実に心停止するとされる状態のはずであるが、それを否定するような現象の報告例も多い。また、心臓は動いており、身体も温かい。麻酔なしでメスを入れれば血圧が上がり頻脈になることもよくある。脳死者の多くは、身体を動かし、ラザロ徴候のような複雑な動きを見せることがある。脊髄反射によるものと説明されるが、一部の医学者から疑問視されている。

脳死と判定された後しばらくすると、多くの場合、死滅した脳細胞が融解され液体のたん白質と化するが、脳血流がある場合は長い間脳細胞が融解されず残って外見上脳全体の死滅が確認されないこともある。脳血流の途絶を脳死の必要条件とすべきとする根強い意見もある。

脳死と判定された患者で、ごくたまに、自発呼吸再開など脳死判定をいったん覆すが意識回復を果たさないまま死亡する事例も、報告されている。日本ではまだないが、アメリカ合衆国では、意識回復例が2007年にあった。

脳死判定

診察・検査結果などから、明らかに脳死であろうと判断された状態を臨床的脳死と呼ぶ。

しかし、臓器移植などの目的で脳死を法的に示す必要のある場合は手順に則った脳死判定が行われる。このような目的がないときに脳死判定をすることはできない。なぜなら、判定基準は呼吸器を外して自発呼吸を確認するなど患者を死亡させかねない項目を含んでいるからである。

脳すべての機能のうち、比較的容易に検査できる項目、意識レベル・脳波・瞳孔散大・脳幹反射・自発呼吸の有無を、脳死判定基準に基づいて必要条件として検査して、脳死を判定する。日本においては、脳死判定にあたっては、聴性脳幹反応を調べるのが普通である。脳波は、頭皮上脳波を検査し、深部脳波は検査しないのが普通であるが、船橋市立医療センターでは、平坦脳波でも深部脳波がある患者については、脳死と判定しない。視覚誘発反応や体性感覚誘発電位や視床下部のホルモン分泌の有無は、日本においての脳死判定の際は検査しないのが普通である。

なお、日本国における法的な脳死の定義については「臓器の移植に関する法律」第6条の規定による。同法による臓器移植による脳死判断の初適応は1999年2月28日である。

日本における脳死判定基準は、1986年に発表された厚生省脳死判定基準に基づく。臓器の移植に関する法律施行規則(平成九年十月八日厚生省令第七十八号)により、再確認されている。実際に脳死判定を行う上で不明確な点があるとの指摘に応え、1999年10月11日に、厚生省厚生科学研究費用特別研究事業「脳死判定手順に関する研究班」より、法的脳死判定マニュアルが発表されている。法的脳死判定マニュアルには、脳波検査方法などが細かく書かれている。


脳死判定基準

以下は、厚生省脳死判定基準の原型となった日本脳神経外科学会による脳死判定基準である。

脳死判定の前提条件
深昏睡である。(意識障害参照)
原疾患が確実に診断されており、回復の見込みがない。

除外条件
6歳未満の小児(ただし、法的な意思確認の関係上、15歳未満が事実上の除外条件となっている)
急性薬物中毒
低体温
代謝・内分泌障害
妊産婦
完全両側顔面神経麻痺のある時。
自発運動、除脳硬直、除皮質硬直、痙攣が認められる時。

判定基準
脳死判定は移植に関係のない、脳死判定の経験のある2名以上の医師で行い、6時間後にも同所見であることが必要である。なお、脳死判定に先立って臨床的脳死判定する場合は1〜4を確認する。

深昏睡(JCS300またはGCS3)である。
瞳孔固定 両側4mm以上。
脳幹反射(対光反射、角膜反射、毛様体脊髄反射、眼球頭反射、前庭反射、咽頭反射、咳嗽反射)の消失。→よって失明、鼓膜損傷などでこれらが施行できない場合は脳死判定はできない。眼球が損傷していると対光反射、鼓膜が損傷していると前庭反射(カロリック試験)の有無が判断できないためである。
平坦脳波。(刺激を加えても最低4導出で30分以上平坦)
自発呼吸の消失。(100%酸素で飽和したのち呼吸器を外し、動脈血中二酸化炭素分圧が60mmHg以上に上昇することを確認。脳に影響を与えるため、必ず最後に実施する。)
2回目の判定が終了した時刻を死亡時刻とする。

論点

長期脳死(chronic brain death)
従来、脳死になったら数日から一週間で心臓も止まると言われてきたが、1998年に米国の脳神経学者D・A・シューモンShewmonが統計的な大規模調査を行ない、175例が脳死判定後一週間以上、心臓鼓動していたことを明らかにした。
脳死状態で1年以上心臓が動いていた例が3例ある。最長例では21年間心臓が動き続けた。これは4歳で脳死判定された男子であり、脳死状態で身長が伸び、論文発表後も成長し20歳を超えた。2004年に死亡(心停止)した後に解剖されたが脳は死滅しており、人間の統合性は脳がなくても維持されることが示唆されている。日本でも小児脳死の大規模調査が行なわれており、長期脳死の例が確認された。海外の専門家のあいだでは脳死概念を疑う声も徐々に出てきている。

ラザロ徴候(Lazarus sign)
1984年に米国の脳神経学者A・H・ロッパーによって5例が報告された。脳死患者が医師の目の前で、突如両手を持ち上げ、胸の前に合わせて祈るような動作をする。動作後は自分で手を元の位置に戻す。同様の現象はその後各国で多数確認され、日本でも医学誌に症例報告がある。動作のビデオも収録されている。ロッパーは「脊髄自動反射」と理解するが、疑問視する声もある。脳死患者を家族に見せないようにすべきとロッパーは書いている。

臓器移植
免疫抑制薬の発達により、疾患の治療法として臓器の移植が選択肢に加わるようになってきた。しかし多くの臓器は死んでから移植したのでは機能が保てない(死体移植で実用的なものは腎臓、角膜など限られている)。脳死の患者は死亡したものと解釈すれば生命の維持に必須の臓器を生体移植に準じた条件で摘出することが可能となる。当然のことながら臓器を摘出した患者は個体死に至る。
アメリカでは、臓器摘出の際は、モルヒネや麻酔が患者に使われる。
日本の脳死移植における臓器摘出に際しては、最初の高知赤十字病院での事例は、120だった血圧が150に上がったため患者に麻酔が処方された。80件以上の日本での脳死移植において、筋弛緩剤を投与しても麻酔が処方されない場合が多い。

尊厳死
脳機能の廃絶した状態では呼吸管理と経管栄養(または静脈栄養など)に完全に依存してしか生存できず、かつ循環機能の停止も時間の問題であると考えられる。この、無意味に延命させられている状態で最期を迎えることについて人間としての尊厳を奪うものと考える向きもある。この場合、脳死が人の死と認められなければ人工呼吸器をはずすなどの措置を正当なものと 解釈することが困難となる。

視床下部の生き残り現象
人には、快適や不快や不安や怒りなどの、情動があるが、それに関連して、視床下部からホルモンが分泌される。また、食欲、生殖本能、目覚め、には、視床下部の機能と密接に関係するものとされる。脳死と判定された患者において、視床下部からホルモンが分泌されたという報告例が、広島大学の魚住徹教授らから寄せられている。
新潟大学の生田房弘教授から、脳死判定後4日で剖検例約4割の患者の視床下部の細胞が生き残っていた報告がある。
「脳死はヒトの脳幹を含めた脳すべての機能が不可逆的に廃絶した状態」という説明との矛盾が、浮かび上がる。

脳死と判定された患者の意識回復例

脳死と判定された患者の意識回復は絶対ありえないと思われていたが、これを覆す事例が2007年のアメリカ合衆国であった。

アメリカ合衆国オクラホマ州フレデリック在住の当時21歳のザック・ダンラップ青年は、2007年11月17日午後7時30分頃に四輪バイクを運転していた際、交通事故に遭い、90キロメートル離れたテキサス州の町ウィチタフォールにあるユナイテッドリージョナル病院に搬送された。頭蓋骨複雑骨折で意識不明の重体となり、11月19日午前11時10分にレオ・マーサー医師が、脳血流検査と脳死判定基準により、ザック青年が脳死であると判定した。臓器提供の意思表示が示された運転免許証を患者が所持していたということで、臓器摘出医療チームが病院に到着して手術に向けて準備が進められる。いとこの看護師が、バイタルサインが回復のほうに向かいつつあることに気がつき、ポケットナイフでかかとからザック青年の足先までに引っ掻いたとき足が上に動き、手の爪の下に痛み刺激を与えると手を強く動かした。マーサー医師が来て手を自発的に動かすことを確認し、脳死判定から4時間ぐらいたったころに脳死判定が取り消され、摘出手術の準備が中止された。救命処置の結果、11月24日に目を開き、11月26日自発呼吸の回復が確認され人工呼吸器のチューブがはずされ。その後12月2日に言葉を話すまでに回復して、翌年2008年1月6日に退院した。

なお、ザック青年は、脳死と判断したときの医師の言葉を聞いて記憶していた。アメリカの放送局のNBCの取材に対して、マーサー医師は、判定自体に誤りのないことを強調している。

脚注(略)


関連項目

遷延性意識障害(いわゆる「植物状態」「植物人間」)
心臓死
尊厳死
脳神経外科学
神経学
臓器移植
意識障害
小松美彦
森岡正博
立岩真也

参考文献

竹内一夫 脳死とは何か(講談社) ISBN 978-4062574631
立花隆 脳死(中央公論新社) ISBN 978-4122015616
立花隆 脳死再論(中央公論新社) ISBN 978-4122018112
立花隆 脳死臨調批判(中央公論新社) ISBN 978-4122021082
小松美彦 脳死・臓器移植の本当の話(PHP研究所) ISBN 978-4569626154

外部リンク

法的脳死判定マニュアル−日本臓器移植ネットワークのサイトから
臓器脳死提供Q&A−日本移植学会広報委員会編
脳死判定された患者の意識回復例(英語)−アメリカの放送局NBCのサイトから
[脳死判定・最新の研究から−船橋市立医療センター脳神経外科−唐澤秀治
救急医学からみた脳死
臓器移植法改正を考える - 大阪府立大学教授・森岡正博によるサイト。臓器移植法の改正に関連して、脳死について考える様々な情報が紹介されている。
立岩真也

この項目「脳死」は、医学に関連した書きかけの項目です。加筆・訂正などをして下さる協力者を求めています(ポータル 医学と医療/ウィキプロジェクト 医学)。

ウィキペディア−脳死〜2009年7月12日編集保護版

ウィキペディア「脳死」2009年7月12日版

脳死

脳死(のうし、英:brain death)とは、ヒトの脳幹を含めた脳すべての機能が不可逆的に(回復不可能な段階まで)廃絶した状態のことである。ただし国によって定義は多少異なり、大半の国々は前述のような「全脳死」を脳死としているが、イギリスでは脳幹のみの機能停止を条件とする「脳幹死」を採用している。日本では、脳死を「個体死」とする旨を法律に明記していない。

目次 [非表示]
1 概要
2 脳死判定
3 脳死判定基準
3.1 脳死判定の前提条件
3.2 除外条件
3.3 判定基準
4 論点
5 関連項目
6 外部リンク

概要

古来、人間の死とは心停止であることが自明のことであったため、医学的に厳密に定義することはさほど重要ではなかった。一般に、脳、心臓、肺すべての機能が停止した場合(三兆候説)と考えられており、医師が死亡確認の際に呼吸、脈拍、対光反射の消失を確認することはこれに由来している。順序としては一般に

肺機能の停止
心臓機能の停止
脳機能の停止
という過程を辿ることになる。

しかし医療技術の発達により、脳の機能が完全に廃絶していても(そのため自発呼吸も消失していても)、人工呼吸器により呼吸と循環が保たれた状態が出現することとなった。すなわち、

脳幹機能の停止
本来ならば心臓機能が停止する筈だが、人工呼吸器により呼吸が継続される
心臓機能も維持される
という過程の結果生ずる状態が脳死である。脳死は、心肺機能に致命的な損傷はないが、頭部にのみ(例えば何らかの事故を原因として)強い衝撃を受けた場合やくも膜下出血等の脳の病気が原因で発生することが多い。

本来、脳死に陥った患者は随意運動ができず、何も感じず、近いうちに(あるいは人工呼吸器を外せば)確実に心停止するとされる状態の筈であるが、それを否定するような現象の報告例も見られる。また、心臓は動いており、身体も温かい。脳死者の多くは、脊髄反射によって身体を動かすことがある。

脳死という状態は、人工呼吸器が開発・実用化された1950年代頃に現れるようになった。当時は「超昏睡」や「不可逆昏睡」などと呼ばれ、あくまで生きている状態とされていた。

脳死判定

診察・検査結果などから、明らかに脳死であろうと判断された状態を臨床的脳死と呼ぶ。

しかし、臓器移植などの目的で脳死を法的に示す必要のある場合は手順に則った脳死判定が行われる。このような目的がないときに脳死判定をすることはできない。なぜなら、判定基準は呼吸器を外して自発呼吸を確認するなど患者を死亡させかねない項目を含んでいるからである。

なお、日本国における法的な脳死の定義については「臓器の移植に関する法律」第6条の規定による。同法による臓器移植による脳死判断の初適応は1999年2月28日である。


脳死判定基準

以下は日本脳神経外科学会による脳死判定基準である。

脳死判定の前提条件
深昏睡である。(意識障害参照)
原疾患が確実に診断されており、回復の見込みがない。

除外条件
6歳未満の小児(ただし、法的な意思確認の関係上、15歳未満が事実上の除外条件となっている)
急性薬物中毒
低体温
代謝・内分泌障害
妊産婦
完全両側顔面神経麻痺のある時。
自発運動、除脳硬直、除皮質硬直、痙攣が認められる時。

判定基準
脳死判定は移植に関係のない、脳死判定の経験のある2名以上の医師で行い、6時間後にも同所見であることが必要である。なお、脳死判定に先立って臨床的脳死判定する場合は1〜4を確認する。

深昏睡(JCS300またはGCS3)である。
瞳孔固定 両側4mm以上。
脳幹反射(対光反射、角膜反射、網様体脊髄反射、眼球頭反射、前庭反射、咽頭反射、咳嗽反射)の消失。→よって失明、鼓膜損傷などでこれらが施行できない場合は脳死判定はできない。眼球が損傷していると対光反射、鼓膜が損傷していると前庭反射(カロリック試験)の有無が判断できないためである。
平坦脳波。(刺激を加えても最低4導出で30分以上平坦)
自発呼吸の消失。(100%酸素で飽和したのち呼吸器を外し、動脈血中二酸化炭素分圧が60mmHg以上に上昇することを確認。脳に影響を与えるため、必ず最後に実施する。)
2回目の判定が終了した時刻を死亡時刻とする。


論点

長期脳死(chronic brain death)
従来、脳死になったら数日から一週間で心臓も止まると言われてきたが、1998年に米国の脳神経学者D・A・シューモンShewmonが統計的な大規模調査を行ない、175例が脳死判定後一週間以上、心臓鼓動していたことを明らかにした。
脳死状態で1年以上心臓が動いていた例が3例ある。最長例では21年間心臓が動き続けた。これは4歳で脳死判定された男子であり、脳死状態で身長が伸び、論文発表後も成長し20歳を超えた。2004年に死亡(心停止)した後に解剖されたが脳は死滅しており、人間の統合性は脳がなくても維持されることが示唆されている。日本でも小児脳死の大規模調査が行なわれており、長期脳死の例が確認された。海外の専門家のあいだでは脳死概念を疑う声も徐々に出てきている。

ラザロ徴候(Lazarus sign)
1984年に米国の脳神経学者A・H・ロッパーによって5例が報告された。脳死患者が医師の目の前で、突如両手を持ち上げ、胸の前に合わせて祈るような動作をする。動作後は自分で手を元の位置に戻す。同様の現象はその後各国で多数確認され、日本でも医学誌に症例報告がある。動作のビデオも収録されている。ロッパーは「脊髄自動反射」と理解するが、疑問視する声もある。脳死患者を家族に見せないようにすべきとロッパーは書いている。

臓器移植
免疫抑制薬の発達により、疾患の治療法として臓器の移植が選択肢に加わるようになってきた。しかし多くの臓器は心停止してから移植したのでは機能が保てない(死体移植で実用的なものは腎臓、角膜など限られている)。脳死の患者は個体死したものと解釈すれば生命の維持に必須の臓器を生体移植に準じた条件で摘出することが可能となる。当然のことながら臓器を摘出した患者は心停止に至る。

尊厳死
脳機能の廃絶した状態では呼吸管理と経管栄養(または静脈栄養など)に完全に依存してしか生存できず、かつ循環機能の停止も時間の問題であると考えられる。この、無意味に延命させられている状態で最期を迎えることについて人間としての尊厳を奪うものと考える向きもある。この場合、脳死が人の死と認められなければ人工呼吸器をはずすなどの措置を正当なものと 解釈することが困難となる。

関連項目

遷延性意識障害(いわゆる「植物状態」「植物人間」)
心臓死
尊厳死
脳神経外科学
神経学
臓器移植
意識障害
小松美彦
森岡正博
立岩真也

外部リンク

臓器移植法改正を考える- 大阪府立大学教授・森岡正博によるサイト。臓器移植法の改正に関連して、脳死について考える様々な情報が紹介されている。
立岩真也

本来必要な内容

ウィキペおたく百科事典「脳死」と内容が同じという理由で、どとうとしやの長期荒らしに対処するとの口実で、貴重な情報が、ウィキペディアの管理者より、削除された状態で編集保護されている。このことは、ウィキペディアの中立性の追求と相容れないと思われる。

脳死と判定された患者の意識回復例

以下、ウィキペディア「脳死」2009年7月8日版より転載

脳死と判定された患者の意識回復は絶対ありえないと思われていたが、これを覆す事例が2007年のアメリカ合衆国であった。

アメリカ合衆国オクラホマ州フレデリック在住の当時21歳のザック・ダンラップ青年は、2007年11月17日午後7時30分頃に四輪バイクを運転していた際、交通事故に遭い、90キロメートル離れたテキサス州の町ウィチタフォールにあるユナイテッドリージョナル病院に搬送された。頭蓋骨複雑骨折で意識不明の重体となり、11月19日午前11時10分にレオ・マーサー医師が、脳血流検査と脳死判定基準により、ザック青年が脳死であると判定した。臓器提供の意思表示が示された運転免許証を患者が所持していたということで、臓器摘出医療チームが病院に到着して手術に向けて準備が進められる。いとこの看護師が、バイタルサインが回復のほうに向かいつつあることに気がつき、ポケットナイフでかかとからザック青年の足先までに引っ掻いたとき足が上に動き、手の爪の下に痛み刺激を与えると手を強く動かした。マーサー医師が来て手を自発的に動かすことを確認し、脳死判定から4時間ぐらいたったころに脳死判定が取り消され、摘出手術の準備が中止された。救命処置の結果、11月24日に目を開き、11月26日自発呼吸の回復が確認され人工呼吸器のチューブがはずされ。その後12月2日に言葉を話すまでに回復して、翌年2008年1月6日に退院した。

なお、ザック青年は、脳死と判断したときの医師の言葉を聞いて記憶していた。アメリカの放送局のNBCの取材に対して、マーサー医師は、判定自体に誤りのないことを強調している。

視床下部の生き残り現象

以下、ウィキペディア「脳死」2009年7月8日版より転載

視床下部の生き残り現象
人には、快適や不快や不安や怒りなどの、情動があるが、それに関連して、視床下部からホルモンが分泌される。また、食欲、生殖本能、目覚め、には、視床下部の機能と密接に関係するものとされる。脳死と判定された患者において、視床下部からホルモンが分泌されたという報告例が、広島大学の魚住徹教授らから寄せられている。
新潟大学の生田房弘教授から、脳死判定後4日で剖検例約4割の患者の視床下部の細胞が生き残っていた報告がある。
「脳死はヒトの脳幹を含めた脳すべての機能が不可逆的に廃絶した状態」という説明との矛盾が、浮かび上がる。

課題点

・脳死に詳しい大脳生理学などの専門分野の医学者の査読を得る必要がある
・脳死判定基準が、日本脳神経外科学会によるものとなっていて、今の厚生労働省基準とはなっていない
・「脳死と判定された患者の意識回復例」についての、厳格な検証の上での、復帰が求められる
・出典を明らかにすべきとの指摘に応える必要がある
・「聴性脳幹反応」「脳幹死」などのウィキペディアの脳死に関連した新項目の立項が求められる

編集執筆にかかわったウィキペディア利用者・管理者

・sampo 2003年11月19日立項
Koba-chan ・Ojigili ・Falcosapiens ・Suisui ・Naruto
・Suisuibot ・Gedz ・Qazzx ・Robbot ・Tantant ・Tanedesuka ・Authority 
・Nike ・Sjw ・Yurikbot 
・Italy 2005年12月31日、「長期脳死」、「ラザロ徴候」を、加筆 
・Chobot ・Johncapistano ・Cave cattum 
・Eskimbot ・Thijs!bot ・経済準学士 ・Fuji-77 ・Starbacks ・白糸
・Rikumio ・Number ・Botmultichill ・AlnoktaBot ・Siebot ・氷鷺
・Silvonenbot ・Volkovbot ・Eishou ・Point136 
どとうとしや 2008年11月13日ごろ、「脳死判定された患者の意識回復例」を加筆
・Ks aka 98 ・DumZibot ・SKYDIVER ・鬼が島 ・4行DA ・Wahcha ・まさふゆ 
・エスプリ ・Tail furry ・森の変人 ・呉智星 
海獺 2009年6月28日、編集半保護
・タスマニア好き ・Ukeke ・7G4E4571 ・アィデペキィペ 
Bellcricket 2009年7月12日に編集保護
・ R28Bot ・SieBot ・まきふゆ ・Fromm ・Londonbasi ・しまあじ
・まいすけ ・Nami-ja ・КОЛЯ ・しょぉ

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