神戸・子どもの人権と健康を考える会
読売新聞1995年8月27日朝刊「戦後教育は変わるのか」日教組の路線転換より一部抜粋
兵庫県教組神戸支部による教育研究集会で母親たちが、「生徒に丸刈りを強制する理由は何ですか。髪形は親と子どもで決めることではないですか」と教師を追及したことがある。教師たちの反応は、「一生懸命にやっている我々教師を信用して欲しい」と煮え切らないものだった。
神戸では最近まで、すべての公立中学で男子生徒は丸刈りが義務付けられていた。それに疑問を持った母親らが「神戸・子どもの人権と健康を考える会」を結成、髪形の自由化を求める運動を起こした。
各校にアンケートを実施しても回答はなかった。教組の集会に参加しても、はかばかしい反応はなかった。だが、地元紙への意見広告などで運動は徐々に浸透、五年ほど前から各中学は「時代の流れ」などを理由に、次々に自由化に踏み切り、最後に残った一校もこの二学期から校則を改める。
運動のリーダー、中島絢子さんは、「『丸刈りは文部省が強制しているものではない。教師が決めている。それなのに、なぜ反対するのか』と、組合の先生に詰問されたことがある。日の丸、君が代の問題に限らず、私たちにとって、強制はだれがしても同じなんです」と、教師の意識のおかしさを指摘する。