639 名前:はるまで、くるる ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2012/06/13(水) 23:12:43.67 ID:uhi2A2Y/O
>>465
実は主人公たちがいたのは、地下深くの巨大シェルター。
そこは特殊技術で、有機無機全てが半年に1セットで老化と幼化(記憶もリセット)を繰り返し、内部環境も毎回春になる「春までクルル(ループ)」

640 名前:はるまで、くるる ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2012/06/13(水) 23:18:34.40 ID:uhi2A2Y/O
何故、彼らが地下にいるかというと、2000年代後半から氷河期に突入し、人類たちが滅びたくなかったから、そのためのノアの箱舟。あと、男子は主人公しかいない。
でもって当時の人類が地球そのものをロケットに改造して太陽系を脱出さして、他の銀河の第二の太陽に接近して氷河期を終わらせようとしていた。

641 名前:はるまで、くるる ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2012/06/13(水) 23:22:53.47 ID:uhi2A2Y/O
最後は、意を決したみんなで地上に出る。
彼らが地下で過ごした時間は優に70世紀、西暦10000年代の地球は既に氷河期も終わっていて満開の桜が咲いてた。
だから「(地球の)春まで来るる」。以上。

642 名前:はるまで、くるる ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2012/06/13(水) 23:32:43.82 ID:uhi2A2Y/O
ちなみに老化(通常時間)と幼化(リセット)は各々3ヶ月ごとに行われて、単位は「カーネーション」。
毎回カーネーションごとに全員が記憶喪失で目覚める→合流→自然の環境からきっと春休みだ→略→みんなでいちゃいちゃを繰り返してた。
あと、あるヒロインだけが幼化の影響を受けない外部装置を使って、リセットされずに70世紀分の記憶を保持していた。

647 名前:はるまで、くるる ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2012/06/15(金) 10:34:58.70 ID:VMmOan8lO
補足説明。
正確には地下施設が完成したのが2715年、主人公が真実を覚えてたヒロインに事実を聞かされたのが10012年…
以上、説明終わり。



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563 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 19:58:35.72 ID:xud/qPug0 [1/26]
発売日:2012年4月27日
制作:すみっこソフト

予告通り、既にアップされた作品のシナリオを詳細に書こうと思います。

大まかな流れは、まず序盤に伏線を置いた「キャッキャうふふワールド」、その次に本編「煙突を初めて見た日」が出現します。
(プレイ上では「うふふ」から続けて「煙突」に入りますが、それ以降は「はじめから」で後者を任意に選べます)
「煙突を初めて」では、さらに選択肢で春海、秋桜へと分岐。
春海はBADENDかHAPPYEND、秋桜はルートなしの通常ENDかシナリオの続行となります。
つまりゲームは春海だけ別物で、それ以外は秋桜から冬音→静夏→結末への一本道です(秋桜ルートに入れば以降の選択肢もなくなります)。

<序章:キャッキャうふふワールド>
※このルートでは伏線は勿論。ある程度「ヒロインたちとの関係が深まった」状態を前提に話が進んでます。
※またHシーンが連続で対象ヒロインが入り乱れているので、この章だけカウントは省きます。

「心が壊れた」少年・一季は、4人の少女とともに、自然が豊かな寒村で春休みを過ごしていた。
山菜の知識が豊富で料理も上手い、温和なお母さん(巨乳)気質の仁燈春海(ヒロイン1)。
相棒のエドガー君(バール)を愛用し、破天荒で有言実行な行動力のある和葉静夏(ヒロイン2)。
釣りが得意なアウトドア派だが、頭も冴えるボクっ娘の未木秋桜(ヒロイン3)。
下ネタやブラックジョークを口にするムードメーカーで、皆に弄られる妹キャラの士蓮冬音(ヒロイン4)。
登校日に駄弁りながら通学路を歩いていた一季は、不意に静夏が遅れていることに気付く。
振り返ると彼女は空を、厳密には「煙突」を見上げていた。
ここ一帯の大自然とは不釣合いの一本の「煙突」。
その名も便宜上な名称で、端が見えないほど空へと延々と伸びている、何の意味があるのかさえ分からない不思議な物体。
今日のような青空でも、空を見上げて見えるのは先が霞んでいく煙突の先。

564 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 20:08:33.30 ID:xud/qPug0 [2/26]
一緒に「煙突」を見上げる一季だったが、2人きりになった静夏は唐突にとんでもない事を要求してきた。
学校に着いたら、皆の前で重大な「提案」をする。それに一季が賛同しなければ、冬音か誰かを殺す、と。
突然の脅迫を押し付けた静夏はそのまま皆の後を追う、一季は彼女の意図が把握できず……
学校で勉強。ここは教師不在で、皆は教育ソフトをインストールしたパソコンで自習をしていた。
すると、突然静夏が教卓の前に歩み寄り、電子ボード(用途は黒板と同じだが、チョークではなくタッチペンの要領で文字を書く)に大きく文字を書いた。

乱・交!!

静夏の「提案」とは、春休みを皆で淫乱に過ごそうということだった。
動機や真意と問われた彼女は、自分の不安を吐露した。
一季は既に皆と肉体関係を結んでいる。その件については、先日皆で話し合って一応解決したが、自身の蟠りは消えていない。
自分がいない間に、一季は他の娘とどんなことをしているのか?
屋根裏に潜んで各々のプレイを熟知するほど、彼女は嫉妬と不安に駆り立てられていた。
考えた末に彼女が出した結論は、互いの秘密を包み隠さず全員でキャッキャうふふになる「一季ハーレム」を結成することだった。
静夏の力説に春海は自分も同じ葛藤をしていたと同意し、冬音は面白そうだからと賛同する。秋桜は倫理に反すると言って赤面して逃亡してしまう。
秋桜は放置して一季を問い詰めるヒロインたち、彼も腹を括って……
(Hシーン4連発)
夕方の「寮」のリビング。この田舎では5時を過ぎれば、「春よ来い」の童謡が集落に響き渡る。
そこに、秋桜が帰ってきた。学校での卑猥なことはケロっと忘れ、釣りでゲットした大物を皆に自慢する。
でも、楽しんでいたところに冬音と春海がキスをしたことで再度唖然とし、一季を呼び出して昼の真相を尋ねてきた。
だが、「彼女は焦らして向こう側から求めるまで待っといた方がよい」と予め静夏から入れ知恵されていた一季は、曖昧に答えてはぐらかす。
夕食後も、ヒロイン3人がキスをし合うカオスな光景に秋桜は引いてしまう。
その後、「言い出した張本人でも内心ではまだ不安だろう」と察した春海に促されて、一季は静夏と寝るために彼女の部屋へ。
部屋を訪れてハーレムの経緯について尋ねて、彼女の苦悩を聞き入れて……
(Hシーン)

565 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 20:17:01.43 ID:xud/qPug0 [3/26]
一方秋桜は、冬音の部屋で推理小説の魅力について座談していた。
会話中に再び気になった秋桜は、今度は冬音に真相を聞いてみる。
冬音は自分に聞くのは野暮と適当にあしらうも、家族の定義や一季に対する感情など色々な思惑を語る。
いっそ、ここで2人でするかと冬音は秋桜を押し倒し、積極的な彼女を前に秋桜は心が揺らいでしまう。
興が反れた冬音は中断し、何も無かったかのように再び小説の話を……

(47日目)昼食後にお茶で一服。
またまた甘え合う女子たちに感化された秋桜は、遂に自分もハーレム入りを志願し……
(Hシーン)
記念に皆で混浴。今が夏なら海水浴にでも行きたいとか、全裸で他愛もない話をする。
そして、勃起した一季に気付いた少女たちは、彼を取り囲んで……
(Hシーン)
皆に散々弄られて憔悴しきった一季。夕食後、彼の部屋に「お詫びの生贄」を自称する春海が来て……
(Hシーン)

(54日目)ハーレム結成から1週間。春海は静夏と食用の野草採りをしていた。
不意に、春海は静夏から「気になる」ことを尋ねられて動揺する。
実は、彼女には一季にしか相談していない、人には言えない「秘密」があったのだ。
ところが、静夏は言葉責めでの春海の性癖を追及しただけだった。
落胆と安堵した春海は、「殺したくなるほど」の熱い気持ちで、静夏とキスをして……
一方、風呂掃除を終えた一季は、寮にいた冬音に遊び相手になって欲しいと誘われて部屋へ。
冬音は、今の自分と一季が理想的なカップリングから程遠いと不満を口にする。
2人で互いに適切な手順やシチュを模索して……
(Hシーン)
夜、今度は一季は静夏の部屋に招かれ、「春海を辱める言葉責め」の勉強会。
下らない特訓をした後部屋を出ると、廊下で秋桜と出くわして「春休み」についてお喋りする。
あと1ヶ月もある「春休み」、それを終えた後が想像できなくて不安な秋桜。
そんな彼女は、明日の釣りに一季を誘い……

566 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 20:24:45.01 ID:xud/qPug0 [4/26]
(55日目)昨日の予定通り、磯で秋桜の釣りをお手伝い。
静かにさざ波の波音が響く中、海を眺めて2人で考える。
「そもそも、ここはどこの海なんだろう?」
秋桜は、一季の不安そうな気持ちに気付いて慰めてあげると……
(Hシーン)

(61日目)今日も静夏と卑猥な「勉強会」。
数日間かけて漸く編み出した達成感に、2人は激しく歓喜する。
早速実践しようと、春海本人を呼び出して……
(Hシーン)
プレイを終えると、今度は春海と一季は「静夏の求めるプレイ」を訊いてみる。
曰く、「レイプをされてみたい」とのことだが……

(70日目)学校の「開かずの扉」を調べていた一季。やってきた冬音と話すも、やはり「扉」の謎が解けない。
勉強が終わった教室。静夏は「エッチなもので思い残した事はないか」と皆に尋ねる。
そこで冬音は「パイズリしたい」と要求するが、貧乳は無理と却下されて乱心。
仕方なく、皆は一季を放置して親友のために議論を開始。
苦節数時間、体勢とか動作とか色々話し合った末……
(Hシーン)

(74日目)夕食。
秋桜と冬音も気になって、静夏が求めるプレイを聞くと、やはり「レイプ」と答えられる。
驚愕はしたがより詳しく聞くと、「レイプされる程相手から強く求められたい」らしい。
「心が壊れている」一季は、自分の不甲斐なさに葛藤し……

(78日目)冬音は春海のもとへ。
挨拶代わりにキスをした後、冬音は時折もう1人の自分が心の中にいるような気がするという悩みを相談する。
笑顔の春海は、それは思春期特有だから気にするなと答える。
冬音はそんな「無駄」な質問も1つの一興と感じて……

568 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 20:35:33.89 ID:xud/qPug0 [5/26]
(81日目)今夜は、一季と秋桜の公開セックス記念にお茶会。
準備が済むと、2人を皆で囲んで観察し……
(Hシーン)

(85日目)秋桜と静夏は2人きりで入浴中。
秋桜は静夏に、どうして一季を独占せずにハーレムの道を選択したのかと尋ねる。
静夏は、選ぶ自分よりも選ばれる自分が良かったなどと色々な理由を述べるが、やはり一番の要因は一季の「壊れた心」だった。
いつか、彼の「心」が治ってくれる時が来たら、その時こそ他の娘から奪ってみせると宣言するが……

(87日目)本日は皆で輪になって、互いの秘所を手で刺激し合って相手を絶頂させるという意味不明なゲームを開催。
ライバル同士の激しい責め争いの中、罠にかかった一季と、反則した静夏の2人が敗者に認定される。
春海は2人に、罰ゲームとして明日居残りでの草むしりを命じ……

(88日目)ゲーム後の深夜、春海は一季の部屋を訪れ、折角2人きりになるのだから、静夏が望んでたように彼女に「レイプ」をしろとアドバイスする。
昼過ぎ、草むしりを終えてリビングで休憩していた一季たち。
静夏は、「春休み」が終える今頃に草むしりをさせた春海の真意を一季に問う。
彼女はもしかして「春休み」が終わらずにこのまま延期するケースを考えているのではないのか。
一季は、仮に「春休み」が終わらなかったら、自分が船を作るなり「煙突」を登るなりして対処してやると答えるが、静夏はそれを危惧する。
だが「心が壊れた」一季はその言葉に耳を傾けず、静夏は自分の身を大切にしない彼に腹を立てて異を唱える。
自分たちは一季を心配している、その優しさに気付いて欲しい。
その瞬間、一季はこの場で不適切と理解しながらも、彼女の望む「レイプ」を……
(Hシーン)
「レイプ」されたものの、静夏はそれで敢えて一季の心が自分の存在を求めてくれたことに満足。
そして、後で部屋に来るように約束して改めて……
(Hシーン)

569 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 20:41:32.22 ID:xud/qPug0 [6/26]
(89日目)「春休み」最終日。
団欒中に気になった秋桜が、最後になるからと「一季が望むプレイ」を聞いてきた。
皆の意識が集中する中、一季はエッチな要素を抜きにして、純粋に「皆と寝たい」とリクエストする。
布団を広げ、放射状に広がって寝るメンバーは明日の事を語り合う。
本当に明日で「春休み」が終わるのか?終えた先に何があるのか?
静夏は皆を包んでいた不安を拭い去るように、明日皆でピクニックにでも行こうと提案する。
希望が湧いた皆はキスを交わし、改めて就寝。
おやすみなさい……

<キャッキャうふふエピローグ>
今回の「カーネーション」はどうだった?
霊長類に「ボノボ」ってのがいるんだけど、あれって生命の危機を感じると性行為に走るんだって。
今回の行動もそれと全く同じだよね。
ああ、「これ」は「他の場所」でも試されたみたいだけど、失敗したみたい。
「少人数」じゃないと倫理的に上手くいかないのかな?

さあて、次はどんな「カーネーション」にしようかな?

<キャッキャうふふ完>

570 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 20:48:00.36 ID:xud/qPug0 [7/26]
<本編:煙突を初めて見た日>
(0日目)ある個室で「少年」は目覚めた。
何故かここが「自分の部屋」であると把握してるのに、この部屋がどこなのか、それ以前に自分が誰なのかすら分からない。
彼は記憶喪失になっていたのだ。
暫く得体の知れない自分の正体を探ることに戦慄を覚えていたが、机のメモから自分の名が「一季」だと知る。
考えた末に……
(選択)部屋を出るか、留まるか……(出会う順が異なるだけで部屋を出るのは必須)
「建物」のリビングに着く頃には、既に3人の少女と邂逅していた。
同じく記憶を失った彼女たちは、各個室のメモから「春海」、「秋桜」、「冬音」という名が与えられていた。
そしてリビングのテーブルにもメモを発見。
「3ヶ月後に助けに来るから、それまでここで生きてくれ。ライフラインの使用はどうぞご自由に」
つまり自分たちは、「助け」が来るまで自給自足での共同生活を強いられていた。
不安になる一季だが、何故か秋桜たちはそれ以上に恐怖して一季を拒絶する、「唯一の男児」という彼に向ける視線にしてはオーバーな程に。
すると突然、誰かが大声で騒ぐ声が聞こえてきた。
廊下に行くと、新たな少女「静夏」がバールを振り回して暴れているではないか。
乱暴な彼女を制止して事情を聞くと、理由は外にあると促されて皆で出ることに。
自分たちがいた「建物」の外観は、所謂旅館のような宿泊施設だった。
唯一「旅館」のイメージからかけ離れたパーツを除いては。
それは天への「柱」、施設の屋根から白い「煙突」が空の果てまで伸びていて……

571 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 20:53:37.97 ID:xud/qPug0 [8/26]
少し早い時間に覚醒していた静夏は、あの「煙突」へ繋がる通路を探していたらしいが、どこにも見当たらないというのだ(そのために壁を破壊していた)。
とりあえず、自分たちの状況を把握するために行動を起こさないといけない。
静夏は「建物」内部を、一季は外を探索することに。しかし、やはりどういうわけか少女たちは一季のことを生理的に畏怖してる。
その中で……
(選択)静夏以外の誰を同行させるか……(ただし、誰を選んでも結局行くのは春海になる)
外には田畑以外何もない、のどかなあぜ道が続いていた。
「建物」から離れても決して先が見えない「煙突」の正体を春海と推測しても、答えが見つからない。
道を進むと、もう1つの建造物「学校」を発見するが、そこも無人で静寂に包まれていた。
さらにその奥にある森に入る2人。そこで植物の知識に富んだ春海から、今の季節が冬だと断定される。
しかも、マイペースな彼女は記憶喪失という事態にも関わらず、周囲の山菜を集めて皆の夕食を考えていた。
一季も手伝おうとするが、咄嗟に春海が警告を発し……
(選択)無視して葉で手を切るか、手を引いて回避するか……(前者で「春海ルート」、後者で「秋桜ルート」へ)
夕方に帰宅し、探索と山菜採りで泥だらけの服を着替えた一季は、机のメモに名前以外の「自分の情報」が書かれていることに気付き、その内容が皆が自分を避ける原因だったと察する。
一刻も早く事実を伝えようとリビングに行くと、丁度夕食の支度をしていた春海から、風呂場でボイラーを調べてる秋桜と静夏を呼ぶように頼まれた。
風呂場に行って2人を呼ぶが、秋桜は一季に反発する。
ところが、彼を無視してボイラーを調べてたら、突然バルブが暴発した。
危機を察知した一季が咄嗟に秋桜を庇ったが、代わりに熱風で右腕に大火傷を負ってしまう。
心配して春海たちも風呂場に集まったところで、一季は自室にあったメモを見せる。
「あなたには表情がありません。そして心が壊れています」
皆が一季に怯えていた原因は彼が無表情だったから、本人は喜怒哀楽をはっきりと表現したつもりだったが、相手から見ればアンバランスのポーカーフェイスだったのだ。
でも、後半の「心が壊れた」という部分はまだ不鮮明。
一季本人も、自身に対する未知の恐怖を覚える。

573 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 21:05:06.23 ID:xud/qPug0 [9/26]
そこで春海は、暗い雰囲気を吹き飛ばすように、夕食を提案。
だが食事中に、皆は一季の「壊れた」部分を理解してしまう。
何と彼は、火傷を負った利き腕を使って食事していた。
実は彼は痛覚はあっても鈍感で、それへの抵抗や危機感がないのだ。気にすることなく、見るからに痛々しい腕で食事を続ける。
皆は制止すると、怪我させたことに負い目を感じた秋桜が一季に食べさせ、それを春海や冬音が冷やかす(静夏は旨い料理に夢中)。
食後に話し合って状況整理。
「3ヶ月」という曖昧な情報だけで、記憶喪失になった原因や、救助者が逃亡した理由を模索するが、やはり確信が得られない。
その中で最も気になるのが、あの「煙突」である。記憶がない自分たちでも、あれは「見たこと」がない。
ただ、静夏が記憶喪失という状況なのに皆が冷静でいられるという不可解な点に気付く。
袋小路に入った矢先、現在が冬と分析した春海は今を「春休み」と位置づけ、前向きに過ごそうと元気付ける。
一季もその提案に、「心からの」笑顔で答えて……

(1日目)翌朝目が覚めると、怪我を心配した秋桜がいた。
今日は海側の探索と釣りに向かうから、それに誘いにきたのだ。
しかし一季が布団から出ると、朝勃ちした股間に彼女は悲鳴を上げて逃走。
説得しようと勃起したまま廊下を飛び出した一季は、居合わせてバールを持つ静夏に戦いを挑まれる。
リビングで集合した皆に男子の生理現象と誤解を説明した一季は、約束通り秋桜と外出する。
2人で道を歩いていたら、秋桜は昨日の自分の態度を謝ってきた。
無表情な一季を高圧的に自分を罵倒したと誤解していたらしく、それに反発していたらしい。
でも打ち解けたら、今度は厳格な態度から一変して朝の下ネタ騒動を気さくに話したり、冗談を飛ばしてきた。
秋桜は、こんな冗談を言う自分でいいのかと一季に尋ね……
(選択(秋桜分岐の場合のみ))そういう秋桜もいい、自然がいい……(前者で「秋桜ルート」確定、後者だと「通常END」へ。また「春海ルート」に入ってると回答は後者になる)
磯に着くと、広大な狩場に目を輝かせる秋桜。彼女によれば、釣った魚の種類から現在地を特定できるらしい。
早速釣りを始めると、立派な大物をゲット。
その獲物は…………日本全国に生息するアイナメでした。

574 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 21:11:37.45 ID:xud/qPug0 [10/26]
※以降から春海ルートと秋桜ルートに分岐します。

<春海ルート(もしくは秋桜ルートで通常ENDを選んだ場合)>
(2日目)今日は冬音と学校探索。
ノートパソコンが大量に配置されている以外は、やはり詳しいことは分からなかった。

(3日目)今度は静夏と探索。今まで施設を探ってた彼女は、初の外出である。
昨日一昨日の秋桜と冬音に引き続き、静夏は一季を馴れ馴れしくからかう。
当初は感情の無い彼に嫌悪していた皆だが、その真相を知った今ではその本心を知りたくてしょうがないのだ。
そのまま森に入ると、急に静夏の足腰が遅くなった。
体調が悪いのかと心配する一季だが、彼女は尿意に襲われていただけだった。
さらに森の奥の、人の手がかかっていない山道を進む一季たち。
しかし夕方になる頃に森を抜けた先にあったのは、反対方向の海。真っ直ぐ彷徨っていたと思っていたら、ただ周辺を一周しただけだった。
これにより、「自分たちがどこから来たのか」という新たな疑惑も浮かぶ。
夜にリビングに集まると、一季は「煙突」を登ろうと宣言するが、危険だと冬音たちに却下されてしまう。
そこで春海は明日、森の最深部まで行って調査してみようと一季を誘い……

<(秋桜ルート側での)通常END>
(46日目)それから時は過ぎていき、一季は皆と家族同然の生活を送っていた。
それだけでなく、弱さを見せる相手を支えようとした結果、各々と肉体関係を作ってしまう。
学校の登校日。皆と会話しながら歩くと、静夏が立ち止まって「煙突」を見上げていた。
そして彼女は一季と2人だけになると、とんでもないことを言い出した。
これから学校で重大な「提案」をするからそれに賛同しろ。もしも逆らえば冬音辺りを殺す、と。
突拍子もないことを言い出す静夏に呆れる一季。
今後の厄介な騒動を懸念するが、何故かデジャブが走る。

アレ?コンナコト、前ニ無カッタケ?

<通常END完>

575 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 21:18:25.48 ID:xud/qPug0 [11/26]
<春海ルート(続き)>
(4日目)散策に向かった2人だが、夜になって目印の「煙突」も見失い、遭難してしまう。
そこでも「ここ」の正体を一緒に考えるが、春海は「ここ」が人工的な空間で、周囲が危険な地形で囲まれていたり、逆に豊富な山菜が自生しているのが意図的なものだと推理する。
話は変わって、一季は昼に見かけた鹿を狩ろうと提案するが、哺乳類を殺すことに春海は抵抗があると拒む。
夜も更けて野宿することになるが、一季は春海に献身的になって心配していた。
春海はそれが「心が壊れた」自分に恐怖する一季の不安の表れと看破する。
寒さを心配した一季は春海の後ろに密着し、抱いてあげる。
少しの羞恥心が芽生えるが、春海は抱かれると安心するものだと同意を求めて……
(選択)はい、いいえ……(選択に意味無し?)
肌が冷えてきたので服の中に手を入れて暖めて欲しいと春海が求めるが、無意識に次第に手つきが卑猥になっていく一季。
そんな彼に春海はいっそのこと自分の胸を揉むかと誘惑し、さらに戸惑いが生まれる。
ならばと彼女は「交換条件」を提示してきて……
(選択)承諾する、拒否する……(前者でルート続行へ、後者でBADEND)
(ちなみに「拒否」の選択の場合は念のために再度選択肢が出る)

<春海BADEND>
翌日、日が登って「煙突」を目視すると、昼頃に生還することができた。
その晩、寝ている一季の部屋に、春海が忍び込む。
夜這いと思っていた一季は、彼女に言われるまま目を瞑った。
しかし次の瞬間、彼女は寝ている一季の上に跨ったかと思うと、手で彼の口を押さえ、喉を切りつけた。
自分が何をされたのか、状況が理解できない一季。

彼が最期に見たものは、自分の喉から迸る「赤」だった……

<春海BAD完>

576 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 21:24:01.19 ID:xud/qPug0 [12/26]
<ルートに入った場合>
(Hシーン1)
そのまま性行為にまで及び、満足した2人。
しかし、言いだしっぺの春海は気分じゃないからと「交換条件」の件を保留にして……

(6日目)夕方には何とか生還して帰宅。
心配していた皆に詫びて夕食を食べた後、今回の遠征での報告をする。
再び話が進展しなくなったのを見兼ねた春海は、3日に一度「学校」に登校しようと提案し、続けて静夏もこの施設を「寮」と命名し……

(7日目)翌日から早速登校。
教室にはノートパソコンが大量に完備され、正面に巨大な白い板があった。
皆は黒板かと思っていたが、静夏はこれが電子ボードであると見抜いて操作する。
その後勉強会。
やがて共同生活を重ねてきた彼らには、各々の役割が生まれていた。
春海は山菜採りと料理、静夏は料理以外の家事、秋桜は魚の調達、冬音は他の手伝い、そして一季は風呂掃除や大抵の力仕事が与えられ…

(13日目)夜。冬音は秋桜を強引に風呂に誘い、残された3人が談話していると、春海は静夏にある質問をしてきた。
静夏は自分の料理を美味しく食べてくれるが、命を奪うことに抵抗は無いのか?
生命の尊さを天秤に掛けられて少しの間戸惑う静夏だが、命の重さと美味しさは無関係と答える。
すると今度は春海は、なら「美味しい人間」がいたら食すために殺せるのかと変な質問をするが、静夏は「人間」という時点でそれは不可能と答える。
変な質問に一季は疑問を抱くが……

578 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 21:34:13.34 ID:xud/qPug0 [13/26]
(14日目)何やら慌てた様子の冬音に叩き起こされた一季が寝ぼけて言う通りに従うと、ロープで首を締め上げられてしまう。
突然の幼女の殺意に一季が抵抗すると、冬音が憤慨しながら説明する。
なんと、彼女愛用のぬいぐるみが、少し目を離した隙に無残に引き裂かれていたというのだ。
こんなことをするのは男の一季しかいないという理不尽な免罪で死刑を迫る。
一季も朝勃ちを根拠に自分が寝ていたアリバイを主張するが、冬音の挑発で実物を見せようと起き上がり、彼女は怯えて逃げ出す。
そのままバランスを崩して宙に浮いた一季。
騒ぎで駆けつけた秋桜たちは、勃起したまま首を吊るカオスな光景に絶句して……
一季は無実ということで解放されるが、自分は勿論、冬音の自演というわけでも、他の3人がやったとも考えられない。
結局犯人は分からず、話が衝突した静夏と秋桜を、春海が制止しただけだった。
その晩、部屋に春海が訪れて夜の散歩に誘ってきた。
夜道を歩くと、春海は自分の推理を語る。
「ここ」の正体は宇宙コロニーで、あの「煙突」は空間を支えるための柱。
自分たちは記憶操作で本来の時代よりも前の世代の知識を与えられていると、皆との常識にずれがある静夏を例に説明する。
また、月が空にあっても潮の満ち引きがないことも、ここが人工的な空間であると裏付ける。
あまりにも意外性を持った結論に唖然とする一季。
しかし彼は彼女がそれ以外に何かを隠してるのに気付き、それが先日の「交換条件」と察して尋ねる。
その途端、彼女は冷えた目で呟いた。
「私ってね、人を殺してみたいんだ」
実は彼女は(以前の選択肢で)一季が手を切った瞬間から、密かに「殺人欲」が芽生えていた。
無論、冬音のぬいぐるみを切り裂いたのも彼女で、殺人欲求を満たすための凶行であった。
春海はさらに「宇宙コロニー説」は、具体的には殺人鬼の自分の行動を観察する「実験場」だと説明する。
一季は必死に説得するが、彼女はブーツのナイフを取り出し、温厚な人格でありながら殺害宣言を撤回する気はない。
一時説得を諦めた一季は彼女を夜の学校に誘う。

579 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 21:44:44.44 ID:xud/qPug0 [14/26]
教室に着いた一季は、改めて説得しつつ、春海に矛盾を指摘する。
殺したい相手ならば、どうして皆に美味しい料理を作るのか?
だが春海は、皆への愛情もあるが、それとは別に「殺したい」気持ちもあると答える。
そんな彼女に、一季は新たな説得を迫る。
皆殺しは止めろ。他の奴らには手を出さず、自分だけを「ゆっくり」と殺せ。
つまりは痛覚に鈍感な自分を傷つけさせ続けることで、彼女の欲求を解消しようというのだ。
春海は良心的に、残酷な自分を葬ればいいと反論するが、一季は春海も殺すつもりはないと拒否。
納得してくれた春海に、目立たない足裏を切り裂いてもらう。
まさに身を犠牲にして彼女を支える一季。
そんな彼の優しさに触れた春海は、惚れてしまったと告白する。
そして帰り道。返り血で染まった彼女の服を、どこかに埋葬して処分するが……

(33日目)それから暫く、一季は春海の欲が生まれる度に、内密に学校で彼女に切られる役を続けていた。
日に日に増えていく傷を温泉療養で治癒しようと思いついたが、こんな時に限って秋桜たちとのラッキースケベに遭遇してしまう。
「全裸で激怒した静夏がバールを片手に追いかける」という地獄絵図から逃げ続ける一季。
ところが壁に追い詰められたと思ったら、彼の怪我に気付いた静夏は顔色を変えて心配してきた。
駆けつけた秋桜にも説明を求められるが、一季は春海を守るために、元々あった生傷だと誤魔化す。
帰って来た春海に秋桜たちが一季の傷のことを話すと、彼女は動揺しながらも話を合わせて……
その夜も、学校で彼女にナイフで刺されるが、手元が狂ったのか肩に深く刺さってしまう。必死に踏ん張る春海に何とか抜いてもらう。
その場で一季は先日の春海への答えとして、自分からも好意を持っていると告白。
何故なら、自身も初めて目覚めたときに自分が犯罪者か何かではないのかという不安に駆られ、彼女の存在がそれの身代わりのように想えていたからだ。
(ちなみにHシーンはあるようですが、省略)

(45日目)登校日。学校へ向かう途中、秋桜は体調不調を訴えて寮に引き返す。
同じ物を食べているはずなのにと、秋桜の不調を疑問視する皆。
アレルギーとかの個人差だと適当に考えていたが……

580 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 21:55:05.13 ID:xud/qPug0 [15/26]
(50日目)今夜も春海に切られる日。
ところが突如秋桜が乱入して2人を制止し、さらに静夏たちも現れて遂に2人の秘密が皆に知られてしまう。
咄嗟に一季は、鈍感な自分のために春海に痛覚を与えてもらっていると誤魔化すが、秋桜はそれを即座に否定して自分の推理を返す。
冬音の事件の犯人も春海と見抜き、(どういうわけか埋葬したはずの)「血の制服」を海辺で発見したと言及する。
さらに先日の早退の時に皆の部屋を物色し、その制服の持ち主が春海であることを突き止めていた。
言い逃れができなくなった春海は、秋桜たちにも自分の中にある「殺人欲」を説明する。
望んでいなかった現状に、一季は探偵気取りで友情を傷つけたと秋桜を責める。
春海の本性を危惧した皆は彼女を学校に別居させるという結論に至り、自害を防ぐために静夏が春海をロッカーに閉じ込めて一時退散。
帰り道、秋桜は皆に泣きながら懺悔した。
自分の勝手な正義感で春海の秘密を曝した後悔は勿論、先刻の春海を皆で囲んだ時、自分は残酷に春海の自殺を望んでいた。
だが、冬音や一季は心に思っても口に出さないのなら、春海を想ってくれている証拠だとフォローする。

(51日目)日付も変わり、春海用の荷物を纏めると一季は学校に戻る。
今は以前と同様に「切られ役」を用意することでしか対処できないが、静夏たちも別路線で春海の殺人衝動を消す方法を模索することに。
学校に戻り、閉じ込められていた春海を救出。
実は彼女は閉所恐怖症だったようで、密閉空間で幻覚に襲われていたらしい。
春海は、そんな状況でも思考を巡らせていたという推理の続きを話す。
やはり「ここ」は殺人鬼の自分を観察する実験施設だ。
一緒にいて心を支える男子(一季)、理解者(静夏)、逆に天敵となる探偵(秋桜)、自分の周囲にはあまりにも都合よく「役者」が揃い過ぎている。
一季は余った冬音の役目を聞いてみるが、彼女はボケ担当と見せかけて、実は彼女こそが監視役ではないかと冗談を言う春海。
そして寝る時間になり、寝袋を共有して密着する2人。
発情してきた一季だが、今はする気がないのでHは明日にお預けと約束して……

581 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 22:01:24.24 ID:xud/qPug0 [16/26]
明け方。春海よりも早く起きて屋上に佇んでいた一季の前に、冬音が現れた。
いつもと何か「感じ」が違う彼女は、この件を3ヶ月後にどうするのか、もしも現在の状況で一季が死んだらどうするつもりなのかと問い質す。
そんな悪い結果は今は考えていないという一季に、冬音は「一季は自分への死も楽しんでいる。身の周りに死に直結しないものはない」と意味深なことを語り、
今のシリアスモードの自分が来たことは内緒にしてくれと言って屋上を跡にする。
それと入れ違いで現れた春海。
起きたら一季が消え、それに気付かずに虚しく孤独に悶々していて恥ずかしかったとご立腹。
一季は侘びとともに昨日の約束を……
(Hシーン2)

(62日目)今日も春海に切られる。
一季にデレデレの彼女は、「殺害」を終えると、獲物を狩る目から愛情を求める無邪気な瞳に変わる。
ペットのように甘える彼女をあやし、暫くしたら彼女は料理を作りに調理室に向かう。
1人になった一季は、先日の冬音の「死との直結」の真意が気になり……

(70日目)定期的に寮に戻って春海の様子を報告する一季。
静夏たちもメール作戦や手料理作戦など様々な手段を試行錯誤で実践するが、厚意に春海が感謝しても「殺人欲」が消え去ることはなかった。
一方で先日春海が語った「実験施設説」の意見を求めるが、現実離れした憶測に誰しもが信じ難い。
ただ、もしもそうなら「殺害しなかった」というのも1つの結果として導けるという期待も抱ける。
そんな話し合いをしていると、手が滑った静夏が湯呑みを倒し、熱い茶を一季の手の甲にかけてしまう。
直に秋桜たちが拭き取るが、静夏自身は長トイレに行くと言って、便所へ消えてしまう。
さらに残った3人で話を続けると、「煙突」の話題へ。
そこで「あんなの人間が死ぬほど力を注がないと作れない」という冬音の表現に、何かに気付いた一季。
ところが、トイレから戻ってこない静夏を不審に思っていたら、なんと彼女の姿が消えていた。
胸騒ぎがした一季は、大至急学校へ向かうが……

582 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 22:09:29.70 ID:xud/qPug0 [17/26]
その頃、学校で孤独に一季を待ち望んでいた春海のもとに、バールを持った静夏が現れた。
歌を強要したりと情緒が不安定な静夏だが、春海に対して本気で怒りをぶつける。
実は先日、春海が誤って一季の肩に深くナイフを刺した時、彼の腕の神経を切断してしまっていた。
先ほどのお茶の騒ぎで一季の腕が不随ということに勘付いた静夏は、これ以上は見過ごすわけにはいかないと、春海を危険視する。
お互いに穏やかな笑顔で廊下で決闘する2人。
しかし、紙一重の差で春海が勝ち、バールを弾いて静夏を押し倒す。
敗北を認めた静夏はまな板の鯉になり、一季の身代わりに自分を殺せと言い出すが、友情を感じた春海は躊躇してしまう。
むしろ今の戦いはわざと殺されるために手加減していたのではと静夏に問う春海だが、本人はとぼけて殺害を促す。
しかし、次の瞬間。2人を発見した一季が窓を割って飛び込んできた。これにはさすがに2人もビックリ。
そして一季は、春海が「正常」だと彼女の殺人欲に訴える。
この世界にあるもの全て、文明の産物は誰かの「死」で成立している。
何かを作るのも、誰かの時間の犠牲=死を代償に作られているし、この世は全て「死」に囲まれている。
人間は直接的でなくても、少なからず他人の「死」で生き、自分たちも誰かのために「死」へ向かう。人は誰しも「殺人鬼」だ。
一季は「殺人衝動」の正体が、記憶喪失という不安定な状態で一緒に暮らす皆への命の尊さを誰よりも意識してしまった感情の裏返しだったと説明する。
自身の内面を知ることができた春海は号泣し、自分がいる必要がなくなった静夏は2人を置いて帰ってしまう。
2人きりになった一季は、使えない片腕を支えながら春海を抱き、寮に戻って一緒にHしたいと誘い……

583 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 22:13:31.71 ID:xud/qPug0 [18/26]
(89日目)「春休み」最終日。
完全に「殺人欲」が消えたわけではないが、ある程度制御できるようになった春海は寮に復帰し、再び料理当番になっていた。
いよいよ明日で最後の「春休み」。
いろいろと他に話したいはずだが、皆はいつものように談笑を交わす。
夜、一季の部屋に来た春海。
明日に何が起こるのか、彼女は不安でいっぱいだ。
もしかして自分たちは仮想の存在で、その時になったら消えてしまうのでは。

一季はそんな不安な彼女の心を支えるように。残りの時間をともに過ごすのだった……

<春海エピローグ>
とある空間で本を読んでいた「少女」に、「少女」が近づく。
今回は殺人鬼が誕生しなくて残念だったね。「人間誰しも殺人鬼」とか、あんな強引な屁理屈が押し通るなんてさ。
ところで、あの「血の服」を掘り起こして見つけさせたのはあなた?
そうだよ。どれぐらいの情報であの娘が「この世界」に気付いてくれるのか知りたかったし。
まあ、「データ」が取れたら何でもいいんだけどね。

さあて、次はどんな「カーネーション」にしようかな?

<春海ルート完>

584 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 22:21:09.35 ID:xud/qPug0 [19/26]
<秋桜ルート>
(ただし「通常END」に入った場合は春海ルートの途中までのシナリオです)
帰ると、秋桜は今日の収穫を皆に見せる。
ところが、魚を初めて見るという静夏はグロテスクな容姿に悲鳴を上げ、さらに秋桜と春海が解体する猟奇的な光景に嘔吐してしまう。
冬音たちの看病で暫くして復帰した静夏。
先ほどの魚を食すことに抵抗があったが、一度口に入れたらその旨さに病み付きになり至高の存在だと感涙し……

(2日目)昼過ぎまで寝ていた一季を秋桜が起こしにきた。
緊張した彼女は挨拶を「こんにゃん」と噛み、それを一季はからかう。
彼女は切り取った布で作ったお手製の包帯で一季の火傷を看病し、今日の予定を聞いてきた。
冬音と一緒に学校を調べるつもりだと言うと、彼女も同行を志願してくる。
学校にて、廊下の突き当たりに雰囲気が他と違う「謎の扉」を発見する一季たち。
きっと埋蔵金やお宝を隠していると邪な考えを唱える冬音たちだが、開け方も分からないので保留に。
屋上まで上り、「ここ」についていろいろ仮説を言い合うが、妥当な結論は導けなかった。
学校探索のついでに秋桜たちは釣りへ行こうとするが、冬音は独りで考え事がしたいといって二手に別れてしまう。
ところが夕方に一季たちが帰ってきても、冬音はまだ寮に戻っていなかった。
暗くなった外で何かの事故に巻き込まれたのではと心配する皆だが、知らない内に帰って寝ているかもしれないと彼女の部屋を見ることに。
しかし、部屋を訪れても「生きた人間」の気配はなかった。それもそのはずである。
そこにいたのはまるで妊婦のように歪に腹部を膨らませ、事切れた冬音の亡骸だったのだから……

585 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 22:28:50.62 ID:xud/qPug0 [20/26]
夕刻の「春よ来い」のBGMが流れる中、一季たちは目の前の仲間の死を受け入れられない。
冷静になった秋桜は冬音の命を嘆くよりも、彼女のために死因を調べるべきと訴えて体を調べるが、外傷らしい外傷がない。
当初は冬音の死体を弄ることに反対していた春海も、意を決して自室にあったナイフを持ち出し解剖を頼む。
汚れ役を引き受け、受け取ったナイフで冬音の腹を引き裂く一季。膨張していた彼女の体内には、常識では考えられないものがあった。
それは「時計」。
明らかに人体には存在しない、存在することができないはずの異質の物体である。
そんなものが何で彼女の中にあるのかと、まるで一季たちの発狂を誘うかのように時計の針は狂うことなく進み……
夜の庭で冬音の遺体を埋葬。
ショックを隠せない皆だが、今日は疲れているからとリビングで解散する。
すると静夏が一季を止めて話しかけてきた。
自分と一季はある程度耐性があるが、恐らく残りの2人は精神的なショックが大きいだろう。
自分が春海を、一季が秋桜と一緒に過ごしてカウンセリングをしたほうがいい。
一季は冷静な静夏にこの事件の推理を求めるが、彼女は犯人は分からないが根拠も無く「皆の中に犯人がいないことだけは分かる」と謎の言葉を残して去り……

586 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 22:36:00.00 ID:xud/qPug0 [21/26]
(10日目)冬音が死んで1週間が経った夕方、秋桜は一季と釣りをしていた。
あの時に流れていた「春よ来い」は、冬音の変死体を思い出してしまう秋桜のトラウマになっていた。
そんな彼女は、いつしか一季に惹かれるようになるも、その自分に背徳感を覚えていた。
しかし、彼女の様子を心配する一季に促されると気持ちを吐き出す。
冬音の死がいつまでも頭から離れない。それも死者を弔っているのではなく、頭の中で冬音を何度も殺して殺害方法を模索する残酷な自分がいると。
しかし、それ以上に彼女には罪悪感を抱く本音があった。
そうやって冬音の死を利用して、一季に気を引いてもらおうとする卑怯な自分がいた。
だが、真相を知ることで冬音が報われるはずと説得する一季の優しさに秋桜は、心の中で冬音に謝罪しながら心と向き合うことを決意。
一方で同様に行動を伴にしていた一季も、次第に秋桜のことが気になっていた。
ところが、優しく接すると彼女が照れ、それを一季は拒絶されたと思い違いを起こす。
とりあえず、事件の真相を知りたい2人は、夜に部屋で会議しようと約束する。
宣告通り部屋で密談し、今回の事件の謎を追及する。
身体を傷つけずにどうやって時計を入れた?死亡推定時刻は?そもそも何で時計だったのか?
解決するどころか、次々と浮かぶ疑惑。
これ以上進まないと考えた一季は、死者への冒涜に負い目を感じながらも、再度冬音の遺体を調べようと提案する。
そして話は変わって、さっきの海の話。
先ほど自分を避けていた秋桜の態度を一季は尋ねるが、彼女はそれはキスを迫られたと誤解したからだと赤面しながら返答する。
そして秋桜は自分の気持ちを告白し……
(Hシーン1)

587 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 22:41:30.29 ID:xud/qPug0 [22/26]
(11日目)静夏たちが寝静まったと思われる深夜、遺体を掘り起こそうと庭へ。
ところが、一季は異変に気付く。
なんと埋葬したはずの冬音が何者かに既に掘り出され、しかも彼女の顔が原型を留めないほどに無残にも切り裂かれていた。
いったい、死んだはずの彼女にどんな恨みがあるのか、謎の凶行に恐怖する2人が意を決して遺体を調べるが、新たな傷以外にやはりどこにも外傷はなかった。
寮に戻ると、遺体の死臭が染み付いていたことに気付く2人。
折角だからと、秋桜は混浴に誘う。
浴槽に浸かって再び冬音の死を推理する。
外傷がないなら、ボトルシップのようにどこかの穴から時計を作成したのか?
しかし時計なんて精密な機械を、狭い肛門などから入れて中で作るなんて可能なのか?
すると突然、秋桜はあることに気付く。自分たちに死臭がついたなら、冬音を掘り出した犯人にも死臭があるのでは?
その時、静夏たちが風呂に入ってきた。一季たちと同じように死臭を洗い流すために。
警戒心を解くために全裸でいた2人を信用した一季は事情を聞く。
原因は春海。冬音の死体を発見したとき、(春海ルート同様に)彼女の心に「殺人欲」が芽生えてしまった。
日に日に増すその衝動を抑えられなくなった彼女は、静夏と相談して苦肉の策として既に死んでいる冬音を代わりに切り刻んでみた。
だが、結果残るのは親友の身体で弄ぶ罪悪感と、欲求が尽きない虚しさ。
その時に一季たちが庭に来たことに気付き無我霧中で逃げたが、冷静さを取り戻すと説明する気になったらしい。
冬音を殺したのも春海かと疑われるが、彼女は衝動ができたのは死体を見た後で、自分はしていないと否定する。
風呂にあがり、一季と秋桜は冬音の部屋で現場検証。
しかし時計を見ると、ボトルシップ作戦はおろか、人体の穴では入れないほどの大きなパーツの寄せ集めだったことが判明する。
だが2人が部屋を注意深く見回すと、新たな発見をする。
一季は遺体があった傍に、大きく書かれた「渦巻き」の落書きを見つける。
また探偵心が擽られた秋桜も、碁盤に並べられた永延に終わらない「詰め将棋」に気付く。
ある程度調査が進むと秋桜は限界を迎えてバランスを崩し、心配した一季と一緒に寝ることになり……

588 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 22:48:01.90 ID:xud/qPug0 [23/26]
(20日目)海に集まった皆。
今日は春海の「殺人欲」を少しでも和らげるため、決別として彼女のナイフを処分することになっていた。
折角だから掛け声が欲しいと言う要望に答え、一季は「こんにゃん」と叫んでナイフを大海原に投げ捨てる。
そのフレーズに首をかしげた静夏たちの横で秋桜が赤面し、春海たちは彼女をからかう。
こんにゃん→うんにゃん→にゃんにゃん。謎の挨拶を生んで和む静夏と春海。
ちなみに春海の「殺人欲」は、静夏とレズして彼女を絶頂させることで擬似的に殺害を体感しているらしい。
仲良しの2人は一季たちを残して帰っていく。
すると、秋桜は一季に深刻な話を始めた。
自分の「妄想」の真偽を確かめたいから、協力して欲しいと……

(24日目)夕方、一季たちは学校の「開かずの扉」のデバイスに解読用のパソコンをセットし、校内をいろいろ調べる。
そして夜になり……
(Hシーン2)
セックスも終えて帰り道を歩いていた2人。
しかし、秋桜は読みが当たったと確信を得たようで……

(20日目(回想))秋桜の「妄想」とは、自分たち以外の「誰か」が存在すること。
その中で一番怪しいのは、学校のあの「扉」である。
あそこを見張っていたら犯人が引っかかるかもしれないと、一季と作戦を練って……

(24日目(続き))案の定、床に撒いた砂が荒らされた痕跡から、一季たちは「扉」の周辺で何者かがいたことを察知し、学校に戻って潜伏する。
遂に廊下を歩く人影を挟み撃ちにするが、何と目の前に現れた人物は死んだはずの冬音だった。
正体を知られた彼女は、「逃げるつもりもないし、そもそもこの世界に「逃げ場」なんてない」と告げ、2人を屋上に誘う。

590 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 22:56:01.95 ID:xud/qPug0 [24/26]
冬音が死んでいなかった事実に動揺する一季の横で、秋桜は自分の推理を述べる。
しかし、それは凶器が「注射」だとか、「推理」とはかけ離れた余りにも予想の斜め上を行く答えだった。
秋桜自身もこれ以上の解答を渋るが、冬音は興味津々で続きを聞いてくる。まるで、秋桜がどれぐらい真相に辿りついてくれたのかを探求するかのように。
促された秋桜は「ここ」の世界の正体を語る。部屋にあった「渦巻き」、「詰め将棋」、そして死体の「時計」、それらから導き出せる答え。
この世界はループしているんだろ?
秋桜曰く、「ここ」には一定周期で時間の進行と逆流が繰り返されているらしい。
そんな世界で、例えば人体に粉塵状に分解した機械を注射で混入させ、「復元」させたらどうなるか。
名推理に感心する冬音。
にわかに信じられない一季だが、冬音は以前の「カーネーション(ループ)」で聞いたという一季や秋桜の誰にも言っていない秘密を明かしたり、
記憶喪失なのに皆が互いに親近感を抱く不可解な点(記憶がリセットされても長時間の行動を伴にして「愛着」ができるらしい)を指摘し、ループ世界を肯定する。
また死んだ「もう1人の冬音」については、秋桜がループ世界でのバグだと答え、冬音はそれも認める。
今回の動機を問い詰めると、冬音は邪魔者であるもう1人の自分の処分と、秋桜の洞察力を探る「実験」だと答える。
万が一のために秋桜に「カーネーション」に気付く方法を考え、これまで何度もメッセージを残したが、真相に辿り着いたのは今回の「カーネーション」は初めてである。
「自分の遺体」を引き金に本領を発揮した秋桜を、冬音は誰かが死なないと本気にならないとせせら笑う。
それに激昂した一季。
もう1人の自分を殺すことに何の罪の意識もないなら、今自分も殺してみろと迫る。
激しい剣幕で怒る一季に恐怖した冬音は、少し反省。
でも「カーネーション」を認めた冬音でも、この世界の存在理由、自分たちの正体などより詳しい事情については、今は言うべき時ではないと硬い口を閉ざす。
ただ、一季以外の少女たちは、自分たちの意思で「ここ」に来たようだ。
そして謝罪した冬音は隠居を決意し、一季たちに静夏らの精神的な負担がかからないようにと、このことを内緒にするように頼んで別れを告げる。

591 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 22:59:50.82 ID:xud/qPug0 [25/26]
冬音と別れて学校を去る一季たち。
ところが振り返ると、その冬音が屋上から今にも投身自殺を謀っていた。
一季は瞬発力をフルに発動して真下に回りこんでクッションになる。
ものの数秒前に自殺志願者だったはずの冬音は、見事な着地に我を忘れて感激。
それはともかく事情を聞くと、先ほど一季に責められたことで「冬音」を殺したことに罪悪感が芽生え、自殺の道を選んだと答える。
しかし、それも「自分を殺すこと」だと一季は怒りのまま却下し、今度こそ隠居を決意した冬音と改めて別れを告げる。
ところが冬音が去った後、無理な行動を起こした一季の両腕は奇形に歪んでいて……

(89日目)「カーネーション」が終わる頃、秋桜は両腕を複雑骨折した一季の看病をしていた。
「世界」の正体を知りたいが、秋桜はそれよりも一季の世話を優先する。
そんな仲良しの2人に、何も知らない春海たちは秋桜本人が一季と一緒にいたいがために腕を折ったのではと疑ってしまう。
静夏たちの痛い視線を気にせず、いちゃつく2人。
一季は自分の世話のために調査できなかったことを謝るが、秋桜は自信満々に「対策」があると言って安心させる。
そしてこうして親密にいるのも、「カーネーション」への抵抗だった。
冬音が言う通り記憶がリセットされても愛着が残るのならば、この感情もわずかに引き継がれるはず。

次の「カーネーション」でも相思相愛でいられるようにと、秋桜は一季に身を寄せるのだった……

592 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/26(火) 23:02:48.27 ID:xud/qPug0 [26/26]
<秋桜エピローグ>
静寂した無人の「世界」を歩く「少女」は、あるものに気付く。
それこそが、秋桜が言っていた「対策」だった。
「少女」はその真意に気付いて感心するが、敬意や厚意を以ってそれを放置した。
というより、今の自分にはそんな「些細なこと」はもうどうでもよい。
幾度となく繰り返す「時間」、自分にはもう限界かもしれない。
でも、だからこそ……

せめて最期には、自分の我が侭を叶えてもいいよね?

<秋桜ルート完>

593 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/28(木) 17:42:16.53 ID:VLHL7pH60 [1/9]
<冬音ルート>
(0日目)ある部屋で「少年」は目覚めた。
覚醒したばかりで曖昧な意識の中、その傍らにすやすやと眠る「少女」が。
「少年」は、昨夜の内に遂に童貞を卒業したのかと動揺するが、昨日何があったのか思い出せない。それ以前に、自分が誰なのかも思い出せない。
彼は、自身が記憶喪失になってしまったことを悟る。
その時、添い寝中の「少女」の手が突然痙攣したかのように不可解な動作を取るが、「少年」が本人を起こすと鎮まり返る。
寝ぼけ眼で甘える「少女」。しかし相手も記憶喪失の状況に気付いて大混乱。
少し落ち着くと「少女」は机のメモを見つけ、「表情が無い」というメッセージから書かれていた「一季」という名が「少年」のものだと知る。
記憶を失って互いの素性が分からないが、何故か「少女」は自分は一季の妹だと主張してきた。
部屋を出てリビングに行くと、同じく記憶がない「春海」、「静夏」、「秋桜」という少女たちと出逢う。
皆の前で「少女」は一季の「妹」であると同時に、エッチをしたいほど恋愛感情を抱いていると宣言し、驚愕させるが、鬱陶しいと言う一季本人に一蹴されて泣き出してしまう。
春海と秋桜は散策のために外出し、残った静夏は内部探索とともに「少女」の名前が記された彼女の部屋もどこかにあるはずと3人で建物内を歩く。
兄と別部屋になることに不満な「妹」。
しかし、静夏は別居しているからこそ忍び込んだり、夜這いしたりと同部屋以上の楽しさがあると力説し、感動した「少女」は静夏を「色恋師匠」と称える。
やがて彼女の部屋を見つけ、名が「冬音」だったと判明する。
静夏が去って2人きりの部屋。冬音は根拠がなくても、まだ一季の妹だと言い張り、それは記憶を失った不安への反動と答える。
その会話中、また彼女の腕が痙攣するが、一季が指摘した瞬間に自覚することなくまた静止し……
夕方の「春よ来い」をのメロディをバックに、夕食を作る春海。
皆でいろいろと話し合って状況整理するが、結論が導けずにそのまま就寝時間に。
一季は冬音を寝かすために部屋に送るが、妹は癖が悪く、しつこく甘えてくる。
そんな彼女に、一季は妥協点として頬にキスをし……

594 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/28(木) 17:49:22.53 ID:VLHL7pH60 [2/9]
(1日目)翌朝。深夜に忍び込んだのか、冬音がまた一季の横で寝ていた。
しかも何故か左右に分身して。
皆が揃うと、冬音が「もう1人の自分」について紹介する。昨夜寝ていた時に、自分にそっくりな「彼女」が屋根裏から落下してきたらしい。
冬音によると彼女は手にしていたメモから「真冬」という名前で、彼女の双子の妹に当たるらしい。舌足らずで無口な性格に、春海の母性を刺激してしまう。
皆は気になって真冬にも一季への感情を聞くが、彼女の方は兄を慕う愛情はあっても、性的な恋愛には興味を示さないようだ。
真冬が現れたことから、もしかして他に屋根裏に誰かがいるかもしれないと踏んだ秋桜たちは屋根裏を探索するも、閉所恐怖症の春海が発狂して一時中断。
しばらくして真冬の可愛さに復活した春海は、彼女をつれて風呂に入るが、鼻血を出して貧血で失神してしまう。
春海が撃沈した中、幼い双子は自分たちが頑張ると食料を調達し、春海の代わりに手料理を皆にご馳走させる。
その旨い料理を一季が褒めると、双子はその見返りに一緒に寝て欲しいと甘えてきた。
当初は躊躇していた一季だったが、回復してリビングに来た春海にも促されてお願いを聞き入れることに(説得してくれる春海に冬音は「色恋師匠2号」と命名)。
そして寝る前、甘えん坊の双子は両側から一季にキスをして……

595 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/28(木) 17:56:32.44 ID:VLHL7pH60 [3/9]
(20日目)生活習慣が定着してきた時期になると、一季たちは春海の提案で「学校」に登校していた。
今日は勉強も終えて暇になると、突然野球拳をしようという話になった。
闘争本能や変態脳剥き出しの皆の気迫を前に、一季も反対することができずに参戦。
だが、序盤では盛り上がったものの、後半からは何故か冬音だけが負け続けて肌蹴ていく。
調子に乗って誘惑ポーズを取る冬音だが、拍子抜けして冷たくあしらう皆。
酷い仕打ちに、彼女は泣き出して教室を飛び出してしまう。
少し悪い事をしたと反省した一季は、皆に命じられて冬音を追跡。
「開かずの扉」の前にいた冬音に声をかけるが、自分の身体に発情してくれない兄に妹はご機嫌斜め。
ここで、自分のボディを視姦して欲しいと頼み、しかたなく承諾する一季だが、ふと彼女の首に謎の「痣」があることに気付き……

(50日目)一季は春海と山菜を取りに行っていたが、大量にキノコを見つけ思いのほか早く帰宅する。
ところが帰ってきたら、自分の部屋で双子が何かをしていた。
様子を覗うと、なんと冬音は自作のシナリオを真冬に朗読させ、想像オナニーを実践していたのだ。
兄が早く帰って来たことに焦る冬音を、一季は真冬とともに朗読を続けて精神的に攻撃を加える。
恥ずかしさのあまりいっそ自分を殺してくれと乱心する冬音に溜め息をついた一季は、真冬を部屋から出して2人きりに。
冬音は改めて自分の愛情を主張し、近親相姦を一季に求める。
そんな彼女に惹かれた一季も、自分も気持ちを確かめたいと、遂に翌日にセックスしようと約束をしてしまう。
興奮した冬音は部屋を飛び出して……

596 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/28(木) 18:02:57.41 ID:VLHL7pH60 [4/9]
(51日目)翌日の夜。約束通りに冬音の部屋で……
(Hシーン1)

(52日目)翌朝目が覚めると、また忍び込んだ冬音が布団の中に入り、一季の乳首を舐めていた。
そのまま小悪魔の妹のペースに呑まれて、自慰する一季。
すっきりした冬音は部屋を去り、一季も廊下に出ると真冬と遭遇する。
何だか寝不足な真冬。聞くところによると、昨日の「行為」後、冬音からその自慢話を徹夜で聞かされたらしい。
リビングでも、事前に昨日冬音から事情を聞いていた静夏たちが、妹の近親相姦の感想を聞いてきた。
一季の誤魔化しも虚しく、走ってきた冬音は大喜びで兄とのセックスを報告し、皆からお祝いされる。
自分を導いた師匠1号、2号、(いつの間にか秋桜が)3号に感謝する冬音。
秋桜たちも、近親相姦への背徳感はあるが、応援すると約束して2人の背中を押す。
2人が結ばれた記念に、夜にパーティーを開いて……

(63日目)ある晩、一季は冬音に起こされ、怖がりな彼女に頼まれてトイレに付いていく。
ところが冬音は悪戯で寝ぼけた彼を春海の部屋に誘導させ、悲鳴を上げた春海を皮切りに大混乱を招く。
そんな悪さをしながら、冬音は皆との楽しい時間を幸福と感じていて……

(74日目)またある日。冬音は秋桜と釣りをしていた。
以前春海が言っていたという「ここ」の仮説を話し合ったり、楽しい時間を過ごす。
「残された時間」を充実させようと躍起になっていた冬音は、そんな裕福な時間に心から感謝していた。
たとえ、それらが全て「無駄」であると理解していても……

597 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/28(木) 18:17:02.28 ID:VLHL7pH60 [5/9]
(89日目)「春休み」最終日の夜、冬音は何の前触れもなく一季を学校に誘う。
しかもこれまで開け方が分からなかったはずの「扉」を通り、その最深部に案内してきた。
「扉」の先の内部は今までいた場所とは正反対に、金属で囲まれた無機質な空間だった。
「目的地」に着くまで冬音は、歩きながらある程度の説明を続ける。
「ここ」の正体は南亜の地下世界で、自分はその管理人。演技で皆に合わせて記憶を失ったふりをしていた。
現在の本当の西暦は10012年で、ここが選ばれたのは氷河期や地殻変動に影響しない土地だから、つまり現在の地球は氷河期の真っ只中なのだ。
そして最深部(「煙突」の真下でその入り口)に来た一季は、不思議な水母が漂う水槽がある部屋に連れ込まれた。
そこでこの「施設」の正体を語る冬音。
元々、ここはベニクラゲ(ちなみに実在する生物)から不老不死を研究する実験が為されていた。
何故なら、ベニクラゲは老化と幼化を繰り返して半永久的に生き続ける、事実上「不老不死」と言える存在だったからだ。
この「カーネーション」では特定の条件を維持するために密閉された空間にクラゲの生態を応用した成分を散布し、有機無機問わず老化と幼化を繰り返していたのだ。
ただ、その作用を実現するのは制御の都合上3ヶ月周期が限界で、また生物は幼化とともに脳細胞も修復されるため記憶もリセットされるという副作用があった。
さらに冬音は、自分たちがここにいる理由を説明するため、秋桜や自分の本来の姿でのビデオレターを一季に見せる。
時は西暦3100年。地球では新たな氷河期が始まっていた。
不足した資源を求めて世界各国では戦争が勃発し、さらに突然変異で進化した竹に温室効果が無効化されて環境は悪化。
遂に人類は各所の地下世界に逃げ、氷河期を過ごす決断を下した。
更に長い月日でXY染色体を失った人類は人工的に遺伝子を操作して男性を意図的に誕生させる非人道的な技術にも手を出していた。
そして13824回の「カーネーション」を繰り返した現在。
他のコロニーとの連絡は途絶え、今では自分たちだけが最後の人類となっていた。

598 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/28(木) 18:42:17.51 ID:VLHL7pH60 [6/9]
冬音がこれまでの記憶を保てたのは、脳内に埋め込まれたナノデバイスを介して「4次元配列」と呼ばれる領域と外部接続していたから。
そこでは「カーネーション」の干渉も受けず、記憶が消去される心配もない。
またデバイスは一季の頭にもあり、彼は冬音の「もしもの時」のためのスペアであると教えられる(2人だけにあるのは単純に予算の問題とのこと)。
さらに冬音は、ここにいる皆が人類に選ばれた素質を持った逸材だと説明する。
秋桜は論理的思考を持った分析力を持ち、最初のこの世界の正体に気付いた功績もある。
(ちなみに彼女のルートで言っていた「対策」とは、力が均衡する寮と海との間の用水路に針を引っ掛けた魚を放置すること)。
静夏は秋桜とは正反対に感性で動き、善悪による判別で皆を導く「聖女」の素質がある。
春海は暴走して「殺人欲」に発展してしまうことがあるが、外見に反して人間に不可欠な「狩猟本能」を持っている。
そして冬音自身は精神的な疾患を患い、長時間の労働が精神に影響しないことから管理人に選ばれた。
(そもそも「3ヶ月」が人間が閉鎖空間で平常でいられる限界とされていて、数世紀も生存することは常人の精神では不可能)
でも長い時を過ごした彼女は、暇潰しにいつの頃からか、自ら作ったもう1つの人格と戯れるようになっていた。
それがある日、「カーネーション」の逆流現象に引っ掛かり、「無」からもう1人の自分「真冬」が実体化したらしい。
最後に一季の話。
大方の予想はついていたが、一季は先ほど説明した遺伝子技術で生まれた人造人間だった。
ただ本来の「人間」と比べると不完全で「心が壊れて」いた。
それは「痛覚に鈍感」であると同時に、感情が極端に移動すること。
度を越えた直情派で、良くも悪くも全てを誇大に考えてしまう。
また恋愛感情の揺れも激しく、今までの「カーネーション」ごとに皆とイチャイチャしていたらしい(なんかスミマセン)。

599 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/28(木) 18:51:41.83 ID:VLHL7pH60 [7/9]
ある程度冬音が説明を終えると、一季は最後に「自分にこうして全てを説明してきた」理由を問うが、それは彼自身も先ほどの説明で薄々理解していた。
もう、彼女には潮時なのだ。
すると突然冬音の手が動き出し、自分で自分の首を締め上げた。
精神的には安定している彼女でも、数十世紀も生きた肉体が拒絶反応を起こし、こうして発作的に自害させてくるというのだ。
このままでは誰にも気付かれない孤独のうちに、いつか自殺してしまう。
冬音はせめて自分が生きていた事実を誰かに覚えていて欲しいと、一季に自分の最期を与えるように、自分を殺してくれるように懇願する。
しかも対象デバイスを自分から一季に切り替えるには、脳死する以外に方法はないというのだ。
どうせ今の自分が死んでも、数百年分の記憶がリセットするだけで、「カーネーション」の力でまた蘇生できると一季を説得する。
必死に拒否する一季だが、冬音はさらに自分の罪の重さを告白した。
かつて自分は誕生した真冬をバグと称して惨殺し、さらにその遺体を実験に利用して弄んだ。
この苦しさは、きっとそんな哀れな自分へ下された罰だ。
そして互いに説得しながらも、2人は愛を確かめ合い……
(Hシーン2)
再び結ばれて幸福になった2人。
その状態で冬音は、再度一季に殺害を頼む。今の幸せな気分のうちに、ひと想いに弔って欲しい。
悲しみに明け暮れた一季は、いつか氷河期が消え去ったその日に、冬音に本物の青空を見せてやると約束する。
そして葛藤を抱えながらも、伸ばした手で冬音の首から鈍い音を鳴らし……

600 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/28(木) 18:59:47.96 ID:VLHL7pH60 [8/9]
<冬音エピローグ>
一季に引き継がれた「カーネーション」。
「死んだ」冬音は全てを忘れて無垢な性格になり、一季を慕っていた(一季曰く時間の概念を地図として捉えているらしく、文法の時制が出鱈目)。
寝る前に彼女が呟く「お兄ちゃん」という言葉に、一瞬動揺してしまう。
「冬音」から管理の義務を受け継いだ彼は、充分すぎる「時間」で地形や気候のメカニズムなど様々なことを学習した。
そんな事も長い年月が経てば意欲も失うが、それでもただ1つの使命を原動力に生き続けた。
それは氷河期が終えるまで皆を守り通し、再生した地球に連れて行くこと。
その中で一番避けなければならないのは、同じことを繰り返すデジャブに違和感を感じた誰かに「カーネーション」を発覚させて絶望させてしまうことだ。
4657日目には、ボクっ娘で男勝りの春海が山にロボットが隠されているとか夢を抱いて探険したり、
17428日目には、釣りが嫌いと不服な秋桜が鹿狩りをしたいと駄々をこね、
126119日目には、学校の屋上で幼児退行した静夏に合わせ、不安を拭い去ろうとする彼女と大声で叫んだ。
そうやって一季は、記憶喪失を演じながら「カーネーション」ごとに異なる環境を与え、極力デジャブの発生を防いでいた。
だが2250183日目、西暦13000年にもなるある日、彼に転機が訪れる。
管理室にて、「天球儀・オートマトン・オブ・アストロラーベ(以下AA)」という謎の存在から2通のメールを受け取る。
久しい外部との交信に一季は期待を抱いて開くが、その内容は彼にとって酷なものだった。
「某日、太陽の核活動の停止を確認。原因は不明で、この恒星が再び活性化する見込みは無い。
この氷河期は、永久に終わることはない」
激しく突き放されたかのような感覚に、愕然とする一季。
それじゃあ今まで俺が、愛しい「冬音」を殺めてまで努力した数十世紀は何だったんだ!?
運命に裏切られ、身を投げ出すように仰向けに倒れた。
もはや彼の心には、全ての希望が奪われていた。

そしてその手がひとりでに、自分の首まで伸びていき……

<冬音ルート完>

604 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/30(土) 15:02:31.47 ID:net3qUNl0 [1/15]
<静夏ルート>
(0日目)部屋で目覚めた「少年」は、それまでの記憶を失っていた。
混乱したまま部屋を出て「建物」内を徘徊するが、何故か目に映るもの全てに、既知と未知という矛盾した感覚が漂う。
そして、それらからまるで自分の存在を否定されているような疎外感、自分の命を断つべきと囁かれているような虚無感が彼を襲う。
さらに外に出て「建物」から伸びる「煙突」を見上げると、不安がより大きく圧し掛かかり、「少年」はその場で倒れてしまう。
すると、どこからか「少女」が現れて「少年」に声をかけて来た。顔を合わせると、突然「少女」は喜びに満ちた顔で喋った。
「私はあなたを知っている」
何故かそう口にし、恋人の再会のように微笑む「少女」。
彼女も記憶喪失らしいが、自分は「静夏」、彼は「あずき」という名前であることだけ覚えていたらしい。
静夏は「あずき」を「寮」に戻るように誘う。無意識な発言で、彼女自身でも何故「寮」と呼称したのかは分からない。
でも、静夏は笑顔で言い続ける。「寮」の中で、「皆」が待っているはず。「皆」っていうのは「皆」よ。
全員集合したリビングのメモで、「3ヶ月の共同生活」を認識したメンバーは互いに自己紹介。
当然ながら、静夏以外は「あずき」という男子には不釣合いな名前に疑問視し、きっと自分たちと同じように名前のメモがあるはずと「あずき」の部屋へ赴く。
異性の部屋の匂いに、不思議と落ち着く少女たち。そこで「一季」という名のメモを見つけた。
結局、静夏の記憶違いだったが、そっちの聞き間違えだと、意地でも自身のミスだとは認めない。
強情な静夏の言い訳に一季がツッコミを入れるが、(表情がない)彼の言動に怯える秋桜たち。
しかし、何故か静夏は表の感情とはアンバランスな一季の気持ち1つ1つを理解し、親しく接する。
そこで一季はメモを裏返し、「自分に表情がない事」と「心が壊れている事」を「初めて」知ることになる。
「心が壊れている」意味を皆に問われると、本人はきっとさっきから来る自殺願望のような衝動だろうと1人納得して説明する。
するとそれを聞いた静夏は、険しい顔で呟き……

605 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/30(土) 15:12:15.90 ID:net3qUNl0 [2/15]
(7日目)夕方、静夏は秋桜と釣りをしていた。
当初は「見たことが無い」グロテスクな魚介類に抵抗があったが、美味しい食材と理解した後は積極的に手伝うようになっていた。
作業をしながら静夏は秋桜に、鬱病気味な一季のことを相談する。
皆は生きるために必要な食料確保や、「ここ」の調査をしているが、彼だけが無気力で無関心。
やはり「心が壊れている」のが要因だろうが、どこがどう「壊れている」のか?
壊れている=失われている部分があるのなら、自分の存在でそれを埋めたりして、何とか彼を救うことができないだろうか?
深夜、静夏は「自分が知っている」一季像を思い浮かべ、彼を想いながらベッドで自慰をする。
「あの時の一季」に戻って欲しい。
そう切に願うと、突如自室のパソコンに「AA」という差出人からのメールが入り……

(8日目)昨夜のメールが気になった静夏は双子の冬冬ズに、メール送受の可否を聞いてみるが、この環境下ではありえないと否定される。
そして話は変わって一季の話。落ち込んでいる男子を元気にさせるにはどうすればいいのか。
すると、双子は男児が元気になるのは「女の愛」、「女の愛」はすなわち「裸」と答えて……
夜、静夏に促されて入浴していた一季は物思いに更けていた。
実は彼自身も何か行動を起こそうとはしていたが、そうすると「どず黒い何か」に妨害されてすぐに意欲を失ってしまうのだ。
そんな悩みを抱えていると、なんと静夏が風呂に入り、羞恥心を見せながらも仁王立ちして自分の全裸を無理矢理一季に見せ付けてきた。
元気を出して欲しいと静夏は一季に願うが、動揺するばかりで効果なし。
ならばとヤケになった彼女は、春海、冬冬ズ、秋桜たちを順番に騙して強引に混浴させる。
結局、節度を守らず暴走した事を皆から説教される静夏であった。
裸を見られてお嫁にいけないと嘆く双子は、巨乳の春海に甘えて「結婚」。
一方、ラブラブな3人を横目に秋桜は、そんなに一季を慕うなら静夏が「一季係」として世話をすればどうだと提案してきた。
与えられた義務に、静夏は一季を復帰させると奮起して……

606 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/30(土) 15:25:07.95 ID:net3qUNl0 [3/15]
(9日目)早朝から早速、静夏は一季を起こして外に連れ出す。
元気になるにはまず体力作りからと、バールを片手に指導する静夏。
やる気もなかった一季だったが、とりあえずしばらく彼女に合わせて2人で散歩することに。
歩いてる途中、静夏は元気になることを拒む一季の理由を尋ね、一季は例の「黒いもの」の存在を語る。
自分が元気にならないのは、元気になると沸いてくる「あれ」を避けているからかもしれない。
静夏がさらに追及すると、それはきっと記憶を失う前にしでかした「大きな失敗」で、本能的にそれを思い出すのを自分が恐れていると一季は答える。
けれど静夏は、失敗したならそれを学習して次に活かせばいいと否定し、「元の一季」に戻って欲しいとここでも説得。
頑固に言葉を受け入れない一季に、静夏は遂に「自分は魔法少女」だという詭弁まで並べてきた。
呆れた一季は「本当に魔法少女だったら言うことぐらい聞いてやる」と吐き捨て、彼女を置いて道を引き返し……

(12日目)夜。静夏が部屋に来た。
これが「最後のチャンス」と約束して、一季を学校に連れ出す。
教室に連れ込まれた一季。
すると静夏は手にしたバールをまるで指揮棒のように振るい、教室のパソコンで様々な現象を起こしたではないか。
不可解な現象にトリックも見抜けず、一季は彼女が(パソコン限定の)魔法少女であることを認めるしかない。
すると、魔法少女と認めてくれたなら、約束通り自分に従えと静夏が昼間に言っていた条件を押し付けてきて……
翌朝、静夏に言われて外でランニング開始。
闘争本能で全速力の静夏と一緒に走る一季。
走り続ける爽快感から、今までのネガティブな感情が嘘のように晴れてきた。
だけど、我を忘れて走り続けた静夏は、いきなり嘔吐。
学校で休憩して看病すると、静夏は学習能力もなく、帰りも競争すると言い出した。
体に悪いから止めろと却下する一季。
その「他人を心配してくれる言葉」を出した彼に、静夏は驚愕と安堵の表情を浮かべる。

608 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/30(土) 15:35:49.16 ID:net3qUNl0 [4/15]
今までとはうって変わり、一季は静夏に促されて皆の手伝いや冬冬ズの遊び相手など、積極的に活動していた。
午後に2人きりで部屋で休憩。
静夏と親しくなった一季だが、まだ「黒いもの」に怯えていた。
彼の不安に、静夏はその時は自分が支えると一喝し、彼女の勇気に一季も信頼を寄せる。
おだてられて嬉しい静夏だったが、昨日からの過労でダウン。
ぐったりした彼女を、一季は布団に運ぶ。
優しい彼に静夏は「いたずらぐらいして欲しい」と残念そうに呟いて……

(14日目)静夏はご立腹。
昨日、服が扉に挟まれて、開けたら落下してくるように仕込まれてたのだ。
一季が「要望通りのいたずら」だと返答するも、静夏は求めたものと違うと不満を口にして……

(20日目)困っていた様子の春海と秋桜を見つけ、一季は声をかける。
どうやら、野生動物が作物を荒らしてしまったらしい。
そこで一季は、自ら進んで柵の修理を引き受けた。
以前と違って積極的な彼に、秋桜たちも安心し……

(35日目)夜、一季は春海に相談のために彼女の部屋を訪れていた。
相談内容は勿論静夏のこと。彼女が積極的に自分にアプローチをしているうちに、自分も彼女に惹かれている。このまま彼女へ好意を抱くのは正当なものなのか?
葛藤する一季に、春海は両想いを祝い、そんなことに悩まず、好き同士でキスをすればいいとアドバイス。
ところが、盗み聞きしていた静夏本人が、要点を上手く聞き取れずに浮気と誤解して襲撃してきた。
必死に止めて、自分の好意を静夏に伝える一季。自称邪魔者の春海は、自分の部屋から去り、残った2人はキスを交わす。
部屋を出たら、廊下で集まっていた皆。実際はキス留まりだったが、セックスにまで走ったと思ったようだ。
調子に乗った静夏は、見栄を張って性交のホラを吹き始め……

609 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/30(土) 15:46:20.36 ID:net3qUNl0 [5/15]
(36日目)早朝に、またランニングで体力作りをしていた2人。
仲良くなった静夏は、そろそろ「したい」からと、夜に部屋に来るように一季を誘ってきた。
夕食時、緊張で落ち着きが無い2人を皆が不審に思い、静夏は包み隠さず一季に今夜抱かれることを宣言。
騒ぎ立ててくる皆を前に、一季はまた覗き見するなよと釘を刺すが……
(Hシーン1)
放心した静夏を置き、部屋の外の気配に気付いた一季。
案の定皆が勢揃いしていて、野次馬たちを追い払う。
部屋に戻ると、静夏は不機嫌に一季を睨んだ。
童貞相手なのにテクで負けた気がするという妬みや、体位が疲れるという我が侭、そして自分を置いて廊下に出たという不満。
機嫌を直してもらおうとすると、彼女から「100回のキスで1回するたびに好きな場所を言う」というゲームを要求される。
前半は順調だったものの、半分を過ぎるとネタも尽き、即興ネタも強引に入れて100個達成。
このまま一緒に寝るかと誘う静夏。彼女との愛情に、一季も最高の幸福を感じていた。
しかし……
その瞬間、ありえないことが起こった。
嘗て一季が「死んだ」時に失われたはずの、あの「忌々しい記憶」が甦ったのだ。

「ここ」の正体、自分の使命、そしてそれらが「永遠の氷河期」を前に全てが無駄だったという現実。

心の中で激しく絶望する一季だったが、静夏の必死の叫びで我に返る。
なんと、彼女はこの世界の「カーネーション」を認知していて、それを数千年孤独に過ごしていた一季を案じていたのだ。
そして自称「魔法少女」はエドガー君で一季に魔法をかけ、その力で彼の思考が少しクリアになる。
実は、一季の脳内にあったデバイスが彼の感情視野と直結していて、元気になればなるほど彼の精神を悪化させていたのだ。
静夏はそのデバイスの感度を微調整し、一季の心を安定させた。
そして静夏は、自分が「AA」という存在と密かにコンタクトを取っていたことを明かし……

610 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/30(土) 15:58:42.75 ID:net3qUNl0 [6/15]
(37日目)深夜。
この「カーネーション」の頃には、西暦は16187年になっていた。
記憶が戻った一季は静夏を連れ、再び「開かずの扉」の向こうの世界を歩く。
静夏が「カーネーション」を知っていたのは、「AA」から得た情報だった。
そしてその「AA」は「元気な一季」を管理室に連れて来るように、静夏に要求してきたらしい。
勿論、好きな一季が元気になることは、彼女自身も望んでいたことだった。
中枢部に着いて接触を試みると、端末から顔文字の「AA」が出現して静夏と挨拶。
こんにゃん→うんにゃん→にゃんにゃん。
本人曰く、その正体は4次元配列の記憶媒体そのものだった(人格はかなり「痛い子」)。
人工物が自我を持つことに疑いを持つ一季たちだが、「AA」は人間の脳も記憶する神経細胞の集合体だし、同じ理由で自我を持つのは当然と屁理屈を述べる。
自己紹介も済んで本題に入る。
「AA」は自分の存在理由は、「人類の存続と繁栄」だと語る。
だけどここは「永遠の氷河期」に閉じ込められたはずの、3ヶ月周期の「カーネーション」。
妊娠もできないのに「繁栄」なんかありえるのか?
その言葉に呆れる「AA」。
実は一季の自殺は飛んだ早とちりだった。「AA」はあの時一季が読めなかった「もう1通のメール」の存在を示す。
「氷河期……、エネルギー獲得……、加速……、移動……、惑星通過……」
専門的且つスケールがでかい表現が使われた文面。
静夏はその内容から「現在、地球そのものを動かして第2の太陽まで運んでいる」という現状を把握する。
「AA」は記憶媒体という存在でありながら、地球に存在する機械に干渉して操作する力を持っていた。
(ちなみに行動に必要なエネルギーは、「自重の重力で圧縮される地球の中心核から生まれる地熱」)
新たな太陽の公転軌道に乗れば、この氷河期を終わらせることができる。

611 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/30(土) 16:04:50.84 ID:net3qUNl0 [7/15]
ところが、「AA」はここで残酷な選択を一季に突き出す。
現在、自分たちを地下に埋めた旧人類は、地表で長い年月をかけて知能が著しく低下した類人猿に成り下がり、適応した氷河期で過ごしている。
このまま地球が惑星ごと移動したら、地表の気候は大きく変動し、急激な環境の変化に適応できない彼らが絶滅するのは必然だ。
静夏は助ける方法を「AA」に問うが、それは「カーネーション」を切断してここに招き入れることしかなかった。
だが、そんな事をしたらこの環境もすぐに朽ちてしまう。
人類を見殺しにするか、彼らを一時的に救ってやがて自分たちも心中するか。
「AA」が「元気な一季」をここに呼んだのは、その選択を迫るためだった。
拒否すれば人類は救われるが、恒星の軌道に近い今の好機を逃せば、地球は「新たな太陽」から遠ざかってしまう。
「AA」は「カーネーション」の解除と続行の選択を一季に委ねてきた。
一季がそのレバーに手をかけると、静夏も重ねてくる。
人を殺す罪は自分1人が被ると一季は拒むが、静夏はいくらでも共犯になると押し切り、強く握る。
そこで一季は、他者に罪を被せて傷つけてしまう辛さや恐怖よりも、互いの傷を癒しあう「絆」の大切さを認識し、彼女と心も重ねた。
そして、2人が選んだ選択は……

612 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/30(土) 16:10:36.12 ID:net3qUNl0 [8/15]
<静夏エピローグ>
(89日目)「カーネーション」最終日。
学校の屋上で黄昏る2人。
結局、自分たちは生き延びるために旧人類を見殺しにする道を選んだ。
「生きている人間は、他人にしろそれ以外の生物にしろ、誰かの「死」を前提に生きている」という事実に痛感してしまう。
今まで無鉄砲に「元気」を求めていた静夏も、それに伴う犠牲の存在を認識して罪悪感が芽生える。
だがそれでも自分たちは「元気」になりたい、「元気」にならなければならないと主張する。
そして「朝エッチ」がしたいと……
(Hシーン2)
今日が「最後」ということで、静夏は一季に「魔法少女」が嘘だった事を供述する。
実は学校のパソコンを操っていたのは、「AA」が裏工作でサポートしていたから。
しかもメールでガールズトークや相談をしたりと、両者は以外と乙女チックな親交をしていたらしい。
明日には消えてしまう「自分」に不安な静夏だが、反対にこれから数千年以上も「生き続けなければならない」一季の身を案じる。
そして去り際に、静夏は振り返ってお別れの言葉をかけてきた。
「これから「カーネーション」で何度出逢いと別れを繰り返すかは分からないけど、「カーネーション」が終わる「その日」が来るまで”さようなら”。
これからどんな辛いことがあっても、ずっと「元気」でいなさいよ。約束を破ったら許さないんだから」
感情がこみ上げて号泣した静夏。

「聖女」の流す涙は、作り物の青空へと消えて……

<静夏ルート完>

613 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/30(土) 16:17:32.28 ID:net3qUNl0 [9/15]
<最終章:はるまで、くるる>
(2322184日目)管理室。
一季はふと思い出し、メールをちゃんと読まずに誤解して、「AA」に酷く当たったことを詫びる。
「AA」は急に振ってきた「昔話」に疑問を感じつつ、あと1300年ぐらいの辛抱と励ます。
気も遠くなるような長い時間。
一季は「その時」が来るまで、「元気」でいようと誓っていた。
もう「誰」と交わしたかのさえ忘却した「古い約束」。
だけど、この「約束」だけは、絶対に守り通してみせる。

(365日前)来るべき「時」が近づいた、新たな「0日目」。
一季と「AA」は遂に「カーネーション」を解除。
これからは地表で皆が生存できるように、この1年に地下世界を利用して環境適応の訓練を企てる。
リビングに赴くと、記憶がリセットされて一季を可愛く出迎える少女たち。
こんにゃん→うんにゃん→にゃんにゃん。
最後の最後に起こす緊張感ゼロのマイペース振りに、一季も感服する。
記憶喪失のはずでも、数千年の時をかけた「絆」が意思疎通という奇跡を起こしていたのだ。
そして一季は彼女たちの前で、テーブルに置かれた「偽りの約束」を破り捨て、これから1年間の自給自足の特訓を宣言し……

615 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/30(土) 16:24:50.52 ID:net3qUNl0 [10/15]
※以降数日は日記のようにモノローグが進みます。
(301日前)学校で静夏がハーレム計画を宣言。皆に向かってキスを迫る。
(298日前)これまでの「3ヶ月」を超越した新たな季節に向けて作物を増やす。「AA」の力を借りて機材を導入。
(225日前)春海と食料調達していると、偶然鹿が転落死。食材として持ち帰ったが、生臭さで大失敗。
(178日前)秋桜と釣りをしていると、彼女から「世界が滅ぶ悪夢」に苦しんでいるという相談を受ける。「最後の人類」というプレッシャーに気疲れしていると察した一季は、そのまま秋桜とセックス。
(162日前)田んぼを作って農作業。冬音が転倒し、泥だらけになって皆が大爆笑。
(148日前)「夏」が訪れて猛暑の中で農作業。仕事を終えた皆は互いの汗を舐め合う。
(120日前)秋桜の提案で今日はBBQ。その中で突然涙を流す静夏に、一季は世界のために泣いていたと悟る。
(110日前)「AA」と冬音が喧嘩をしたらしい。しかも、男性の体毛の有無とか下らない理由で。
(100日前)とうとう春海が自分の「殺人欲」を自覚し、一季に相談してきた。「AA」の助言で、(秋桜ルート同様)性的な攻撃で代用できるということで、皆が順番で春海の欲求解消に努めることに。
(95日前)初めての米が収穫できた。お祝いに秋桜が感謝の念を込めた人形を作ると、謎の儀式に発展。
(70日前)初めて自家製の味噌を作って試食。あまりの美味しさに静夏が失神。

(65日前)一万年以上続く「カーネーション」。一季は、段々と不安になっていた。
現在、擬似的に四季を再現して環境適応の訓練をしているが、本当の「世界」の中で、自分たちは生き延びることができるのだろうか。
そんな一季の不安に勘付いた皆は、彼を中心に乱交。
しかしその夜、一季の深層心理にかえって不安が増したのか、彼は秋桜が見ていたような悪夢を体験する。
何もなく、「白」に包まれた果て無き大地。
その世界で、ただ独り立ち尽くす自分。
足元には、無残な死に顔を浮かべた静夏たちが転がっていて……

616 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/30(土) 16:32:30.62 ID:net3qUNl0 [11/15]
(1日前)いよいよ最終日。
だけど肝心なこの時に、一季は管理室に居座っていた。
「AA」にそのことを懸念されるが、別に気にすることじゃないと返す一季。
むしろ、気疲れや依存を無くすために「AA」との交信をこの部屋の端末限りと前々から定めていたので、彼女(?)との残された時間も恋しくなっていたのだ。
すると、「AA」は今まで頑張ったご褒美に、自分にもHをして欲しいとねだってきた。
でも、生身の人間と情報次元の存在がセックスなどできるわけがない。
そこで「AA」は、地球の軌道計算そっちのけで、1200年掛けて編み出した策があると……
(Hシーン……なのか?)
(機械の分際で)催眠術を駆使して一季の自慰行為を弄んだ「AA」。
長時間の快楽責めで瀕死の一季はこれからサバイバルする身に負担を与えるなと反発するが、「AA」ももう不死ではなくなった彼に、これからは無理をするなと忠告する。
一季は世界を滅亡させた罪滅ぼしをかねて、「カーネーション」を終えたら外の世界で寿命を全うする気でいた。
いつか彼がこの世を去ることを寂しく想う「AA」。
死んだ後に自分と同じ情報媒体の存在に昇華しないかとか、「カーネーション」の記憶のバックアップで一季のコピー人格を作りたいとか、色々自分勝手な我が侭を言ってきた。

617 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/30(土) 16:38:45.89 ID:net3qUNl0 [12/15]
そして、先ほどの「想像オナニーの刑」で時を忘れ、気が付けば5時間以上も経過。
そろそろ静夏たちのもとに戻ろうとしたら、「AA」は静夏への「勘を鍛えるべし」という助言を一季に託す。
曰く、彼女は特殊体質で脳の4次元配列が「AA」と直接コネクトできるというのだ。
その証拠に、彼女だけ2000年代の知識の記憶操作が上手くいかなかったこと、以前魔法少女として端末を操作したこと(本人は「AA」の仕業と言っていたが、実は自身も無自覚でパソコンを操作していた)を例に説明する。
「AA」の仮説によれば、彼女のように4次元配列がデバイス無しで自分と繋がる存在が「預言者」などと同一視されるらしい。
彼女の存在は、これからの世界に重宝するかもしれない。
そう「AA」からアドバイスを受けた一季は了承して部屋を去り、「AA」は彼に向けて数千年の「話し相手」になってくれたことに礼をして別れる。
夜。「いつか」の記憶を再現するかのように、リビングで一緒に布団に入る6人。
寝る前のトークで冬音を集中攻撃で弄る皆だが、静夏が突然立ち上がった。
どうしたのか気になった一季たちに、静夏は明日「ピクニック」をしようと提案。
それも、「いつか」したはずなのに、潰えた気がする「約束」である。
明日の楽しさが増えて気持ちが昂ぶった皆。一季も、最後の夜の記念に順番にキスをしていく。
ところが、最後の静夏のキスの上手さに一季が勃起し、それに気付いた皆が彼を抜群のチームワークで取り押さえる。
そして一季のアナル責めが見たいという秋桜の煩悩を叶えるため、あわやその貞操が奪われて……

619 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/30(土) 16:47:19.74 ID:net3qUNl0 [13/15]
(新学期)早朝に、皆で「ピクニック」の下準備をして出発。
「最後の日」に見上げた「偽りの空」は、相変わらず平常運転の「青空」だった。
だけどそれが却って、これから進む「未知の世界」に対する一季の不安を募らせていた。
学校から地下通路、さらに今まで閉鎖されていたエレベータに乗って、遂に地上階層へ。
ところが、地上に出るための最後のゲートにロックが掛かっていた。一季たちはそんな存在も解除コードも聞いていない。
だけど、静夏が番号をさらっと答える。やはり彼女は「AA」の言う通り、特殊な存在だったのだ。
そして静夏はその番号を一季が実行するようにと促す。彼は自分たちのリーダーとしてその資格がある。
皆も満場一致で賛成するが、一季本人はやはり「新世界」への不安と恐怖で躊躇いが生まれていた。
だけど、たとえどんな過酷な世界が待ち構えていても、一季や皆と一緒ならどんな苦難も乗り越えられると鼓舞する静夏たちに支えられてコードを入力。

86451(ハルヨコイ)

ゲートを抜けると、白く眩い光に包まれた景色が広がった。
そこにあったのは約一万年ぶりの本物の青空、緑の生い茂った草原、そして美しい花びらを散らす壮大な桜の木々。
再生した世界の「春」の景色に皆は圧巻し、暫く言葉を失ってしまう。
世界に招かれるように、目につけた一本の桜の木に向かう皆。
その時、最後尾の一季が静夏たちを呼んだ。
声を掛けられた静夏、春海、秋桜、冬音、真冬。一季の方を振り返ると、なんと「表情がなかった」はずの彼が満面の笑みで微笑んでいた。
この日のために、自分の汚点を克服しようと必死に陰で練習していた一季。
ところが、そんな下心に呆れた皆から批難を浴びてしまう。
でも、笑顔だけじゃなく、喜怒哀楽、沢山の「顔」を一季にさせてあげると提唱する静夏たち。
そして静夏が、今の「笑顔」の状態で、自分たちに伝えたいことを口に出して欲しいと言ってきて……

620 名前:はるまで、くるる[sage] 投稿日:2013/03/30(土) 16:58:28.22 ID:net3qUNl0 [14/15]
<はるまで、くるるエピローグ>
「本当の大空」を見上げて考える一季。
皆に伝えたい言葉は山ほどある。それは「感謝」という枠だけでは収まらない。
皆といて楽しいこともあれば、嫌な時もあった。
皆の存在が管理者としての枷になることもあれば、苦難や挫折から救ってくれたこともあった。
皆がいたおかげで自分は「皆」になれた。
一季はその気持ちを言葉で伝え、これからも「皆」になれるように、皆と一緒に過ごしたいと語る。
笑顔で頷き、桜並木に向かって歩みだす静夏たち。
少し遅れて後を追う一季は、ぽつりと呟いた。
それは誰に向けてかけた言葉なのかは分からない。
自分を支えてくれた彼女たちなのか、助けてくれた「AA」なのか、それとも身代わりに滅んでしまった旧人類なのか、はたまた生命を育んでくれたこの地球なのか。
けれど、彼はたしかにこう言った。

「ありがとう」

<はるまで、くるる完>

このページへのコメント

いくらなんでも長すぎる
どうでもいいとこ削ればもっと短くまとめられたはず

1
Posted by A 2013年10月09日(水) 01:03:34 返信

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