308 名前:airy[F]airy ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2010/06/30(水) 22:47:50 ID:JsnIRRnG0
airy[F]airy 〜Easter of Sant' Ariccia〜
2010年1月29日発売。製作RococoWorks
公式 http://rococoworks.com/airyfairy/top.html

■プロローグ
人と妖精が共に住む世界。車も電話もまだ珍しい時代。穏やかな時の流れる田舎の村。そこで始まる、小さな物語。
閏日生まれのエルモは忌み子として疎まれ、両親と共に乗った電車で置き去りにされる。辿り着いたのはアルバーノという街。
路銀も尽き、近くのネミという村を彷徨い歩いていたエルモだったが、遂に力尽き村外れの湖畔で倒れる。
幸運にも街の領主の娘に助けられた後、近隣の村に住むアルマンドと言う男に引き取られる。
それから10年の歳月が流れ、友人にも恵まれた生活を送っていたある日の朝。養父アルマンドが忽然と姿を消す。

……アルマンドの跡を継いで3ヶ月が経つ頃。
エルモは湖畔に倒れる一人の少女を見つける。またその翌日には、街で男に絡まれる少女を助ける。
昔からの友人、新たにやって来た友人、そして疎遠になりつつある友人。
3週間後に控えた復活祭の準備の中、エルモは村の人々との交流を通じて自らの進む道を模索しようとしていた。

309 名前:airy[F]airy ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2010/06/30(水) 22:50:32 ID:JsnIRRnG0
■登場人物
○主人公
エルモ・コスタ
 10年前に村の湖のほとりで倒れていた所を保護され、以降アルマンドに養子として育てられる。
 後にアルマンドの後釜として『火曜の墓守』の仕事を継ぐ事になる。

○ヒロイン
ヘレン・フォルト
 かつてのエルモ同様に湖畔に倒れていた所をエルモに助けられる。その後は親戚のガスパーレの家に住むことに。
 ネミの村にはアリシアの森の復活祭を見に来たという。母は既に他界している。
コレット・マレ
 ネミの村に住む幼馴染。療病のため車椅子を使っているが、体調の良い時には他人を乗せて押すことも。活発だが頑固な性格。
 手のひらサイズの妖精・ハラペーニョとタベルノと共に暮らしている。
モニカ・ラング
 手乗り猿のチェリー&驢馬のハムと共に各地を転々とする大道芸人。旅をしながら人捜しをしているらしい。
 アルバーノの街を訪れた初日、ひょんなことからエルモと知り合う。
サラ・デュラン
 アルバーノの街に住む、街の領主の一人娘。その昔に湖畔でエルモを助けて以来、コレットを含めた3人は十年来の幼馴染。
 しかし今は母の教えによりエルモと二人きりで会うことを避けている。先代領主の父はエルモと会うより以前に他界している。

○サブキャラ
ブランディーヌ・マレ コレットの姉。村で雑貨屋を営む。アルマンドとは親しい仲らしく「アル」と呼ぶ。
ヴァネッサ・デュラン サラの母でこの地を治める領主。エルモに対し露骨に冷たい態度をとり、サラから遠ざけようとする。
ガスパーレ・フォルト ヘレンの父方の親戚。元船医で料理好きな村長。
オットリーノ・ロッタ 金曜の妖精界出身の『金曜の騎士』。ネミの村にある学校代わりの教会で子供たちに勉強を教えている。
アルマンド・コスタ  エルモの育ての親。村の教会を管理していたが、『殉教者』というメモを残し3ヶ月前から行方不明。

315 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 23:03:20 ID:aFcwUUk50
つ【 キャラ参照用 】
http://www.getchu.com/soft.phtml?id=644345

311 名前:airy[F]airy ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2010/06/30(水) 22:55:02 ID:JsnIRRnG0
■語句解説と世界観 (1/2)
○人間界と妖精界
作中世界では人間界と妖精界が『門』によって繋がっているとされる。門は世界中に数箇所あり、それぞれ各曜日の門となっている。
エルモは『火曜の墓守』(後述)として、「火曜の門」を守る門番という責を負っている。

○土曜のない人間界
エルモ達の住む世界では、土曜日は『暦に有って生活に無い』曜日となっている。
具体例として、作中時間で5/27(金)の翌日は5/29(日)と描写されている。
「土曜日は大昔に奪い去られた」とされ、人々はそれを当たり前のこととして生活を送っている。

○アリシアの森の復活祭
エルモたちが住むネミの村。その村にある教会の傍に広がる、アリシアの森。
人知れず妖精が住むといわれるその森にある、一本の大きな神木。
毎年夏至になると、この神木は神聖な光を放つ。
『墓守』の手記によれば、この世に漂う存在も希薄な精霊たちが年に一度集い、人々を祝福するためにその体を輝かせるのだという。
人々はそれを、妖精が年一回この地に復活し集う現象だと考え、妖精を祝って復活祭を行うようになる。
その神秘的な様子から、復活祭の日に神木の下で愛を誓い合った二人は末永く結ばれるとされている。
アルマンドから教会の管理を引き継いだエルモは、復活祭準備の責任者の任も引き継ぐ。
また、その任とは別に復活祭には「司祭」を務める者が必要である。
司祭は復活祭の言い伝えを体現するものとして、祭りに来た人々の前で異性のパートナーと共に神木へ二人の愛を誓う役目を担う。
前任者のアルマンドはここ数年、一度は司祭役を引き受けつつ直前で代理を立てる事を繰り返していたらしい。
エルモは成り行き上、この司祭の役目も引き受けることになる。

312 名前:airy[F]airy ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2010/06/30(水) 22:57:51 ID:JsnIRRnG0
■語句解説と世界観 (2/2)
○火曜の墓守
かつてはアルマンドが、今はエルモが務める職。
表向きには村にある教会とその裏手の墓地などを管理する者として「墓守」と呼ばれる。
しかし実際は『この世界の火曜を守る為に戦う』ことがその職の本分である。
エルモは火曜の夜から水曜の朝にかけて、この地に伝わる「エレミータ」というカードゲームにより姿の見えない相手と競う。
その勝敗により人間界と妖精界を繋ぐ『門』の開閉率が調節される。
開かれた度合いに応じて、それに見合う数・大きさの妖精が門をくぐることが出来る。
そしてエルモが大敗するとこの門が開ききり、かつての土曜と同じくこの世界から「火曜が奪われる」ことになるという。
一方で、門を完全に閉ざすことは妖精の行き来を妨げ、それは復活祭の光を閉ざすことにもなるため望ましくなく、
更には門を一度閉じたとしてもこの戦いはなくならないとされる。
尚、物語開始時点でエルモがこの職責に関する情報を共有しているのは、妖精のオットリーノと村長のガスパーレのみ。
とりわけオットリーノは、世界各地の『曜日の戦い』をいくつか知っており、エルモも頼りにしている。

○火曜の戦い(ゲーム自体のルールは割愛)
ネミの村に古くからあるカードゲーム「エレミータ」。エルモはこれにより火曜の戦いを行う。
火曜の戦いでは4人が卓を囲み2対2の団体戦を行う。
エルモは正面に座る者とパートナーとなるが、このパートナーだけは不変で、対戦相手の2人は毎週代わるようである。
ただしパートナーを含め自分以外の3人は人型の輪郭しか見えず声も聞こえない。
そのためエルモはパートナーの正体を知らず、対戦相手についても妖精界の住民であろうという程度しか把握できていない。
各々の輪郭線はプレーヤーの意志に応じて変化し、それによりゲーム中の意思疎通を図る。
ゲーム終了後、勝者には一つだけ質問が許される。
アルマンドの跡を継いで無敗のエルモは、毎回アルマンドの安否を尋ね、その都度「存命」という回答を得ている。

313 名前:airy[F]airy ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2010/06/30(水) 22:59:36 ID:JsnIRRnG0
■個別ルート
○コレット√ (1/1)
小さな頃はエルモや他の友人たちの先頭に立ち、皆を引っ張るリーダータイプだったコレット。
しかし数年前に大きな病を患い、それが治った今でも落ちた体力の回復はまだまだ途上だった。
エルモやサラは、かといってコレットを特別扱いすることも無く、共に日々を重ねてきた。
そんな折、エルモが今年の復活祭の司祭を務めると決まってから、コレットの振る舞いに変化が現れる。
体力的に無理を重ねつつも自分のことは自分で片付けようとするコレットと、それを気遣うエルモ。
しかしコレットは復活祭の準備に明け暮れるエルモに、無理をしているのはエルモの方だと言ってその介助を断る。
コレットは頼りがいのない自分のためにエルモの時間を割かれてしまうことに罪悪感を感じ、自立しようとしていた。
それを感じ取ったエルモはサラに相談し「それなら逆にエルモがコレットを頼るのはどうか」と提案を受ける。

ヒントを得たエルモはコレットに復活祭準備の手伝いを頼む。陣頭指揮を担うコレットは、幼い頃同様に溌剌としていた。
同じ時を過ごす中で幼馴染の二人はより心を通わせる。
そして復活祭の二日前。司祭も務めるエルモは、コレットにそのパートナー役を願う。コレットも快諾し、当日を待つ。

復活祭当日。朝から忙しくも充実した時間を過ごすエルモ。やがて日も傾き、司祭としての仕事の時間が近づく。
だがコレットは体調を崩したハラペーニョのために一旦帰宅していた。急遽代理の司祭を立て儀式は始まる。
行き違いになりながらも何とか儀式が終わる前に互いを姿を捜しだした二人は、神木の前で見つめあう。
親しき者たちに囲まれながら、熱く唇を重ねた二人は深く愛を誓い合うのだった。

314 名前:airy[F]airy ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2010/06/30(水) 23:02:50 ID:JsnIRRnG0
○モニカ√ (1/2)
街を歩いていると、黒服の男にからまれる少女を見つける。咄嗟の嘘で何とか救い出すエルモ。
モニカと名乗るその少女は、旅芸人としてこの街にやってきたという。
翌日、そのモニカが教会の傍にあるエルモの小屋を訪ねてくる。
エルモが予期せぬ再会に驚く一方、モニカも驚いている様子。訊くとモニカは、アルマンドに会う為にここを訪れたのだという。
出会ったばかりの人物から突然その名前を聞き動揺するエルモだが、どうしてもその話題には関心を向けてしまう。
会話するうち、モニカとアルマンドは墓守の仕事絡みで接点を持っていたことが分かるが、モニカの口は重い。

その後、黒服の男に警戒しつつ街で芸を見せるモニカだったが、その追跡をかわすためにエルモの家に泊めてほしいと願い出る。
アルマンドの話題が気になるエルモはそれを快諾。同居生活の中、腹を決めたモニカは自身について語り始める。

モニカの正体は、エルモが毎週戦う火曜の妖精界から来た妖精であった。
火曜以外の全ての曜日が奪われた世界で生まれ育ったモニカは、成長するに従って「他の曜日を持つ世界」に興味を抱く。
そしてそんな別の世界へ行ける可能性がある「曜日を賭けた戦い」への参加を志願したモニカは、戦いの場へと赴く。
アルマンドと対峙したモニカは、必要以上の大勝を収め、門が大きく開く。
モニカや他の小さな火曜の妖精界の住民がある程度通過してもなかなか閉まらない門が、しかし誰かが通過することで閉じられる。
モニカとすれ違うようにして門をくぐった人物。それは誰あろう、先代火曜の墓守・アルマンドであった。

318 名前:airy[F]airy ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2010/06/30(水) 23:08:27 ID:JsnIRRnG0
○モニカ√ (2/2)
モニカがこの地へ来たのは、本当にアルマンドが消えたのか確かめるため、そして妖精界へ帰る手段を探すためだった。
だが結果として分かったのは、確かにアルマンドが消えたという事と、帰る方法がここには無いという事だけだった。
復活祭も見物しこの地での目的を果たしたモニカはすぐにも発つというが、寂しさを感じるエルモはもう少し滞在しないかと提案。
世話になったお返しに週末まで残って礼をすることにしたモニカだが、その晩発作を起こし熱にうなされる。
本人曰く、人間界に来てから時折原因不明の高熱に襲われるらしい。一先ず解熱剤を与え、調子が戻るまで泊めることに。

徐々に回復するモニカと看病を続けるエルモ。その中でエルモはモニカへの想いを口にする。
早く快復して欲しいと思う反面、体調が戻り旅立たれるのは寂しい。出来ればずっと共にいたい。モニカが、好きだから。
ドタバタな出会いだったが、同居生活を通じてモニカへの想いを強めていたエルモ。
一方普段は強気なモニカも、初めて助けられた時から同居に至るまでエルモへの想いを募らせていた。夜の帳の中、二人は結ばれる。

翌日、二人は改めてアリシアの森の神木の前に立つ。エルモは準備に、モニカは大道芸に忙しく、殆ど一緒に居られなかった復活祭。
その時を取り戻すように、エルモは今一度、この場所で自分の想いを伝える。
好きだから、例えまたモニカが旅に出てもこの地で待ち続ける。
嬉しさと、恥ずかしさと。モニカはこの地でエルモと共に歩み続ける道を選ぶのだった。

320 名前:airy[F]airy ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2010/06/30(水) 23:14:14 ID:JsnIRRnG0
○ヘレン√ (1/3)
ネミの村での生活にも馴染むヘレンだったが、復活祭を1週間後に控えた頃、不思議なことが起こる。
エルモが墓守の戦いを終えたある水曜日の朝、何故かヘレンがエルモの家のベッドで寝ているのが見つかる。
起きだすヘレンだが、何故エルモの部屋に居るのか自分でも分からない様子。とりあえず朝のうちにガスパーレの家に送り届ける。
しかしその現象は3日連続で続く。ヘレンはエルモの夢を見ていた以外には心当たりが無いらしい。
さすがに困惑するエルモはガスパーレに相談。するとガスパーレは気になることを話す。
エルモが村で最初にヘレンを見つけた時ヘレンは全裸で湖畔に横たわっていたのだが、後日それについて尋ねたガスパーレに対し、
「アリシアの森の復活祭を見たいと思いながら寝た。そして気付くとこの村に居た」とヘレンは答えたという。
ここ数日のことといい、へレンが気になる二人。ガスパーレは一先ずヘレンの父に連絡を取ることを試みる。

復活祭直前の週末、ガスパーレと会場のチェックを行うエルモ。その最中、ヘレンは祭の後この村を離れるらしいと聞かされる。
確かにヘレンは復活祭を見るために村に来たと言っていたが、これまで共に過ごした日々を思い出しエルモは寂しさに駆られる。
そして復活祭の前日。火曜日であるこの日、エルモはいつものように門番として戦い、勝利を収める。
そして勝者に与えられる質問の権利。エルモはふとした思い付きから「パートナーは身近な者か」と訊ねる。
すると返答より先に、パートナー本人が激しい動揺を見せる。そして答えは『ごく身近に』というものだった。
思案しながら夜明けを待つエルモ。すると、火曜の戦いの際にいつも卓上に置かれているランタンが光り始める。
戦いの開始を告げる合図に似たその光の先には、なんと手のひらサイズの妖精らしき姿になったヘレンの姿が。
ミニヘレンはエルモが自分を視認出来ていることに慌てつつ光の中に消える。

322 名前:airy[F]airy ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2010/06/30(水) 23:18:55 ID:JsnIRRnG0
○ヘレン√ (2/3)
翌日、復活祭の日。ヘレンの元を訪ねたエルモに、ヘレンは全てを告白する。
ヘレンは、エルモを火曜の戦いに導くランタンに宿った「ランタンの精」であり、しかも火曜の戦いのパートナーであった。
二人がパートナーとなったのはエルモがアルマンドの跡を継いでからだったが、ネミの村に来てエルモを知って以降、
ヘレンにはパートナーがエルモであると認識できていた。そこからヘレンはエルモに興味を抱くようになる。
そしてエルモの事をもっと知りたいと願ったある日、ヘレンはエルモの家のベッドに移動していたのだという。
驚くエルモに、ヘレンは別れの時が近づいていると告げ、理由を語る。
ヘレンは、父が人間で母が妖精という存在だった。そして近々、完全な人間になるか妖精になるか選ばねばならない。
人間を選べば、ランタンの精ではなくなり、エルモとネミの村で過ごす理由もなくなるため父の元へ帰る事になる。
妖精を選べば、ランタンの精としてこの地に留まるが、その時には完全な妖精として今の自分とは異なる自分になるという。

答えを決めかねているヘレン。復活祭も神木に精霊の光が宿る頃、エルモはヘレンを呼び出す。
エルモの願いは、人としてこの地に残ってほしいというものだった。
ランタンの精として厳しい任を背負うのではなく、普通の女の子として共に時を重ねたいと、エルモは感じていた。
エルモはようやく、ヘレンにはっきりと好きだと告げる。ヘレンもまた、エルモが好きだと答える。
アリシアの森の神木が、二人を祝福するように光を放っていた。心を通わせた二人は、その夜身体を重ねる。

324 名前:airy[F]airy ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2010/06/30(水) 23:24:01 ID:JsnIRRnG0
○ヘレン√ (3/3)
ヘレンと結ばれ心が満たされる思いのエルモだったが、翌日ヘレンは突然父の元へ向かう。
ガスパーレ曰く、今後の事を話し合うために一旦帰宅したとの事。悶々としながら帰りを待つエルモ。
数日の後に帰ってきたヘレンは、復活祭の日に話した選択の答えを出していた。
ヘレンの選んだ答えは、妖精としてエルモの元に残る、だった。エルモは驚き理由を尋ねる。
ヘレン父曰く、妖精の力が強いアリシアの森の近くでは、人間となる事を選んでも後々に妖精に変化してしまう可能性があるという。
もし自分が人間となる事を選んだ後に再び妖精になってしまえば、きっとエルモは後悔するだろう。
そう考えたヘレンは、エルモと共に過ごすために敢えて妖精の道を選んだ。
考え直してもらおうとするエルモだが、ヘレンは既に選択を終え、完全な妖精に変わりつつあるという。
事ここに至り、ヘレンの覚悟を受け止めるエルモ。
妖精にとって大きな意味を持つとされるアリシアの森の神木の前で、二人は改めて互いの想いを確認しあう。

数日後。二人は、ヘレンの故郷に向かう電車の中に居た。ヘレンの父と今後の事を話し合い、その後は三人で戻ってくる予定だ。
元気一杯のヘレン。二人の歩みは、これから始まる。

326 名前:airy[F]airy ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2010/06/30(水) 23:29:34 ID:JsnIRRnG0
○サラ√ (1/2)(上記の全√攻略後に開放)
幼い頃サラに助けられたエルモ。しかし今ではサラの母ヴァネッサの命により、二人きりで会うことは少ない。
ヴァネッサがエルモを娘のサラから遠ざけていることは村人なら誰でも知るほどになっていた。

復活祭の準備を進める中、エルモは責任者として街の領主であるヴァネッサの屋敷に向かう。
さすがに公務ならば邪険にされることもなく、村長の名代としてついてきたヘレン共々広間に招かれる。
エルモが報告を終えると、ヴァネッサから幾つか質問が出る。その内容が司祭のパートナーに及んだ時、トラブルが起こる。
ヴァネッサにパートナーの有無を訊ねられエルモが答えに窮していると、ヘレンがパートナーにはサラが適任だと爆弾発言。
途端に激昂するヴァネッサ。サラには既に相応しい相手が居るとまで告げ、エルモたちを屋敷から追い払う。
村へと帰る二人。先程のヴァネッサの言葉を思い出しつつ、エルモはサラとの関係を見直そうとしていた。

それまでの消極的な態度を変え、サラと進んで接しようとするエルモ。コレットやヘレンの協力もあり二人で会話する機会を重ねる。
サラの「相手」について。前々から見合い話はあったが、この頃特にヴァネッサが熱心になっているという。
しかし今回の相手は先日見合いに行った際にサラがそれを断ったという。
見合いが破談に終わった事に安堵しつつ、自分の想いに素直になろうと心を決めたエルモは行動を起こす。

夜。エルモはサラの屋敷を訪れる。サラの付き人に助けられながらこっそりとサラの部屋が見える中庭まで進む。
サラに好きだと告げるエルモ。サラもまたエルモを助けた昔から同じ想いであったことは言葉の端々からエルモにも伝わる。
しかし母のことがあり、その想いに応える言葉を素直に口にすることが出来ないサラ。
今は自分の想いが伝わるだけでいいと続けるエルモは、屋敷を後にする。

翌日、復活祭を明日に控えた日。その朝早く、エルモはヴァネッサから呼び出しを告げる手紙を受け取る。
最も想像しない人物からの手紙に驚きつつ、指定された場所に向かうエルモ。
そこは、かつてエルモがサラに助けられた湖畔だった。昼下がりの時間。エルモに軽食を勧めながら、ヴァネッサは話し始める。

328 名前:airy[F]airy ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2010/06/30(水) 23:35:13 ID:JsnIRRnG0
○サラ√ (2/2)
20年前、デュラン家の跡取り娘として育ったヴァネッサは一人の男と恋に落ちる。
しかし男は村の外から流れ着いた者。街の名家であるデュラン家の人間は大反対。
想いの折れないヴァネッサは男に駆け落ちを提案するが、男はこの地を離れるわけにはいかないという。
男がこの地に留まる理由、それは、男がアルマンドより二代前の『火曜の墓守』であるということだった。
この地を離れることも出来ず、更にはいつ曜日の戦いで消えるとも知れぬ身の男の立場。
一時こそ悲嘆にくれるものの、男を諦められないヴァネッサは両親を懸命に説得し続け、遂に男と結ばれることが許された。

程なくしてサラを授かり、幸せな日々が続くと信じて疑わないある水曜の朝、しかし男は突然姿を消す。
懸念は現実となった。悲しむ暇も与えられぬまま、ヴァネッサは新たに領主となる。
数年後、サラは村に流れ着いたエルモを助ける。
ヴァネッサは屋敷に留めることも考えるが、ヴァネッサの両親は猛反対。
領主になったばかりで飾り物に近かったヴァネッサにとって、両親の言葉はあまりに重かった。
結局村長のガスパーレの元へ送り、自らが冷たく接することでサラとの関係も疎遠にしようとした。

更に時は流れ、ヴァネッサの両親は他界。名実共に領主となったヴァネッサであったが、エルモとの関係は変わらなかった。
今までの態度を改めるにはエルモに全てを話す必要があるが、それは領主の沽券に関わる内容。
加えてその頃、エルモはアルマンドに引き取られていた。
自身の経験から、墓守を継ぐ可能性のあるエルモに万が一にもサラが恋してはならないと焦るヴァネッサ。
自分の娘が悲しむ可能性を減らすために、本意でなくてもエルモを拒み続ける道を選んだ。
しかし今、自分にも分かるほどサラとエルモが互いに惹かれあっている。
そんな今だからこそ、これまでのことを清算する為にもエルモと話をする覚悟が出来た。

馬鹿げた話と感じるかもしれないがそれが真相なのだという言葉を最後に加え、ヴァネッサは全ての告白と謝罪を終える。
エルモはその思いを受け入れ、サラとヴァネッサと共にあることを願う。
サラにも自ら全てを話したヴァネッサ。これまでの時間を取り戻すように、これからは皆で歩み行く。

330 名前:airy[F]airy ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2010/06/30(水) 23:42:01 ID:JsnIRRnG0
■補足 (1/2)
この作品、少々未解決の複線やら設定やらが散見されます。
故に上記のストーリー文だけでは消化不良な点もあるので、ストーリーを補足しつつ疑問点などを列挙します。

○コレット√ (上記ストーリー後日談)
二人が結ばれて数日後、ハラペーニョとタベルノが突然姿を消す。
2匹は昔、アリシアの森で行方不明になったブランディーヌが保護された時、そばに居たのをきっかけに姉妹の家に住み着いていた。
心配なコレットとエルモはアリシアの森などを捜索するが、見つからないまま日が過ぎていく。
しかし数日後、エルモがコレットの家を訪ねた際、2匹が使っていた小さな家が光りだす。
中から出てきたのは、懐かしの2匹と、それに似た妖精の音楽隊だった。
総勢7匹になった妖精たち。エルモとコレットはこれからもこの妖精たちと楽しく過ごしていくのでした。

→何故2匹が消えたか、何故戻ってきたか、一切言及なし
→7匹という数字には日常パートから特別な意味があることが匂わされている。曜日の数など想像の余地はあるが、詳細に言及なし
→2匹はコレットをヒメ、姉のブランディーヌを森の女王様と呼ぶ、が、理由は不明


○モニカ√ (モニカvsアルマンド詳細)
モニカがこちらの世界に来る事になったアルマンドとの一戦。実はアルマンドは自ら自分1人と妖精2人での対戦を申し出ていた。
敢えて不利になる戦いを持ちかけた意図について、エルモとモニカは「アルマンドがわざと負けようとしたのでは」と推測。
エルモは昔アルマンドから聞かされた話を思い出す。
『巡礼者として各曜日の妖精界を廻り、全て廻ると「七曜の王」に挑む権利を得る』
『世界を自由に出来る特権を持ったその王が「曜日を奪う戦いを始めた」という』

→アルマンドが火曜を失うリスクを犯してまで本当に七曜の王に挑みに行ったのか、作中では断言されず
→モニカの居た妖精界に旅立って以降、アルマンドに関する情報は一切無し
→また、アルマンドはブランディーヌとかなり親密であったことを匂わせる描写があるが、詳細は言及を避けている

332 名前:airy[F]airy ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2010/06/30(水) 23:49:19 ID:JsnIRRnG0
■補足 (2/2)
○ヘレン√ (ヘレンが父の元へ一旦帰宅した際の小話)
ヘレンの両親に関する昔話。
両親が出会ったのは、アリシアの森であった。ヘレンの母は妖精界から迷い込んだ所をヘレンの父に助けられた。
二人で帰る方法を探すうち、帰るための「門」がアリシアの森にあると知る。
母は一度はその門を通るものの、ヘレン父のことが忘れられずまたこちらの世界に戻ってきた。
しかしそれ以来、母は度々高熱を伴う発作を起こすようになる。
ヘレン父の調べで、アリシアの森は妖精の力が強く働き酷い発作を起こしやすいことが分かった二人は、この地を離れる。

→妖精であることを選択したヘレンが村に残ると母同様発作に襲われるのではないかと思われるが、言及なし
→同様に妖精として村に留まるモニカ√でのモニカも、発作に悩まされ続けると思われるが、言及なし


○サラ√ (上記ストーリー後日談)
二人が結ばれた後、サラの屋敷の離れ屋に『水曜の門』が新たに開こうとしていることが分かる。
加えて、その初代門番にサラが選ばれる。
エルモにエレミータでの戦いを特訓してもらったサラは初めての戦いに勝利を収める。
初代門番の最初の一戦は「門」がこの地に根付くかどうかを決める一戦で、勝利したサラは一度限りで門番の任から解放された。

→これは全ルートにいえることだが、エルモはどのエンディングでも火曜の門番の任を背負い続けたままである。
 ヴァネッサの懸念と同じものはどのルートでも残っており、これを根本的に解決する方法は全く示されていない。


また全編に渡り、アルマンド過去&現在編・ブランディーヌ過去編・オットリーノ過去編などの描写がゼロなので、
これらのキャラについては正直謎な部分がかなりあります。
「ユーザーに判断を委ねている」という考えで片付けられるか「明らかに設定描写不足」と感じるかはプレーヤー次第ですが、
上記のような作中描写になっているということを記して補足とします。

333 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 23:49:51 ID:11kj4Y4j0
>>322
>完全な妖精として今の自分とは異なる自分になるという。
胸が大きくなるとか?

334 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 23:56:24 ID:11kj4Y4j0
>>332
 ・・・・・おまけ3Pも、しっぽりねちっこい描写で頼む。

335 名前:airy[F]airy ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2010/07/01(木) 00:22:07 ID:4qZSidJT0
>>333
上記の文では省いたけどヘレンは作中で以下の3通りの姿がある。
ノーマルヘレン(公式HP)、ミニヘレン(手のひらサイズ)、大人ヘレン(スタイルはブランディーヌくらい)
ミニヘレンはランタンの精として一瞬だけ見せた姿で、大人ヘレンは火曜の戦いに臨んでいる間の姿らしい。
エルモはミニヘレンも大人ヘレンも一度ずつだけ見たことがある。
妖精か人間かの選択後にどんな姿になるかについては、
「ミニヘレンか大人ヘレンのどちらかだろうけど、どっちになるか分からない」で片付けられている。
その後は上記のように父の元へ向かう『俺たちの未来はこれからだ!END』なので、結局どうなったかは不明。

>>334
○コレット&ブランディーヌと…(コレット√クリア後おまけ)
ベッドで寝ていると、朦朧とした意識の中でコレットの声が聞こえる。
目が覚めるとそこには半裸のコレット&ブランディーヌ姉妹が。しかもそこは姉妹の家。
突然の状況に戸惑うエルモ。しかし二人はまるで恋人のように積極的にエルモを誘惑してくる。
エルモはこれは夢だと考えることで思考逃避し、二人から与えられる快楽に身を委ねることに。
騎乗位コレット&顔面騎乗位ブランディーヌを絶頂に導いたところで満足した3人は同じベッドで仲良く休む。

○大人ヘレン&サラと…(ヘレン√クリア後おまけ)
自室のベッドで寝ていると、サラに起こされる。サラが居る事に驚きつつ、屋敷に送り届けようとするエルモ。
しかしサラが目眩を起こし倒れこむ。それを助けようとすると、エルモまでもが眠るように倒れる。
目を開けると、そこには下着姿の大人ヘレン&サラ。エルモはきっと夢だと考えつつ状況を受け入れる。
大人ヘレンとエルモが二人がかりでサラを愛撫。
そしてサラと結ばれようかという時、大人ヘレンがそれを拒む。なんだかんだでエルモを独占したいらしい大人ヘレン。
普段とは違う豊満な肉付きのヘレンと結ばれるエルモは身も心も満たされた後、再び夢の世界へ落ちる。

……今度こそ本当に目覚めたエルモ。目の前にはヘレン(ノーマル)の姿が。
この2つの3Pは、ヘレンが妖精の力を使ってエルモに見せた夢なのでした。
エルモの心の奥にある願望を見せたらしいが、果たして……?

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