五分でとれる神経所見
5分でとれる神経所見
ただし歩けて意識障害のない患者さんです 患者さんがドアを開けて入ってきたところから診ます そうしないと5分を越えてしまいますよ
A.
つぎ足歩行で明らかにふらつくときは小脳か平衡機能の障害(片道)。 ふらつくと言いながらもだんだん歩いているうちにうまくなってくる場合は多分正常。つま先歩きができれば腓腹筋はOK(片道)。 かかと歩きができれば前脛骨筋はOK(片道)。
2往復してもらったら(でもよくわからないときはしつこく歩いてもらう)止まって、足をそろえて両上肢を挙上させ、上肢のバレーとロンベルグを診てしまいましょう。さらにそのまま指を開いて手掌を下にしてもらい姿勢振戦を、 次ぎに急速変換運動、鼻鼻試験、閉眼鼻鼻試験をしてもらいましょう。鼻鼻試験で怪しいときはちゃんと指鼻試験もしてね。
さらに「ちょっとお顔を診せてください、お顔を触りますよ」とお断りして眼位、瞳孔、眼球運動(上方視の時に前頭筋の左右差も診ましょう)、眼振、顔面の触覚を、「目をぎゅっとつぶってください、お口を固く結んでください、歯を噛みしめてください」「舌を出してください」と言って診れるものは診てしまいましょう(余裕があれば「首を横に向けて私と力比べしましょう」「肩をすぼめてください」「しゃがみ立ちをしてください」も)。
2. 仰向けに寝てもらい膝踵試験、下肢のバレー、ラセーグ、ケルニッヒ、項部硬直、アイボールテンダネス(余裕があれば下肢の筋トーヌスも)
3. 腰掛けてもらい肩の力を抜いてもらい(この時安静時振戦その他の不随意運動もみましょう)反射、四肢の触覚(余裕があれば音叉で聴覚の左右差、対光反射、咽頭の観察と咽頭反射、細かい四肢の筋力をとりながら上肢の筋トーヌス、振動覚、位置覚)
4. ここでとっていない、あるいは不十分な所見についてはアナムネで聞きましょう嗅覚、視力、視野、しびれ、痛覚、温度覚、耳鳴り、めまい、むせる、ろれつがまわらない、力が入らない、尿、便、汗など
B. この患者さんはパーキンソン病かもしれませんからしつこく歩いてもらいましょう。何か姿勢の悪い,どっちかに傾いていたり,肩が片方だけ下がっていたり,首が前に垂れていたり...足がすくんでいたらすくみ足、狭いところで足がでなくなったりするのもすくみ足、足が出ないのにこの線をまたいで下さいなんていうと不思議と歩けちゃうkenesie paradoxisale、手の振りの左右差、バランスの悪さ(さっきもいったように体がどっちかに傾いていてそっちのほうへ行きそう)、レトロパルション(足をしかっり踏ん張ってもらって肩を掴んでうしろへひっぱる...ヒエーーーーという感じでそのまま後ろへ倒れてしまう人はパ病)、固縮(わかりにくいときは検査をする側の反対の手で膝を叩いてもらったりします)、肩の力をできるだけ抜いてもらい安静時振戦があるかどうか(親指と人さし指で丸薬を丸めているような感じ pill-rolling があったらパ病かも知れません)マイヤーソン、便秘、masked face、oily face、起立性低血圧もあったらよりパ病が疑わしいでしょう。
ただし歩けて意識障害のない患者さんです 患者さんがドアを開けて入ってきたところから診ます そうしないと5分を越えてしまいますよ
A.
*1. 「お座りになる前に歩くところを診させてください」
と言って歩行を診ましょう。できるだけ元気よく歩いてもらうのが大切です。「元気よく歩いてください」と明るく大きな声で言いましょう 。入ってきたときにうつむいている人は心の病かも、普通に歩けたら正常(片道)。ここで突進歩行、すくみ足があったら B へ。つぎ足歩行で明らかにふらつくときは小脳か平衡機能の障害(片道)。 ふらつくと言いながらもだんだん歩いているうちにうまくなってくる場合は多分正常。つま先歩きができれば腓腹筋はOK(片道)。 かかと歩きができれば前脛骨筋はOK(片道)。
2往復してもらったら(でもよくわからないときはしつこく歩いてもらう)止まって、足をそろえて両上肢を挙上させ、上肢のバレーとロンベルグを診てしまいましょう。さらにそのまま指を開いて手掌を下にしてもらい姿勢振戦を、 次ぎに急速変換運動、鼻鼻試験、閉眼鼻鼻試験をしてもらいましょう。鼻鼻試験で怪しいときはちゃんと指鼻試験もしてね。
さらに「ちょっとお顔を診せてください、お顔を触りますよ」とお断りして眼位、瞳孔、眼球運動(上方視の時に前頭筋の左右差も診ましょう)、眼振、顔面の触覚を、「目をぎゅっとつぶってください、お口を固く結んでください、歯を噛みしめてください」「舌を出してください」と言って診れるものは診てしまいましょう(余裕があれば「首を横に向けて私と力比べしましょう」「肩をすぼめてください」「しゃがみ立ちをしてください」も)。
2. 仰向けに寝てもらい膝踵試験、下肢のバレー、ラセーグ、ケルニッヒ、項部硬直、アイボールテンダネス(余裕があれば下肢の筋トーヌスも)
3. 腰掛けてもらい肩の力を抜いてもらい(この時安静時振戦その他の不随意運動もみましょう)反射、四肢の触覚(余裕があれば音叉で聴覚の左右差、対光反射、咽頭の観察と咽頭反射、細かい四肢の筋力をとりながら上肢の筋トーヌス、振動覚、位置覚)
4. ここでとっていない、あるいは不十分な所見についてはアナムネで聞きましょう嗅覚、視力、視野、しびれ、痛覚、温度覚、耳鳴り、めまい、むせる、ろれつがまわらない、力が入らない、尿、便、汗など
B. この患者さんはパーキンソン病かもしれませんからしつこく歩いてもらいましょう。何か姿勢の悪い,どっちかに傾いていたり,肩が片方だけ下がっていたり,首が前に垂れていたり...足がすくんでいたらすくみ足、狭いところで足がでなくなったりするのもすくみ足、足が出ないのにこの線をまたいで下さいなんていうと不思議と歩けちゃうkenesie paradoxisale、手の振りの左右差、バランスの悪さ(さっきもいったように体がどっちかに傾いていてそっちのほうへ行きそう)、レトロパルション(足をしかっり踏ん張ってもらって肩を掴んでうしろへひっぱる...ヒエーーーーという感じでそのまま後ろへ倒れてしまう人はパ病)、固縮(わかりにくいときは検査をする側の反対の手で膝を叩いてもらったりします)、肩の力をできるだけ抜いてもらい安静時振戦があるかどうか(親指と人さし指で丸薬を丸めているような感じ pill-rolling があったらパ病かも知れません)マイヤーソン、便秘、masked face、oily face、起立性低血圧もあったらよりパ病が疑わしいでしょう。
ここで一つだけチェック、パ病に良く似てパ病でない病気のなかに進行性核上性麻痺というのがあります 必ずあるわけではないのですが上下方向の眼球運動が特徴とされています。 もしこれがあったら即神経内科へ 紹介状に進行性核上性麻痺疑いと書くとオオッこいつはできると思われるかもしれません... えっここまで読んでところでパ病ってなにってそんな...では パ病は手足が震える,四肢が固くなる,動作がのろくなるといった三大徴候を示す錐体外路系疾患の代表です。 自律神経系の障害を伴うことも多いです。 基本的にCTでは異常を認めません(ただし脳血管障害性パ症候群の場合は多発性脳梗塞を認めることが多いので御注意)。 患者さんは例えば右手足が利かないなんていうので,脳梗塞でしょう,なんて診断されて抗血小板剤を処方されてこれで良くなると信じつつ...緩徐に進行なさることも多く...自治医大総合診療部に来て抗パ剤を処方されて見違えるように?良くなって...という風になれば良いと思うので...麻痺があるんだかないんだかわからないけどゆっくりだったら一応力は入る,何かぎこちないという印象をもったらパ病、少なくと錐体路以外の病気,錐体外路の病気を疑って下さい。 (神経内科の前教授,吉田光男先生がおっしゃってました みんな〜120歳まで生きるようになったら〜4分の1はパ病になるよ〜きっと〜って この高齢化社会において近い将来パ病
2008年03月15日(土) 00:15:17 Modified by eu5yiwdr