FINALFANTASYν(ニュー)まとめwiki - 第115話「幻獣を守れ! 其の零」
FINAL FANTASYν
第115話「幻獣を守れ! その零」


・ナルシェの雪原、前線部1
戦闘配置に着いたマッシュ、セリス、キスティス、シュウ。(どこのパーティーにもガード部隊を配置)

キスティス
「マッシュさん、セリスさん。ガードの方たちも準備できたようです」
マッシュ
「よし! こっちは準備万端だ! いつでもかかってきやがれ!」
セリス
「……敵は、私の予想通り市街地を避けてきた。
指揮を執っているのはやはりレオ。ヴェルヌは、前の戦いの負傷で帰還したようね」
マッシュ
「でも、どうしてそのレオが指揮を執っているってわかったんだ?」
セリス
「……ヴェルヌは、ウォルス戦争の時のようにこの作戦にかなりの比重を置いている。あの時と同じように、将軍が半分は投入されているはず。
こちらに来て判明しているのは、ダークナイト、ケフカ、ガーランド、ヴェルヌ……。重傷のヴェルヌと前の戦いで大失敗だったケフカは、きっと本国へ帰還させられたでしょうね。
そして、残った二人も以前私たちと戦って負けている。だから、その二の舞にならないような起用をするはず。そうすると他の将軍を呼んで、その人間に指揮を執らせるしかないわ」
マッシュ
「その残った将軍の中で、妥当なのがレオって将軍なのか。強いのか? そいつは?」
セリス
「強いわ。ダークナイトや、ガーランドにも引けをとらないでしょうね」
マッシュ
「…………」
セリス
「兵を率いた時に、一番将軍の中で死者が少ないのが彼よ。部下に信頼されて、部下の力を発揮させるのが上手い。無益な殺生を好まない、それでいて強い。あの人は、そういう男よ」
マッシュ
「……帝国にも、そんな奴がいるのか」
セリス
「みんな、ケフカみたいなのばかりなら国が成り立たないわ」
マッシュ
「だろうな。セリスがそこまで言う男か……。一度手合わせ願いたいぜ」
セリス
「…………」
(雪原でも、ガードが味方にいる私たちの方が地の利もある。
あとは……私達がどこまでできるか……ね)


・ナルシェの雪原、前線部2
 セシル、ローザ、ファリスが配置に着いている。

ローザ
「編成の決め方には、セシルも加わったの?」
セシル
「そうだよ。エドガーさんとセリスと一緒に考えたんだ。バランス良く配置したと思うよ。例え将軍と戦うことになっても……十分対応できるメンバーにしたんだ」
ローザ
「ここの場合は……セシルが前衛で私が補助。そして……」
ファリス
「俺が、どっちも出来るような万能タイプってことか」
セシル
「ファリスは剣もできるって聞いたし、何よりクリスタルから授かった力が魔法と同じようなものらしいからね」
ローザ
「ファリスさん、その風水士の力って今もできるの?」
ファリス
「ああ……。自分でもしっくりこないけど、この地形に合った攻撃はできるみたいだな。さっき試したら、ブリザドみたいな攻撃ができたし」
セシル
「ファリスは、魔法を勉強したことがあったのかい?」
ファリス
「いや、無いな。この力も魔法とも違うようだ。よくわからないけど魔力を消費している、って感じは全く無い」
ローザ
「それってかなり便利じゃない。ちょっと卑怯な気もするけど」
セシル
「いや、そうとも言えないな」
ローザ
「え? どうしてよ」
ファリス
「……この力は地形に左右されるから、安定性が全く無い。場合によっては役立たずになるかもしれない」
セシル
「そうだね。今回のように氷の魔法のようになるなら氷の魔法が効かない相手には全くの無力になってしまうし」
ローザ
「う〜ん。やっぱり、上手くできていないのね」
ファリス
「それでも、俺には過ぎた力だと思う。初めてバッツと会ったときは色々驚いたけど、まさか自分があいつと同じような力を使うことになるとは考えもしなかったし。
クリスタルに選ばれた以上、やるしかないんだろうけどな。王女様だって頑張ってんだし、俺も腹くくって戦うことに決めた。
どこまでできるかわからないけど、よろしくな」
セシル
「うん」
ローザ
「こちらこそ。……ファリスさんって初対面の時は怖かったけど、今はそうでもないわよね」
ファリス
「……誰だって、人の家に土足で勝手に上がりこんでこられたら怒るだろ。しかもあのバッツの態度。失礼にも程がある」
ローザ
「そうね。あの時はウィンって人がバッツさんの中に入っていたみたいだし。……あっ」
ファリス
「何だよ」
ローザ
「……フレイって娘は、ファリスさんにジャンクションするのよね。この前もやったっていうし。一度、見てみたいわ」
ファリス
「そ、そんな話今しなくていいだろ!!」
ローザ
「フフフ。でも、そういう時はこっちがピンチってことだし、あまり期待しちゃいけないわね」
ファリス
「そうだ! あんな野郎の力を借りなくても追い払ってやる!」

 怒ってどこかへ行ってしまうファリス。

ローザ
「どこに行くのかしら……」
セシル
「さぁ?」
ローザ
「でも、ファリスさんもやる気まんまんだし、私たちも頑張りましょう!」
セシル
「そうだね」
(……ティナのこともある。この戦い、絶対に負けられない!)


・ナルシェの雪原、前線部3
 配置に着いているクラウド、ティファ、エアリス。

エアリス
「というわけで、大変だと思うけど二人に何かあったら私がケアルをかけてあげるわ!」
クラウド
「…………」
ティファ
「お願いね、エアリス」
エアリス
「任しときなさい!」
クラウド
(帝国の将軍か。どれほどの実力か……)
ティファ
「でも、ナルシェのガードって凄いわね。獣まで使っちゃうなんて」
エアリス
「確かにそうよね。機械と違うから扱いが大変そうだけど」
クラウド
「それなりにメリットはある」
ティファ
「そうなの?」
クラウド
「こういった地形では下手に人間を出すよりは役に立つだろう。魔導アーマーという兵器が相手でも、搭乗者を狙うのは人よりはやりやすいはずだ」
エアリス
「なるほどねぇ。……でもそれって相手も獣使ってきたら魔導アーマーを相手にするくらい大変って事じゃないの?」
クラウド
「そういうことになるな」
ティファ
「でも、敵の主力は魔導アーマーと将軍だし、そんなことはないわよね。……多分」


・ナルシェの雪原、前線部4
 バッツ、ガラフ、ロック、エリアが配置に着く。

バッツ
「雪……か。ボコがいてくれたら動きやすいんだけどな」
ガラフ
「大丈夫じゃ、バッツ。お主の力があれば十分戦えるじゃろう」
エリア
「そうです! 私もバッツさんのお役に立てるようしっかり魔法でサポートしていきます!」
バッツ
「ありがとう、ガラフ、エリア。
ところでロックはどうするんだ? ……ってこの質問、前もした気がするけど」
ロック
「フィガロの時にも聞かれたな」
バッツ
「そうそう。ってことは、今回も……」
ロック
「ああ! 俺はトレジャーハンターとしての力で戦いに参加するつもりだ。間違って、俺の魔導アーマーに攻撃するなよ!」
エリア
「魔導アーマーって、敵のを奪うんですか!? ……やっぱり、ドロボウなんじゃ」
ロック
「違う! 俺はトレジャーハンターだ! ドロボウなんかじゃない!」
ガラフ
「エリア。肩書きというのは本人の意思を尊重するのが大切じゃ。ドロボウでも、本人がああ言っておるんじゃからそれでいいんじゃよ」
エリア
「そうなんですか〜? うーん……」
ロック
「ガラフ、それじゃフォローになってないぞ!」
バッツ
「ま、まぁ、その話はまた今度にしてさ。それよりこの戦い。みんな、頼んだぞ」
ロック
「おう!」
エリア
「はい!」
ガラフ
「任しておけい!」
バッツ
(……どの将軍が来ようとも、ティナのためだ。絶対に俺は負けない!)


・ナルシェの雪原、最後方。
 エドガー、レナ、リディア、スコール達SeeDが最終防衛ラインを形成。

エドガー
「ここが、最後列に展開する部隊になる。雪原は広い。前線の部隊をかいくぐってきた敵を何としてでもここで食い止めるんだ。
おそらく、一度に多くの数は来ないはず。ガードと協力し、確実に各個撃破していってくれ」
スコール
「……了解」
セルフィ
「了解で〜す!」
ゼル
「了解!!」
エドガー
「リディア。ここなら乱戦にもならないだろうから、君の力も存分に発揮できる。頼んだよ」
リディア
「うん!」
エドガー
「レナ姫も、スロウの魔法で補助してほしい。戦いが円滑に進むようになるだろう」
レナ
「わかりました」
セルフィ
「エドガー様はどうするんですか〜?」
エドガー
「私もここで戦うよ。機械兵器は防衛戦で真価を発揮するといっても過言ではない。特にこの天然の要塞ともいえるナルシェでは力を存分に発揮できるだろう」
スコール
(……王自らが戦うか。なかなかできることではないがそれができる器量の持ち主ということか。
……この人達は、本当に強い。SeeDにも劣らないだろうな。そして、この人達の中心にいるのがこのエドガー王と……
……バッツ=クラウザー。あの人の周りに、これだけの人間が集まっている。もしかして、あの人は本当に勇者なのか? ……そんなわけない。何を考えてるんだ、俺は)


・ナルシェの雪原、ガストラ軍本隊
 最後方の部隊を率いるレオが報告を受けている。

帝国兵
「各三将軍、いつでも出撃の準備はできているとのことです!」
レオ
「よし。ではダークナイトの部隊を中心に予定通り錐行の陣形で敵とぶつかってもらう。……長期戦は避けるべく、なるべく早く決着をつけるのだ」
帝国兵
「はい。では、進軍開始の命令を伝えてまいります」

 各部隊に命令を伝えに行く帝国兵。

レオ
(……魔導アーマーを展開しにくい市街戦では無駄に被害がでるだけだ。
その上長期戦は明らかにあちらが有利。ならば短期決戦しかあるまい。幻獣の奪取を最優先する方法はこれしかない)
《兵達を振り返り》
「皆、我々は後方に位置し前線の部隊の支援を行う! 敵は強力だが、諸君らは心配する必要は無い! 私がついている!
《前を向き、剣を抜く》
それでは、全軍、進軍開始!」
(長期戦の気配があれば、この戦いに勝つ策はこちらにない。その時は撤退だ。殿軍に位置する私が動くのはその時だ……!)


 第116話へ続く