多人数で神話を創る試み『ゆらぎの神話』の、徹底した用語解説を主眼に置いて作成します。蒐集に於いて一番えげつないサイトです。

団体

草原地方北部にて誕生した軍事結社。
草の民の英雄カーズガンと共に戦った戦士達が主要構成員。
暴君ハルバンデフ亡き後の草の民内部の混乱の収拾と、新秩序による草の民の再統一を目的とした。
各部族への軍事教練・傭兵派遣を生業とし、最盛時には草原地方北部、草原地方西部を影響下に置き、北方帝国南部を制圧した。
「民無き軍隊」、「主無き軍隊」と呼ばれる。

軌跡

皇帝パトゥーサの遠征

暴君ハルバンデフから逃亡するカーズガンを助け、彼と共に旅をする英雄達は、旅の途中難民の一行と遭遇する。
彼らの話によれば、北方帝国の皇帝パトゥーサの侵略に対し、ハルバンデフは自国内における焦土戦略をもって戦っており、そのため彼らの集落も焼かれ、また家畜すら殺され、井戸には毒が放り込まれたため食料はもちろん水にすら困っているという。
義憤にかられたカーズガンはこれら難民を纏め、北方帝国の補給部隊を襲うゲリラ戦を展開させる。
この時に纏めた部隊と、その戦術が後の「カーズガンの子ら」の礎となる。

カーズガンによるハルバンデフ奇襲

英雄カーズガンは暴君ハルバンデフを倒すため、最後の奇策に出る。
闇夜にまぎれてのハルバンデフ本陣に対する奇襲である。
そのため、カーズガンに従う英雄達は草の民を回り兵力を集める。
しかし、その数は目論みよりもはるかに下回るものであった。
カーズガンはその中より精鋭を選り、彼らと共にハルバンデフに奇襲をかけるが、その際に残った兵達に、後に精鋭となり草の民を救うように、と自らの全てを教え込む。
史実の示すとおりカーズガンは破れ、ハルバンデフとの一騎打ちの末に命を落とすが、彼が残した英雄・兵士達は地下へ潜り、いつか来る再起のときを待つ。

トルハンの戦い

アルプデギン蜂起の際に反乱軍に参加する。
伝説によればトゥルサウシュカ王子の像兵隊を見事に打ち破った。

草の民分裂期

ハルバンデフを打ち破ったアルプデギンにより彼らは重用されるが、アルプデギンによる新政府の統率力の無さと、それにより草の民が分裂していく様に失望し、アルプデギンの亡き後、彼らはその幕下を去る。
そして草原地方北部で軍事結社「カーズガンの子ら」を旗揚げする。
「草の民の再統一」、「新秩序による草の民の統一」を標榜する彼らは、大部族の下に虐げられる小部族や、民衆の解放運動に従事し、瞬く間に草原地方北部をその影響下においた。
この動きに目をつけた、中小部族が大半を占める草原地方西部の各部族も、自らを守るためにこの動きに同調。
「カーズガンの子ら」は戦わずして草原地方西部もその影響下に収める。
しかし、草原地方中部・南部・東部はラサ族をはじめとする大部族により構成される地であり、彼ら「カーズガンの子ら」の動きは決して好ましいものではなかった。
そのため、彼らは自部族領土内の「カーズガンの子ら」の構成員・信奉者・協賛者を徹底的に弾圧する。

北方帝国制圧戦争

戦上手ではあったものの、草の民を統一するための圧倒的な兵力に欠け、圧倒的な兵力を求める「カーズガンの子ら」であったが、彼らに転機が訪れる。
バキスタ卿を通じリクシャマー帝国の密使が訪れたのだ。
リクシャマー帝国は、北方帝国への進軍に対し帝国南部から兵を進めてくれれば彼らによる草原地方統一に力を貸すという。
リクシャマー帝国に力を貸すかどうかについては「カーズガンの子ら」内部でも紛糾したが、「戦争を早く終わらせ、北方帝国を早期に降伏させることこそ北方帝国国民および草の民のためになる」という急進派の意見が大勢を占め、結局彼らは北方帝国南部への進軍を行う。
しかし、リクシャマー帝国にはもともと約束を守る気など無く、北方帝国政府にその南部へ軍隊を振り分けさせるために彼らを利用しただけに過ぎなかった。(当時の外交文章およびバキスタ卿の日記よりこのことが明らかになっている)リクシャマー帝国にとっては彼らと北方帝国守備隊が相打ちになってくれればそれで良かったのである。
リクシャマー帝国軍の進軍と時を同じくして、「北方帝国領内で虐げられている草の民の解放と、不当に売買された草の民の奴隷の解放」を理由に「カーズガンの子ら」は北方帝国に宣戦布告。北方帝国南部へ進軍を開始する。
しかし、リクシャマー帝国の思惑とは裏腹に、「カーズガンの子ら」の軍隊は各地で北方帝国軍?を破り、帝都ソフォフに迫る。
結局これらの行動が、リクシャマー帝国による北方帝国の制圧という、当初の筋書きにない事態の一因となる。

北方帝国制圧戦争以降とその滅亡

北方帝国制圧戦争後、北方帝国南部を占領し続ける「カーズガンの子ら」の軍隊は、リクシャマー帝国に約束の履行を要求する。
しかし、北方帝国の統治に手間取り、北方帝国を制圧したことにより他の西方諸国との軋轢の生じたリクシャマー帝国にその余裕はなく、また草の民の再統一はバキスタの戦いの傷跡が完全に癒えていない西方諸国にとって思わしくないことであった。
そこでリクシャマー帝国草の民統一のための戦争の作戦会議のため、と称して「カーズガンの子ら」の首脳陣をバキスタ地方に呼び出し、ここで謀略を持って彼らを暗殺する。
首脳陣の一部は草原地方へと逃げ帰り、リクシャマー帝国への報復を草の民の全部族に訴えるが、草原地方中部・南部・東部の各部族は同盟を結び草原地方北部を攻め、またこの動きに同調する形でリクシャマー帝国軍とゼダ家私兵集団「単眼神の群(サイクロプス・クラウド)」の連合軍は北方帝国南部の「カーズガンの子ら」を駆逐し、ここに「カーズガンの子ら」は滅びた。

そして伝説へ

哀れな最後を遂げた「カーズガンの子ら」であるが、草の民の間では未だ英雄カーズガンの伝説と共に彼らに纏わる英雄譚は、「弱きを助け強きをくじく義侠心」「決して力に屈しない強さ」「不正を許さない強さ」を伝える物語として残っている。

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