多人数で神話を創る試み『ゆらぎの神話』の、徹底した用語解説を主眼に置いて作成します。蒐集に於いて一番えげつないサイトです。

神話 物語

そして、獣が吠えた。
彼女は動物を生み、次いで動物に対応する存在として静物を生み出した。

その大地には、創めに刃があった。

六振りの剣と、三本の槍。荒野に突き立つその刃は、世界と共に生まれ、ただ其処に存在した。
時が過ぎ、雷が地を砕き、火の山が地を溶かし、降り注ぐ雨が大地を潤し、大地を流れる水からは生命が溢れ出した。
星々からは静寂が届き、太陽からは喧騒が降りる。そして、遥か天空よりは涼やかな風が舞った。
そして最後に、大地の外からは意思を持つものが訪れた。

彼らは世界の外の住人だったが、ある時彼らの主であった大いなるハグレスに背いた為に追放された。
意思を持つものたちは、まず大地に突き立つ刃をそれぞれ手に取った。
刃は全部で九つ、そして意思を持つ者も九人であった。
刃は大変重く、持ち上げるのも大変だったが、中でも一番力の強いディスケイムだけは一際大きな槍を自由自在に操る事ができた。
稚気に溢れるディスケイムは槍が何の為に存在するのか知らなかったので、槍を振り回した挙句、仲間の一人を誤って切り裂いてしまった。
その仲間は最も幼く弱かったので、他の仲間達はディスケイムを責めた。死んでしまった仲間から目を逸らしたディスケイムは、仲間達の制止も聞かず逃げ出してしまった。
逃げ出したディスケイムは大地の果てまで走り、そこで独り蹲った。
仲間の内一人が死んだ仲間を葬る為、何処かへ去っていった。
そうして六人が残ると、その内一人が死んでしまった仲間の分の剣を手に取り、自分のものにした。
他の仲間は諌めたが、レザというその一人は聞く耳を持たなかった。
仕方が無いので六人は機嫌を損ねたディスケイムを慰めようと代わる代わる世界の果てに訪れた。
まずクロウサーが慰めたが、ディスケイムは顔を上げなかった。
次にゼイル=アデスが叱り付けたが、ディスケイムは余計沈み込んだ。
フィーリィの理路整然とした言い分には駄々をこねて追い返した。
リーヴァリオンは優しく抱きしめたが、ディスケイムは突き飛ばした。
レザはディスケイムを嘲弄し悪罵したので、ディスケイムは絶望に叩き落された。その後レザはどこかにふらりと消えてしまい、それきり誰も姿を見なかった。
最後にヒムセプトがディスケイムに愛を囁き、ディスケイムは漸く面を上げた。
しかし絶望と涙で汚れた顔は、見る影も無く醜くなっていた。

ヒムセプトはディスケイムを拒絶し、ディスケイムは怒りに駆られてヒムセプトに斬りかかった。
戦いは三百の昼夜を数え、その激しい打ち合いの末に大地は割れ、西と東に分かれてしまった。
二人は戦い続けようとしたが、そこで他の仲間達が仲裁に入り、二人はそれぞれ違う大地に住む事を提案した。
数少ない仲間をこれ以上失うわけにもいかない、しかし仲違いした二人が和解する事は最早無い。
妥協点を見つけた二人は相互の不干渉を誓い、ディスケイムが西に、ヒムセプトが東に住む事に決めた。
残る仲間たちは、ディスケイムとヒムセプトがまた再びいがみ合った時に抑えられるよう、それぞれの傍で見守る事に決めた。
ゼイル=アデスとフィーリィはヒムセプトの傍に。
クロウサーとリーヴァリオンはディスケイムの傍に。
そして、それぞれが持つ刃も均等に分配することに決め、三振りの剣を東に、三本の槍を西に置いた。
更には互いの大地の名が無ければ困るだろうという理由で、西の大地を「女」、東の大地を「男」と名付けた。その時からディスケイム達は女になり、ヒムセプト達は男になった。
ヒムセプトは東に住んでいた獣たちを怒りのまま蹂躙し、大地を治めた。覇者として君臨し、「国」を立てて「王」として君臨した。
ゼイル=アデスとフィーリィはヒムセプトの暴虐に呆れ、山奥に隠れ潜み彼を見守る事にした。
ディスケイムは何も無い西の大地で、一人星空を眺めた。すると星空から様々な光や闇が降り立ち、彼女に付き従った。
リーヴァリオンは自らに槍を突き刺し、飛び散った血潮を辺りに振り掛けた。すると草木が芽吹き、花が開き、小動物が誕生した。
リーヴァリオンは槍と共に天高く生長し、やがて大樹となった。
大樹の傍には十二本の金色の木が生え、共に森を形作った。
森からはリーヴァリオンに似た者たちが現れ、森の中に文明を作った。
クロウサーは雷や火山に興味を持ち、槍を熱して溶かした。クロウサーは槍を丸く固め、宝珠に作り変えた。
クロウサーは宝珠を使って自分の分身を作り出した。クロウサーに似た分身たちは性別を持ち、互いに混じり合い次々と増えていった。彼らもまた文明を持ち、道具や技術を作り出した。
こうしてディスケイムの眷属とリーヴァリオンの眷属、そしてクロウサーの眷属は西の大地で繁栄し、国を作り上げた。
しかし、死んだ仲間を葬るべく去った一人と、二振りの剣を持って消えたもう一人の行方は、杳として知れなかった。

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