ウィータステカの三姉妹

南東からの脅威の眷属

かつて大神院が流布していたウィータスティカの三兄弟の異説。大神院が亜大陸の都市ハーハーンを教化する際、既存の信仰を取り込む形で造り上げた。
もっとも、大神院からすればこれが「正当」な伝承であり、亜大陸に蔓延る同性愛を匂わせる伝承は、何者かによって故意に歪められた悪質なデマである。

後年の研究者は、この異説には当時大神院が奨励していた男性優位な恋愛観、そしてタバクシャラス的パーソナリティに対する忌避感が反映されていると指摘する。

大神院による異説の概要

　ウィータステカの三姉妹とは【南東からの脅威の眷属】に属する精霊達であり紀元神群と敵対していたが、ある時亜大陸に訪れていたアルセスに諭され己らの罪深さに気づく。アルセスに深く感謝した彼女達は私財を擲ってハーハーンにアルセスを讃える神殿【ウィータステカ?】を建築し、これを献上した。その敬虔な信仰に胸を打たれたアルセスは、彼女達を紀元神群に於ける眷属として召し上げたという。

（『新史暦一二八〇年版ゼオーティア教大典?』より引用）

三姉妹について

長女【アリアロア】

アリアロア?
三姉妹の長女。鷲の精霊。「姉妹のまとめ役」を自負しているが、アルセスへの敬愛故に暴走しがち。実はポエマーらしい。
亜大陸でアリアローと呼ばれていた精霊の異説。

次女【ダワティエル】

ダワティエル?
三姉妹の次女。蠍の精霊。「男性的」な言動や装いをする事を好むという。
亜大陸でダワティワと呼ばれていた精霊の異説。

三女【テンボトアーナ】

テンボトアーナ?
三姉妹の三女。隼の精霊。亜大陸有数の技術者であり、また【ウィータステカ】の設計も行ったとされる。
亜大陸でテンボトアンと呼ばれていた精霊の異説。

ウィータステカとウィータスティカ

何故ウィータスティカの三姉妹ではなくウィータステカの三姉妹と称されるのかに関しては研究者の間でも見解が定まっていない。

古代トルメルキア語?でウィータは「偉大なる」、スティアは「星」、カは「宮殿」を意味し、【南東からの脅威の眷属】の象徴である潤星（水星）への信仰を示している。つまり「ウィータスティカ」は本大陸風の発音であり、正確には「ウィータスティアカ」。大神院は教化の為、スティア（星）をステア（槍）へと変更し槍神アルセスへの信仰を示す宮殿としたとする説
この異説について人々に説く為に本大陸から来た司教達がトルメルキア語?の発音に不馴れであったとする説
単なる表記揺れであるとする説