多人数で神話を創る試み『ゆらぎの神話』の、徹底した用語解説を主眼に置いて作成します。蒐集に於いて一番えげつないサイトです。

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シルバリアースの土の精霊王。

水浸しになってしまったシルバリアースを乾かしたのは、他ならぬチイダである。
チイダは大地を乾かした後、砂嵐に変じて大暴れしようと思っていたが、
ちょうど大地を乾かしきったところで、砂の中を自分に良く似たものが
悠々と泳いでいることに気付いたのである。

砂の中を泳いでいたのは紀竜デザーネンスであった。デザーネンスは砂の竜で
あるから、砂の中を泳いでもへいちゃらである。
「よう新顔。の奴はどうしたんだ?」
デザーネンスはチイダに訊いたが、パンゲオンのレンズから現れたばかりの
チイダには、風というのが何の事だかさっぱり分からない。沈黙を察して、
デザーネンスが助け船を出す。
「火と水。土と風。普通はそういう組み合わせだろう……」

ここまで言われればチイダでも分かる。なんか、誰か居ないらしい。
いないのはその風ってやつか。風の精霊王がいないのか。
だが、なんで火と水がいて、土の俺がいるのに風だけいないのか?
しばらく考えてみるが、チイダには理由がわからない。
チイダは自分が土の精霊王だということ以外、まったく何も知らない
のだから、これは当たり前である。

チイダは悩んだ末に、自分も砂の竜の形になった。
チイダはデザーネンスに学び、いつしか風の吹く大地に憧れるようになっていった。

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