結界の六十二妹
vieraldiar
キュトスの姉妹の六十番目、不均整たるフィラルディア。陰陽のフィラルディア。
左の顔は美しく、如何なる美貌も彼女に及ぶ事はない。太陽よりもなお明るく美しいその左。
右の顔は怖ましく、如何なる悪鬼も彼女に近寄らない。夜闇よりもなお暗く醜いその右。
左右非対称の顔。左麗右醜のフィラルディア。
左の彼女は全ての姉妹を好いており、右の彼女は全ての姉妹を憎んでいる。
左の彼女はシャーネスに特に懐いており、右の彼女は特に憎んでいた。
ルスクォミーズがシャーネスを殺した時、左の彼女はルスクォミーズを激しく憎んだが、右の彼女は激しく喜び、ルスクォミーズを愛するようになった。
不均整たるフィラルディア。されどその心は他のどの姉妹より均整がとれている。
vieraldiar
キュトスの姉妹の六十番目、不均整たるフィラルディア。陰陽のフィラルディア。
左の顔は美しく、如何なる美貌も彼女に及ぶ事はない。太陽よりもなお明るく美しいその左。
右の顔は怖ましく、如何なる悪鬼も彼女に近寄らない。夜闇よりもなお暗く醜いその右。
左右非対称の顔。左麗右醜のフィラルディア。
左の彼女は全ての姉妹を好いており、右の彼女は全ての姉妹を憎んでいる。
左の彼女はシャーネスに特に懐いており、右の彼女は特に憎んでいた。
ルスクォミーズがシャーネスを殺した時、左の彼女はルスクォミーズを激しく憎んだが、右の彼女は激しく喜び、ルスクォミーズを愛するようになった。
不均整たるフィラルディア。されどその心は他のどの姉妹より均整がとれている。
1-60フィラルディア
顔の右半分が優しげな美女、左半分が恐ろしい醜女という不均整の魔女。
性格も左右で正反対であり、正に聖女と魔女で分けられる。
地方によって左右の性質が逆転している。
双子だとも、顔が二つだとも、二重人格だとも言われている。
なぜそのような説が浮上するのかといえば、フィラルディアは死亡する度に左右が逆転するという特異な性質をもっているからである。
双子であるというのは、中央から分離して二人の人物に分かれることが可能なためである。
残りの噂も似たようなもの。
左のフィラルディアはアルセスを謀った罰として「呪われた石」を掴み続けることになった。
哀れに思った右は、左の腕を支えることにしたが、左は右の親切を受け取らず、腕を高々と掲げて右腕が届かないようにした。
意地になった右は足を上げて全身の体重を左に預けた。バランスを崩した左はそのまま倒れ、呪われた石で頭を打ち死んでしまった。
その死は呪われた死であり、姉妹の完全な消滅を意味した。
右は半身の滅びに深く悲しみ、右半分の冷たくなった体にすがり付いて泣いた。
左は右に意地悪ばかりをしていたし、誰も彼もを深く憎んでいたが、右にとって左はかけがえのない半身であることに変わりは無かったのだ。
と、右はあることに気づいた。呪いの石の中に、左の魂のようなわずかな輝きが入り込んでいたのだ。
ひょっとしたら、この石から魂を取り出せば半身は蘇るかもしれない。
そして右は左を取り戻すため、半身不随のまま各地を放浪することになるのだった。
顔の右半分が優しげな美女、左半分が恐ろしい醜女という不均整の魔女。
性格も左右で正反対であり、正に聖女と魔女で分けられる。
地方によって左右の性質が逆転している。
双子だとも、顔が二つだとも、二重人格だとも言われている。
なぜそのような説が浮上するのかといえば、フィラルディアは死亡する度に左右が逆転するという特異な性質をもっているからである。
双子であるというのは、中央から分離して二人の人物に分かれることが可能なためである。
残りの噂も似たようなもの。
左のフィラルディアはアルセスを謀った罰として「呪われた石」を掴み続けることになった。
哀れに思った右は、左の腕を支えることにしたが、左は右の親切を受け取らず、腕を高々と掲げて右腕が届かないようにした。
意地になった右は足を上げて全身の体重を左に預けた。バランスを崩した左はそのまま倒れ、呪われた石で頭を打ち死んでしまった。
その死は呪われた死であり、姉妹の完全な消滅を意味した。
右は半身の滅びに深く悲しみ、右半分の冷たくなった体にすがり付いて泣いた。
左は右に意地悪ばかりをしていたし、誰も彼もを深く憎んでいたが、右にとって左はかけがえのない半身であることに変わりは無かったのだ。
と、右はあることに気づいた。呪いの石の中に、左の魂のようなわずかな輝きが入り込んでいたのだ。
ひょっとしたら、この石から魂を取り出せば半身は蘇るかもしれない。
そして右は左を取り戻すため、半身不随のまま各地を放浪することになるのだった。
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