屍婚際

儀式
行事

ナシュティムで密かに執り行われる人身御供。
種族も性別も年齢も問わず多くのナシュティムの民が参加する儀式。
そこに当人の自由意思が介在する余地はなく、全てが自動的に進行していく。
ナシュティムの集合無意識と俗世の間に建設された花舞台の上で執り行われる。

新婦として現世に死者を呼び込む冒涜的な結婚式。
俗世に這い出た死者達が歳が一桁の子供だけを拐って冥府に消えていく。
それを眺める参加者達は一人の例外もなく、恐怖に堪えかねて泣き叫ぶ子供達に見当外れの激励を与えながら次々と夢から覚めていく。
子供を拐われた母親以外はその夢の内容を覚えておらず、歳が一桁の子供達がナシュティムから一人残らず消えているという不可解な現実だけが残される。