十番姉妹選抜星見の塔トーナメント

勝者を強化する、闘争自体に意味がある儀式。
【九姉】を除いたキュトスの姉妹が「六十四人」で行う呪的闘争である。

キュトスの七十一姉妹のうち上位九名は守護の九姉と呼ばれ、高い実力に伴う名誉と地位を得ている。
ルスクォミーズは【九姉】に次ぐ高齢の姉妹であり、それに次ぐ実力も持ってはいるが、彼女には人望も地位も無い。
よって、彼女は定期的に『自分も九姉に加えろキャンペーン』を行うのだが、これが非常にウザい。
そこで、ルスクォミーズが、人望だけでなく実力も十人目とは言えない存在である、ということを証明する試みが行われるようになった。
これこそが、【十番姉妹選抜星見の塔トーナメント】であり、その実態は壮絶なルスクォミーズ潰しの出来レースである。
形の上でのトーナメントは、あくまで（脳筋な）ルスクォミーズを騙すためのブラフに過ぎないのだ。

また、この儀式は、闘争で生じたエネルギーを最終的な勝者が得るというものではあるが、下手に勝つと面倒であるため、勝者は適当に決められる。
大抵の場合は、シード選手に推されたミュリエンティが連続不戦勝からの優勝となるが、カスミストが勝利を譲られて、一日だけ健康に過ごすことも多い。
病気の魔女であるカスミストは、長期間完全に健康になると消滅する危険があるが、この程度であれば問題ないのである。

結局のところ、このトーナメントは、暇を持て余した魔女たちの遊びに過ぎないのであった。