ゆらぎの神話百科事典

天使猫の『貸主』の居城だった。
神々に拠って破壊されかけ、其の際の転移が珊瑚の角を持つ蛙の国の大破壊を引き起こした。後に空の有翼人に依って発見、利用された。

天頂城砦の高さは150メートル。
ただしコレは最も高い尖塔の話で、おおむねの部分はせいぜい2階建てから3階建て程度の高さ。

天使猫ムンキル、天使猫ナキールは『貸主』によって
天頂城砦内部・深部の調査に使用された。
メタトロンとサンダルフォンはその結果、天頂城砦の深部で発見された天使猫である。


天頂城砦攻略戦の際、天使長フレナフェレは深部にて姿を消した。
彼の主フルシズは嘆き悲しみ、千三十二日のあいだ涙を流し続けたという。

天使猫リドワンの張る何層もの障壁が、外部の目と手から天頂城砦を守っていた。しかしペレケテンヌルに仕える妖精?たちに
改造された天使猫に侵入され、リドワンを破壊された途端、天頂城砦は侵入するに妨げのない無防備な状態に陥った。

障壁が取り払われた。不可視化障壁の消失に伴い、
火花が散るような音とともに空に天頂城砦の姿が現れる。
角笛の音が響き渡り、それを合図として
ジャスマリシュ?、フェーリム、飛翔像兵?、その他神々が用意した
各種の軍勢が天頂城砦に向けて動き出す。


天頂城砦の強引な転移により、存在の余韻としての大衝撃が惑星を襲った。
その瞬間、地面は砕け、海面から大波が立ち上がり、空の雲さえ掻き乱された。
その影響は惑星全土に及び、気候や海流すらも歪められた。
ジヌイービはこの災害を大破壊、と呼んだ。


空の有翼人は、その昔、転移していずこかに消え去った天頂城砦を発見した。
そしてその奥にある設備を用いて、自らを兵器となした。
それでも主神フルシズ率いるスロデ神群の力は大きく、最後には滅ぼされてしまった。
しかしスロデ神群側でも多くの半神を失うなど、その損失は小さいものではなかった。

秘密にしていた天頂城砦のことがスロデ神群にバレ、
献上せよと命じられたが拒否してしまったのがそもそもの始まり。

スロデ神群全滅後、フレナフェレが空の有翼人に天頂城砦の在り処と
その力を知るように仕向けた、とする説が大いに広まった。


天頂城砦が去ってから30000年後、この『天の城』は再び
『珊瑚の角を持つ蛙の国』に出現した。
もっとも、この頃には『珊瑚の角を持つ蛙』たちは滅びていた。
その代わり、天頂城砦に収められた兵器とそっくりなものたちが待ち構えていた。
かれらの中には自らを天使猫とした30000年前の『珊瑚の角を持つ蛙』もいた。
その軍はまるで、天頂城砦の再訪をあらかじめ知っていたかのようであった。

転移によってこちら側に実体を顕していく城砦に向け、彼らは戦いの一歩を踏み出した。