白百合宮

建物

名前の由来は、至る所に百合の花が見られることから。

各時代の建築様式を次々と増築した結果、見るからに悪趣味な外観になってしまっているという所有者の計画性の無さが表れている宮殿。

モロレクの軍勢や使用人が常に四桁単位で動いており、主であるルスクォミーズは専ら遊んでばかりいる。

ガロック式?、ハイル模様?、ケーナズ屋根?、スリテア硝子?、旋回式噴水や線対称の庭園など趣向を凝らした宮殿だが、共通するのは全て純白を基調とした色合いである事だ。

大理石の柱廊や吹き抜けの螺旋階段、宝石の原石をそのまま使用した舗石など、無駄に金をかけている。

ルスクォミーズが拠点とする白百合宮の裏手には、とある密教の聖人の墓がある。
屋敷が現在の名で呼ばれる由来となった白百合は最初、その墓の周囲にのみ咲いていた。
今では命日の時期ともなると、屋敷を覆い包むがごとく咲き誇るという。
砂塵舞う赤い荒野に在ってなお、白々と。