結界の六十二妹
『ディオル』
キュトスの姉妹が22番目。数多の戦場を駆け抜けた、叩き上げの魔法剣士。
ガルディエーラとは異なり、何か特別な力を持っている訳ではない、又、戦闘狂でもある。
喧嘩や争い事を見ると加わらずにはいられない、血の気の多いお姉さん。
多くの戦場での経験のみが、彼女を屈強な兵士にしている。
アーズノエルの御手左翼二番手。
ダーシェンカに授けられた剣双頭剣メテスカテス?を持つ。この剣は刀身に宝石を散りばめた魔法の剣であり、三段階に変形する。その正体はクランド。
『ディオル』
キュトスの姉妹が22番目。数多の戦場を駆け抜けた、叩き上げの魔法剣士。
ガルディエーラとは異なり、何か特別な力を持っている訳ではない、又、戦闘狂でもある。
喧嘩や争い事を見ると加わらずにはいられない、血の気の多いお姉さん。
多くの戦場での経験のみが、彼女を屈強な兵士にしている。
アーズノエルの御手左翼二番手。
ダーシェンカに授けられた剣双頭剣メテスカテス?を持つ。この剣は刀身に宝石を散りばめた魔法の剣であり、三段階に変形する。その正体はクランド。
ディオルには「一日一人誰かと戦い、これを打ち倒さなければ自分が死ぬ」という呪いが掛けられている。
この呪いをかけたのは例の「あの魔女」(自称:メクセータ)である。
それは、フィランソフィアの娘達の内でも最悪の一体。
魔女は叫んだ。
「愛しいフィランソフィア母様の両目を、恋人を寝取られ、殺されたというだけの理由で切り裂いたディオル! 私はお前を決して許さない。
そんなに義憤と正義、報復と愛が好きだというのなら、お前の好きな正々堂々とした戦いが毎日出来るようにしてあげるわ!」
こうして、ディオルは闘わなければ生きられない身体になった。
また、浄界ブラッディ・リゾートを得た。この浄界の領域内の全ての非生物固体は肉へ、非生物液体は血へと変容する。
この呪いをかけたのは例の「あの魔女」(自称:メクセータ)である。
それは、フィランソフィアの娘達の内でも最悪の一体。
魔女は叫んだ。
「愛しいフィランソフィア母様の両目を、恋人を寝取られ、殺されたというだけの理由で切り裂いたディオル! 私はお前を決して許さない。
そんなに義憤と正義、報復と愛が好きだというのなら、お前の好きな正々堂々とした戦いが毎日出来るようにしてあげるわ!」
こうして、ディオルは闘わなければ生きられない身体になった。
また、浄界ブラッディ・リゾートを得た。この浄界の領域内の全ての非生物固体は肉へ、非生物液体は血へと変容する。
累卵の記述項
Cu1-22 ディオル
【Macro】【お着替えパーミュテーショナー】【適格者】
ディオルにまつわるいくつかの物語は、彼女自身の性質を表わしているかのように見えて、実はそうではない。それらのエピソードはあたかもその本質を覆い隠すかのように彼女を包み込み、その物語によってディオルという核心をかえって見えにくくしているようにも思える。
ディオルを覆う物語とはなにか?
恋人の仇を捜し求める復讐者。
仇への復讐を果たした結果、その報復によって呪われてしまった狂戦士。
鉄願神の使徒。
戦場を巡る勇士。
末世に顕れ滅びをもたらす終わりのオー。
これらはディオルという存在を説明しているようだが、逆である。
これらの物語の為に、ディオルが用いられてきた、というのが正確なところであり、これらの物語は別にディオル以外でも成立する。ディオルは物語の空席に座らされた【役者】なのである。
彼女は自己を適確に適格者へと置き換える。まるでお着替えをするかのように自己を置換する。
ある時は呪詛で真っ黒に染まった狂戦士のように。
ある時は返り血の海を泳ぎ続けるマグロのように。
その性質は己の情報を延々と置き換え続けるマクロそのものなのである。
Cu1-22 ディオル
【Macro】【お着替えパーミュテーショナー】【適格者】
ディオルにまつわるいくつかの物語は、彼女自身の性質を表わしているかのように見えて、実はそうではない。それらのエピソードはあたかもその本質を覆い隠すかのように彼女を包み込み、その物語によってディオルという核心をかえって見えにくくしているようにも思える。
ディオルを覆う物語とはなにか?
恋人の仇を捜し求める復讐者。
仇への復讐を果たした結果、その報復によって呪われてしまった狂戦士。
鉄願神の使徒。
戦場を巡る勇士。
末世に顕れ滅びをもたらす終わりのオー。
これらはディオルという存在を説明しているようだが、逆である。
これらの物語の為に、ディオルが用いられてきた、というのが正確なところであり、これらの物語は別にディオル以外でも成立する。ディオルは物語の空席に座らされた【役者】なのである。
彼女は自己を適確に適格者へと置き換える。まるでお着替えをするかのように自己を置換する。
ある時は呪詛で真っ黒に染まった狂戦士のように。
ある時は返り血の海を泳ぎ続けるマグロのように。
その性質は己の情報を延々と置き換え続けるマクロそのものなのである。
双頭剣メテスカテス?
エメラルドの大頭メテス、サファイアの巨頭カテスからなる宝石でできた一対の短槍。石突きを連結することで双方に穂先を持つ長大な槍となる。剣とされている武器の実際の形状が槍であるのはこの世界ではもはやお約束である。
メテスには肉を裂く程に硬さと切れ味を増す魔力が宿っており、カテスには血を浴びせればその血の流れる相手を地の果てまでも追いかけて貫き、瞬く間に戻ってくるという魔力が宿っている。
連結の形態が長槍、ヌンチャク、三面六臂と3種類に分かれている。
長槍形態は双頭の魔力を同時に発揮でき、ヌンチャク形態は自らの血肉を喰らわせる事で意のままに動く魔力を発揮できる。
更に双頭を両の肩に埋め込むことで三面六臂の鬼神に変貌し、剛力をその身に宿すことができる。
ダーシェンカの使役する旧き猟犬?がメテスカテスの原型であり、三面六臂の鬼神へと変ずる際にはダーシェンカに許しを得なけれねばメテスカテスを回収するという取り決めがされている。
ディオルの戦闘能力はほとんどこの外付けのデバイスに依存しているが、これは常に変動し続ける存在であるディオルにとっては唯一安心して頼ることのできる揺るぎない力であり、確実に彼女を守るためには絶対に必要なのである。
邪視:【自瞳】
自らの肉体・精神・霊魂を文脈に応じて自動的に改変する邪視。「自らの変貌という異常」を外界に強制する魔力を持つ。外界の圧力が発動の鍵となっているので、因果を大きく崩すことなく発動可能であり、ほぼ恒常的に発動状態にある。
軍勢:【ミートバッグ(血肉人形)】
自己を規定するために生成する「自分ではない他者」。現出させた血の海から意思のない肉人形を生み出せる。この肉人形を斬り続けることでメテスの強度を無限に高められるし、細胞のDNAを採取することで特定の人物と同一の血肉を生み出してカテスで貫き、超遠距離から狙撃することも可能。「時間的に異なる、今の自分ではない、かつてのディオル達」を生み出した場合のみ、意思を持って動く肉人形となる。ただし現在のディオルと利害が一致するとは限らない。
浄界:【ブラッディ・リゾート(血浴理想都)】
形あるものを肉に、血液に置き換えていく鮮血の楽園。ディオルの「世界とは肉体という外殻の集積である」という宇宙観に基づいて成立する小世界。肉の大地、血の大河、皮膚の道、体毛の草原、臓物の丘、脳漿の天。取り込まれた者はみな等しく肉体一つとなり、元世界での関係性や役割を全て剥奪され、赤子のようにされてしまう。
この空間を形成する意思無き血肉、中身のない器こそがディオルの本体である。
エメラルドの大頭メテス、サファイアの巨頭カテスからなる宝石でできた一対の短槍。石突きを連結することで双方に穂先を持つ長大な槍となる。剣とされている武器の実際の形状が槍であるのはこの世界ではもはやお約束である。
メテスには肉を裂く程に硬さと切れ味を増す魔力が宿っており、カテスには血を浴びせればその血の流れる相手を地の果てまでも追いかけて貫き、瞬く間に戻ってくるという魔力が宿っている。
連結の形態が長槍、ヌンチャク、三面六臂と3種類に分かれている。
長槍形態は双頭の魔力を同時に発揮でき、ヌンチャク形態は自らの血肉を喰らわせる事で意のままに動く魔力を発揮できる。
更に双頭を両の肩に埋め込むことで三面六臂の鬼神に変貌し、剛力をその身に宿すことができる。
ダーシェンカの使役する旧き猟犬?がメテスカテスの原型であり、三面六臂の鬼神へと変ずる際にはダーシェンカに許しを得なけれねばメテスカテスを回収するという取り決めがされている。
ディオルの戦闘能力はほとんどこの外付けのデバイスに依存しているが、これは常に変動し続ける存在であるディオルにとっては唯一安心して頼ることのできる揺るぎない力であり、確実に彼女を守るためには絶対に必要なのである。
邪視:【自瞳】
自らの肉体・精神・霊魂を文脈に応じて自動的に改変する邪視。「自らの変貌という異常」を外界に強制する魔力を持つ。外界の圧力が発動の鍵となっているので、因果を大きく崩すことなく発動可能であり、ほぼ恒常的に発動状態にある。
軍勢:【ミートバッグ(血肉人形)】
自己を規定するために生成する「自分ではない他者」。現出させた血の海から意思のない肉人形を生み出せる。この肉人形を斬り続けることでメテスの強度を無限に高められるし、細胞のDNAを採取することで特定の人物と同一の血肉を生み出してカテスで貫き、超遠距離から狙撃することも可能。「時間的に異なる、今の自分ではない、かつてのディオル達」を生み出した場合のみ、意思を持って動く肉人形となる。ただし現在のディオルと利害が一致するとは限らない。
浄界:【ブラッディ・リゾート(血浴理想都)】
形あるものを肉に、血液に置き換えていく鮮血の楽園。ディオルの「世界とは肉体という外殻の集積である」という宇宙観に基づいて成立する小世界。肉の大地、血の大河、皮膚の道、体毛の草原、臓物の丘、脳漿の天。取り込まれた者はみな等しく肉体一つとなり、元世界での関係性や役割を全て剥奪され、赤子のようにされてしまう。
この空間を形成する意思無き血肉、中身のない器こそがディオルの本体である。
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