多人数で神話を創る試み『ゆらぎの神話』の、徹底した用語解説を主眼に置いて作成します。蒐集に於いて一番えげつないサイトです。

物語 神話 伝説

隠されたはじまり以前の一族について――アルラウネ断章?より。

 彼らは元々パンゲオンの腹の中に住んでいたはじまりであり、終わりであり、途中である不定形のものたちだった。
 あるとき、そんな彼らの住んでいたパンゲオンに大きな槍が突き刺さり、パンゲオンは無数になって飛び散った。
 散らばったパンゲオンは、あるものは大地になり、あるものは海になり、あるものは空になり、あるものは生き物になり、その形を定めていった。
 そんな中、パンゲオンの腹の中に住んでいた彼ら隠されたはじまり以前の一族は、パンゲオンに住んでいたからはじまりであり、終わりであり、途中であることが出来たのだが、それが崩壊してしまったいま、何かにならなくては生きていけなくなってしまった。
 そして仕方なく、彼らは精霊納豆、南東に住まう生物、巨人テテリビナなど、それぞれ思い思いの形をとることになった。
 だがそんな中でも、はじまりであり、終わりであり、途中である不定形の姿のまま、まだパンゲオンの原型を留めていた地下深くにあるパンゲオンの子宮に、平穏な生活を打ち砕いた槍を憎みながら逃げ込んだ少数の隠されたはじまり以前の一族がいた。
 彼らは形がないゆえに物理的な力はなかったが、精神力だけはどんなものよりも優れていた。
 その並外れた精神力を使い、彼ら隠されたはじまり以前の一族は、パンゲオンの子宮から槍についての多くを学んだ。
 そしてついに、あの槍を落とし、自分達の平穏な生活を打ち壊したものがアルセス神であることをつきとめた。
 隠されたはじまり以前の一族は、精神力を使い、パンゲオンが生んだ世界の形あるものたちに神と対等に戦えるだけの力を与え、神に対する復讐をはじめた。
 だが、神の力は想像を超えた凄まじいもので、まったくもって歯が立たない。そして知神・レヴィーヤーナ?によって隠されたはじまり以前の一族たちの居場所も知られてしまうことになった。
 だが彼らは神に対して、最後まで抵抗をやめなかった。優れた精神力で神々を苦しめ、唯一残ったパンゲオンの子宮を守り、なんとか戦ってきた。
 だが、それに業を煮やした神々は、神々の中でも一番の力神であるセルラテリス?に、神具作りの神・グラント?がパンゲオンの牙より作り出した最強の槍”ゲルシェネス?”をパンゲオンの子宮に向かって投げさせた。
 すると、その槍に貫かれパンゲオンの子宮とそこにいた隠されたはじまり以前の一族は一瞬のうちに消滅してしまった。
 彼らは最後まで、神と槍に勝つことはできなかった。

タグ

関連リンク

其の他のリンク

アマゾンアソシエイト

管理人連絡先

amogaataあっとまーくyahoo.co.jp

紹介サイト


メンバーのみ編集できます

メンバー募集!