多人数で神話を創る試み『ゆらぎの神話』の、徹底した用語解説を主眼に置いて作成します。蒐集に於いて一番えげつないサイトです。

物語

「その日帝都に雪がふりました。それは冬の終わりを告げる春待月の細雪でした……」という宮女の独白から始まる、ラダムストンによる物語。
北方帝国にて起きた3月事件?をモチーフにした物語である。
実際の事件をモチーフにした歴史物語である反面、百合風な物語であることでも高名な作品である。

概要

北方帝国、8代皇帝パトゥーサの統治下の時代、生活に困った地方領主は、館に出入りする商人の口車に乗って主人公である一人娘を帝都の大貴族の館に奉公へと出す。しかし、央機卿であるその雇い主は、宮女として後宮に入り、皇帝である独裁者パトゥーサに近づいてその暗殺者となる娘を集めていたのだった。
集められた娘達は後宮入りするために厳しい教育を受ける日々を送る。その最中、主人公は同じ境遇の一人の娘と出会い友達になる。
繰り返される厳しい「教育」の最中、一人、また一人と娘達は減っていき(物語の中で直接的な表現は避けられているが、文脈や台詞から想像するに耐えられなかった娘達は殺されているようである)、とうとう主人公とその少女の二人にまで絞られる。その日々の最中、主人公は同じく生き残り、親友となった少女に友情以上の感情を持つようになる。
やがて後宮入りした二人のうちパトゥーサからの寵愛を勝ち取ったのは、主人公の親友の娘であった。親友の幸せを祈りながらも、いつしか目覚めた親友への慕情が消せずに煩悶とする主人公。
やがて彼女達の雇い主である央機卿からの使者が訪れ、彼女達がパトゥーサを暗殺するために今まで養育されてきたことを知らされる。使者は更に彼女達の親兄弟の生殺与奪は雇い主の手の内にあり、宮廷に入った娘と協力して皇帝を暗殺せねば彼女達の家族を皆殺しにすると脅しをかけられる。
その雇い主からの通達を親友に伝えるかどうか悩み、詰められた主人公は、とうとう親友の少女に自分の置かれた立場を打ち明けるが、彼女はある日大金の詰まった袋を彼女の手に渡して「皇帝には用事で貴方を後宮より外出させるように頼むので、この金を持って外国へ逃げる」ように言い、「依頼主には春待雪の降る日に実行するように伝えて欲しい」と彼女に言う。
自分の力の無さを嘆き、その幸せを壊してしまったことを悔いて親友を抱きしめて主人公は泣く。
やがて春待雪の降った日、かねてからの用意の通り主人公は後宮を、そして帝都を後にするが、帝都を見渡せる丘の上で馬車を止め、降り注ぐ春待雪に自分の罪と、そして親友であった少女と過ごした日々を忘れないことを誓うのであった。

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