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エンドミット 食べ物 料理

蒸気饅頭!蒸気饅頭はいかがっスかー!」

通りの向こうで、蒸気饅頭売りが上げる呼び声が響き渡る。
文化的な意味合いにおいて、「蒸気」とは文明の同義語であり別の世界における「文明開化」や「文化」「電気」などと同様の修飾語として用いられていた。
「電気ブラン」とか、そんなニュアンスだと断言してしまって良いだろう。
実際にその物体にどれだけ蒸気が関わっているかに関わりなく、ポジティブで進歩的なイメージとして、およそあらゆるものに「蒸気」の修飾がつけられたのだ。

そんな蒸気ナントカの中でも、蒸気饅頭は比較的実態にそった名称であった。
なにしろ、間違いなく製作に蒸気を使っているのだ。
貧民街で売られている饅頭のほとんどには中身が存在せず、別売りのソースやカラシをつけて食べるしか無い小麦粉の固まりであったが、それでも配給不足にあえぐ五級市民たちにとっては貴重な食料である。

それに、そうした当局のお目こぼしによって売られている饅頭の中には、ごくごくたまに、本当にたまに、中身に餡や肉が詰まったものが売られていることもあるのだ。
それは、単なる都市伝説であるとか、あるいは治安機関が闇賭博を取り締まるための監視員だとかいう噂もあったが、そうした噂はかえって「中身のある饅頭」の魅力を増大させていた。
治安維持にあれだけの税金を注ぎ込む政府が用意したのであれば、きっとその中身もあふれんばかりに詰まっているに違いない。

エンドミット政府機関と、直接的に関わることがあまりにない五級市民にとっては、政府の存在感などその程度のものであった。

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