多人数で神話を創る試み『ゆらぎの神話』の、徹底した用語解説を主眼に置いて作成します。蒐集に於いて一番えげつないサイトです。

物語り

記述


一人の若き旅人は世界を巡る
彼が望むのは強大な力
ある街の路地裏で不思議な噂が流れていた
氷で閉ざされた山脈の向こう
力を授けてくれる悪魔が住んでいるという
彼は、その噂を信じ山脈の向こうへと向かった
三日三晩、寒さに身を引き裂かれ
旅人は遂に悪魔の領地に踏み込んだ
「貴様は何の為に力を求める?」
醜悪な悪魔は旅人に問いかけた
「ただ復讐の為だけに」
若い旅人は悪魔の問いにそう答えた
その言葉に悪魔は嘲笑を浮かべて一つの腕輪を彼に与えた
それは強大な魔獣を呼び出す召喚の腕輪
旅人が腕輪を着けて呪文を唱えると確かに魔獣は現れた
「主よ、何なりと御命令を」
問いかけるのは目の前の魔獣、蒼い毛並みの可憐な少女

一人の老いた錬金術師は地下に篭る
彼が望むのは神の理
ある村の住人達を生贄に捧げ創り出した
完成したのは魂宿らぬ歪な人形
閉じ込めていた最後の生贄も逃げ出した
彼は、落胆の溜息を吐きまた研究へ没頭する
三日三晩、苦悩と落胆の生活が続き
彼の下へ遂に終わりが訪れた
「この者の罪に相応しい罰を!」
かつて逃した生贄の若者が叫んだ
「はい我が主よ」
傍らの少女が若者の言葉にそう答えた
その姿に老人は驚愕を浮かべて一つの呟きを洩らす
それは誰の下へも届かない死際の台詞
錬金術師は魔獣の力に引き裂かれ瞬く間に死に絶えた
「ああ、やっと会えた」
語りかけたのは遠い過去の愛娘、蒼い髪の可憐な少女

一人の名も無き少女は暗闇で震える
彼女が望むのは一片の光
ある屋敷の物置で主人に捨てられ途方に暮れた
少女に有るのは歪にゆがんだ醜い身体
それと魂宿らぬ硝子細工の虚ろな瞳
私は、光の届かぬ部屋で扉が開くのを待ち続ける
三日三晩、ガラクタ達と共に暮らす毎日
少女は遂に孤独から開放された
「待たせたかい麗しの君」
現れ出でた蒼い炎が少女に声をかけた
「貴方はだれ?」
驚く少女は炎に向かって問いかけた
その蒼い炎が煌めき揺らぎ一つの姿を形作る
それは醜悪な姿をした蒼炎の悪魔
全ては彼が紡いだ台本通り悪魔は少女を手に入れる
「さぁ姫君、お手をどうぞ」
舞い踊るのは渇望の輪舞曲、蒼い悪魔と歪な少女

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