Wallace the Willless
魔類抄シリーズ第二部から登場。
イルミナティによる「不死者」創造の希少な成功例。
少年の姿のまま老いることもなく永い年月を生き続けており、
その間にイルミナティの幹部に登りつめている。
「不死」とはいえ幹部の身で危険な前線にも
平気で出かけるが、生きがいや死に場所を求めているというわけでもない。
全体的にやる気を感じさせない男。
とくにプラスの感情では表情を動かすことがない。
自分にとって必要不可欠でなければ、
良い意味でも悪い意味でも空気を読もうとしない。
人が言いにくいことでも機械的に無表情で言う。
また、一瞬ながらそこに嘲りや冷笑を垣間見せることもある。
そういうわけで、貴重な観察対象でもありながらウォレスに
死んで欲しいと思う者は多く、彼が危険地帯に行くことを
止める者はイルミナティにはいないという。
the Willlessというあだ名は意欲のなさから来ているとも、
じつは意志そのものが磨耗するか何物かに乗っ取られた
結果すでに失われているからだとも言われる。
もう一つ、従者であり心を許していた只一人の
友であったウィルを失い、それ以後ウィリアムのような
相手を持とうとしないことを指しているという話もある。