ゆらぎの神話百科事典 - カシュタクル
巨人


巨人族で、大殲滅の生き残り。カシュタクルとは、彼らと一時的に共存していたティシムガンド人が名づけたもの。ティシムガンド人が聖地とする「カシターク地域?」にカシュタクルの民が住んでいたため。
人間が再び台頭するまでの1000年間、特に争いごとも起きず、平和な時が続いていたが、
人間の新興国家ティシムガンドの突然の侵攻により種族は根絶やしにされたとされている。

ティシムガンドに残るわずかな記録によって彼らの生活をうかがい知る事ができる。
それによれば、カシュタクルは言語と呼べるものを持たず、互いに見つめあうことで意思の疎通をはかっていたという。
また、生活はいたって質素で、自然と調和した生き方をしていたとされる。
カシュタクルは集落を守るための城壁を建設せず、一塊になって生活するというよりは、それぞれが思い思いの場所に家を建てていた。

ティシムガンド人は、彼らが聖地とするカシターク地域からカシュタクルの民を追放しようとしていたが、
カシュタクルの民のあまりの巨大さ(人間と比較すれば、まさにアリと象)に侵攻を躊躇しており、確実に滅ぼし種族を根絶やしにしなければならないと考えるようになっていた。
カシュタクルの民は温厚で平和的な種族であったが、言語を持たない彼らとティシムガンド人は意思疎通をはかることができず、
また、人間同士の争いによって元々の住処を追われた末に国家を建設したティシムガンド人にとって、「平和的解決」はそもそも選択肢になかった。