「……我が夫の狂気はほかならぬエル・ア・フィリスによってもたらされたものである。狂死の寸前までありとあらゆる古き神々を讃える歌を書くことをやめなかった夫が、なぜ最期になってただ一言、“ただエルのみが真実である”と述べたのか、我々はその理由に思い至らなければならない。エルを奉じる我々一人びとりのすべてがこの言葉の意義を体得したとき、我が夫の魂は槍の外へと召されるであろう。……」