キュトスの姉妹の13人目『脳髄洗い』コキューネーによる順正化処理は彼女の第三脳と第四脳の並列演算によって行われる。
即ち、コキューネ―の頭部の中にある六つの大脳、三つの小脳は擬似的な量子コンピュータであり、同時発展的な中間、重ね合わせの演算を行い続ける。
【
脳?】に干渉しうる彼女の脳は、我々の脳の機能を遥かに上回っているのだ。
「脳髄洗いのコキューネ」
彼女の持つ高性能の脳は魔術じみた芸当すら可能とする。
他者の脳の電気シナプスまで認識する処理能力は、通常の空間においても有用なのである。視覚・聴覚・触覚による周囲の大気分子の動き、それらの総合的な情報を基として短期的な未来を予測演算し、擬似的な未来予知を可能とする。
それによる驚異的な戦闘技能は、矯正し難い悪人を捕縛する際に十全に発揮されている。
彼女が罪人から【善性の執行者】の異名をもって怖れられる所以でもある。
洗浄した元罪人に対しては慈母のように振舞う。