その師匠
デフォン・ダゥ・デカール同様に彼も出身がはっきりしない人物である(ただし、こちらは確実に存在したという客観的な記録や、彼の人となりについて描かれた記録が多数あるので非存在説はないが)。しかし、一番の謎はその「ダウ・グロシェ」という姓である。
「ダゥ・グロシェ」という姓は
ロズゴール王国の建国伝説に登場する、建国に貢献した7人の魔術師の一人が由来であると考えられるが、建国伝説によればその一族は度重なる戦争により血脈は絶えており、またその姓を継承した魔術師がいるという記録はない。
また、戦災孤児説や商人の子供説がある等、彼が魔術師の血縁でない可能性が高いことからこの姓も「偽名」説がある(ただし、魔術師としてちゃんと実績を残しているので、後に政府の公認の下に後継したという説もある)。
ただ、彼が記録に名前を残し始める10年前に
ドゥイリオ・ダウ・グロシェという魔術を使って暗殺を生業とする暗殺者がゼダ家領内で捕まっており、その際に「ダゥ・グロシェ」という姓を持つ暗殺者の一族がいることを白状したという記録があるので、もしかすると彼の名前にはその一族と何らかの関係があるのかもしれない。