ゆらぎの神話百科事典 - ヒッポクラテス
人間
亜人

ヒッポクラテスは尻尾の生えたテス人?のことである。
なお万一知らない人がいたらいけないので書いておくが、テス人というのはたまに夕方に四つ辻のところにぼーっと立っているあの、目を合わせてはいけないやつのことだ。

目が合うと視線越しにヒッポクラトス(馬の力)を注ぎ込まれてしまう。
ヒッポクラトス(馬の力)を注ぎ込まれた者は、その身に内在する『』性を失い、『』性へと変化させられていた事が確認されている。
この現象の発見当初は、『人』性を『』性に上書きする事で竜と交信できる巫女を生み出すという竜神信教における【竜覚?】との関連性が疑われたが
おびただしいヒッポクラトス被害者からの検体検査によって分かったことは【竜覚】とは全く別の現象であるということだった。
ヒッポクラトスによる変化は『人』性を『馬』性で上書きするのではなく、『人』性そのものに干渉して無理やり『馬』性に変異させるというものであった。
これまで発見されたテス人の被害者たち、その全てが身体的にも精神的にも歪な奇形に変わり果ててしまっているのは周知のことではあるが、
それは自らの『』を強引に変容させられるという根源的で極大的な苦痛と発狂によるものであったのである。
楽園学者ウィティスカテス?はテス人がなぜあのような行いをするのかについて、「治療のため」であるとする説を立てている。
治療とは対象を元の姿やあるべき姿へと近づけるための行為である。
ウィティスカテスの言うことには、我々からすると破壊的な紀改造ともとれるあの行いは、テス人たちにとっては、病や怪我で倒れた人を介抱したり呪術で変容した人を元に戻したりするのと同じことなのだそうだ。