ゆらぎの神話百科事典

累卵の記述項


触れたものを全て氷結させるおそるべき魔女であると伝えられている。
その全身はつま先に到るまで精緻な氷像の如き美しさだという。

魔人メクセトは武器を擬人化し人間としての肉体を与えると言う秘術を行い、七千の人民の命を犠牲に彼女は受肉した。
元来決して解けぬ魔の氷で作られた長槍であったコルセスカは、これによって人格を得た。
武器の姉妹という特異な性質は人の身になった後も引きずっており、誰かによって「使われる」ことを強く望んでいたのだと言う。
所有者の生命を凍りつかせることを代償に万敵を屠る無敵の魔槍は、しかし人化の秘術により何の代償も無く、命ずるだけで全てを凍結させる魔女になった。
神滅ぼしの武具の最後の一つと言われていたそれは、使い手を滅ぼすと言う特性を失ったため神滅ぼしの武具の欄から抹消された。


しかしこの所有者にどこまでも都合の良い兇悪な魔女というのはキュトスの魔女たちの歪さを誇張する形で自然発生した後付の性質ではないかと言われており、主に魔女弾圧の厳しかったヘレゼクシュ地方で流布しているもののようである。

●テレビ時代劇
『子守り女剣士　氷　雪華』の主人公小折　雪華

コルンセルスカ、コルセースカ