墨子は、当時の
戦争?による社会の荒廃や殺戮による世の悲惨を批判し、
政治?の目的は人びとの
幸福?にあるが、戦争は略奪・盗賊的行為であり、人びとに何の
利益?も幸福ももたらさない。他国を奪取して利益を得たとしても、蓄積された財貨を破壊する行為であることには変わらず、多くの人命も失われると説き、戦争では失うものの方がはるかに多いとして、他国への侵攻を否定する主張を展開した。『墨子』は墨子による直著とみられており、そこでは「人一人を殺せば死刑なのに、なぜ百万人を殺した将軍が勲章をもらうのか」と訴えている。