アクセス規制を受けた方のための本スレ転載用スレッド

0gunslingergirl_ss - 10/01/09 22:51:57 - ID:gunslingergirl_s

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「社会福祉公社技術部さくら板支所 第2分室」です。

社会福祉公社技術部さくら板支所 第2分室
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  • 119蘇芳 - 11/12/24 02:48:06 - ID:RHCT30NYZw

    あの子は最期に、俺を忘れた。
    あの子が最後に忘れたのは、俺だった。
    同じようで全く違う、2つの事実。
    だが、導き出される真実は1つ。

    あの子に最後に残ったのは、王子様とお姫様の物語。
    きっと、それが「夢」ってやつなんだろう。
    一番始めの実験体だったからこそ生まれた、義体化と条件付けのタイムラグ。
    それが生み出した、うたかたの夢。

    俺はアンジェリカに何を伝えたかったのか。
    俺も何もわかっていなかったというのに。
    努力、そんなものは無駄だった。
    お前は俺から去っていく、お前の意思とは無関係に。

    でも、知識も思い出も忘れても、物語が残るなら。
    俺にも何か残せるかもしれない。
    俺には御伽話を作る才能はなかった。
    結局のところ、話の冒頭以外は俺が考えたわけじゃないんだ、あの物語は。
    だから、今度こそ俺は自分の物語を綴る。

    それは夢に溢れた絵本ではないだろう。
    苦い、重苦しい物語だ。
    きっと、文字にするには重過ぎる物語になるだろう。
    だから俺は歌おう。

    お前の中にはきっと、残ってたんだ、何もかも。
    閉じ込めただけだったんだ。
    薬なんて、条件付けなんて。
    そんな大したもんじゃなかった筈なんだ。
    鍵さえあれば、きっと扉は開けた。
    嫌な記憶すら思い出せるんだ、嬉しい記憶が思い出せないわけないだろう?

  • 120蘇芳 - 11/12/24 02:49:47 - ID:RHCT30NYZw


    そして。
    俺は鍵を持っていなかったが、ペロは少しだけ鍵を開けてくれた。

    今までは時計の針を見ても人生が削られていくなんて思わなかった。
    それだけ人生は膨大だった。
    今は違う。
    お前の命は一瞬一瞬削られていたんだ。
    だから、俺はもっと鍵を探すのに努力すべきだったんだ。

    アンジェリカ。
    俺は歌おう。
    苦い歌を、怒りを込めて。
    お前の好きだった第九は、しばらく歌えそうにない。
    歓びは今の俺には遠すぎる。
    俺がお前のところに行くその日まで。
    喜ぶべきことに、俺はまだまだ忘れない。
    だから、その日まで歌い続ける。


    スレの612様の歌より作りました。
    ナタレだというのに、「人大杉」表示で書き込めません…
    セッション期待してたのですが、これでは無理ですかねえ…

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