クラエソの夏休みの友 二課の一番長い日? //トリエラ,アンジェリカ
 //クラエソの日記作者さん //クラエソの日記 //,Novelette/,Humor/ 25552Byte/ Text //2005-08-26




クラエソの夏休みの友 二課の一番長い日?



なんでああなったんだろう?



思えばあの夏は何もかもおかしかった。

課長が突然あんな事を始めたのも。

そこから公社中が一日中悪乗りと言っても良い馬鹿騒ぎを始めたのも。



一向に沈静化しないテロ事件、常に成果を問われ続ける政治的圧力。

義体との良好な関係を保つために慣れない経験で苦悩する担当官。

思えば、バカンスシーズンにかかわらず多忙を極める任務に職員は少し

ずついらいらしていたし、政治的に不安定な立場から来る閉塞感にスト

レスを感じていたのは確かだ。

一方私たち義体は暑い日ざしとセミ時雨の中、一見変わりが無い夏の

日常を送ってはいた。

トリエラは毎朝起きると日焼け止めクリームを塗り、ヘンリエッタは

度々部屋で「第97次上半期ジョゼさん攻略作戦」という怪しげな垂

れ幕を体育座りで見上げていた。

リコは珍しくジャンさんに褒められた日などは一晩中窓を眺めて雪が

降るのを待っていたというし、アンジェリカは三つ編みでご出勤。

そういえばビーチェは不注意なベルナルド氏の屁で数日寝込んでいた。



一見いつもと変わりが無いような日常、しかし見る人が見れば少しずつ

微かな違和感が漂っているのを感じていただろう。



それは、ちょっとした何かの沸点が迫っている予感。

振り返ってあの日を例えれば、問題にならないはずの些細な狂いを一つ

一つの歯車が長い間積み重ねてきた結果、突如深夜に正午の鐘をロック

で鳴らしてしまった大時計のような物だったのかもしれない。

そんなものがあるのなら、だけど。



あの日を境に違和感は無くなり、今ではまるであんなことが無かったかの

ようにいつもどおりの公社の日常が流れている。

全てはあの、暑い夏の暑さが戯れに見せた幻だったのだろうか・・・。

■社会福祉公社2課オフィス内休憩所



それは軽食時の課長の一言で始まったという。



課長 「おい、お前達、ここにあったピザはどうした。

    私の分は無いのか?」

バカンスシーズンだというのに職員の喧噪絶えない社会福祉公社オフィス。

その一角に並ぶテーブルと簡素なソファは職員の一服のための簡易休憩所。

今は良質のモッツァレラの残り香が濃厚に漂う真ん中で、担当官達が揃って

硬直している。



課長 「なあ?」

ソファの上で肩を寄せるマルコーとラウーロが、口を冬眠前のリスのように

膨らませて仲良くふるふると首を振った。

課長 「ええ?」

反対側のソファを見ればジャンとジョゼがコップ片手に揃ってあさっての方

を向く。

課長 「どうなんだ?」

テーブルを見下ろせば、全員分あったはずのピザが変わり果てて、今は皿一

面これ見よがしに散らばるチーズとアンチョビの欠片。

課長 「お前ら?」

アマデオとプリシッラが口を拭って口笛を吹くその横で、ヒルシャーだけが

ばつが悪そうにかじりかけのピザと課長の顔を交互に見比べると。

ヒルシャ「あ、ええと・・・食べます?」

課長の前に恐る恐る差し出した。

課長  「いらん」

ちょっとほっとした顔で急いで口に押し込むヒルシャー、頬にケチャップの

筋が走る。

課長  「別にピザにこだわっているわけではないが、こんな仕打ちを受け

     るとは思わなかったぞ、全く信じられん奴らだ。」

亀のように首をすくめるその横でおほんと我らがジャンが咳払い。

ジャン 「課長、お言葉ですが、そんなことで怒ってたら器が問われますよ」

ジョゼ 「そうそう、職場の信頼関係は大事にしなくては。」

真面目ぶった顔でうなずく2人、兄弟共に上唇が赤い。

課長  「信頼関係を大事にすると私のピザが無くなるわけだ。」

ラウーロ「いやだなあ、課長。」

マルコ 「食べ物の恨みで部下にあたるなんて小さい、うん、小さいですな」

すかさず「同意」と頷く担当官一同。

課長  「ほう、私が食い物の恨みで部下に当たっていると?」

ラウーロ「課長には担当官と義体の信頼関係を見習って欲しい物ですね。

     個人的感情であたったり、信頼関係を壊すだなんてもってのほか

     ですよ」

マルコー「そうそう、怒らない怒らない。」

課長  「つまり、だ、ピザ一枚、些細なことなど忘れて、私に担当官と

     義体の信頼関係を学べと」

ジャン 「平たく言えばそういうことです、うむ」

課長  「お前達は私に見習って欲しいほど義体を最大限信頼していると」

ヒルシャ「いや・・まあ、そこまで言われると・・」

マルコー「まあ、そこは我々はプロですから、なあ?、みんな」



課長  「その言葉に嘘は無いな。」



担当一堂「え?」

課長  「成る程、そーかそーか、では一つお前達を試してやろう」

1人にんまりと悦に入る課長の得体の知れない腹の内。

訝しく眺めながらも、担当官達に出来ることはオウム返しに聞き返す事ぐら

いだ。



担当一堂「我々を?、試す?

−−−−−−−−−− 翌   日−−−−−−−−−−−−−−−−



■[LIVE] 中庭リング下放送席



クラエソ「戦いの予感が少女を呼ぶのか、それとも少女の性が戦いを呼ぶのか。

     公社の皆様お待たせしました!。

     猛ける火柱の向うから戦いの予感が少女の形になって今、花道の

     向うからひしひしと感じられます、この闘気!。

     ここ、社会福祉公社ローマ本部中庭上空は快晴!、中庭特設リン

     グ周辺には公社は勿論、ご近所から集まった暇人・・いや、ガン

     スリファイトファンが運命のゴングをいまや遅しと待ち構えており

     ます!

     名づけて!、2005エスターテ!、勝ち取れ!、なんと課長公認!。

     夏の「担当官1日好き放題命令チケット」争奪戦!。

    「バトルオブゴールデンチケット!」

     実況は私、最近ヨーグルトダイエットがマイブームのクラエソと!」

アマデオ「愛の伝道師アマデオです、拍手ーっ!」

観客  「パチパチパチパチパチ!」

アマデオ「では、選手控え室前と映像が繋がっています、聞こえますかあ?」



■[LIVE] 特設ステージ裏選手控え室



義体s 「はーーい!!」

アマデオ「みんなあっ、担当官に好き勝手命令してみたいかー!」

義体s 「おーっ!」

アマデオ「一日中あんなこととかこんなこととかさせてみたいかーっ!?」

義体s 「おーーーーーっ♪!!」

アマデオ「よおし、絶対勝って担当官にいろんなことさせちゃうぞーっ!!!」

義体s 「キャーーーーーーーーーっ♪!!」



カメラの前で黄色い声で頬を紅潮させて辺りを両足で飛び跳ねる義体達。

その少し離れた物陰で青い顔の担当官達が課長に泣き顔で詰め寄っている。

ジャン 「かっちょおおおお!?」

マルコー「何ですか?これ、自分の義体が勝ったら1日言うこと聞かなきゃな

     らんのですか?

ラウーロ「終わりだぁっ、俺は終わりだあっ」

動揺する担当官達に課長の一喝。

課長  「やかましい!、「全員1日義体の言うことを聞け」としなかった

     だけ感謝しろ!」

ジョゼ 「でも・・これはちょっと・・」

課長  「いいか?、これはお前ら担当官に対する一種の査定試験だ!

     勿論一勝する度にお前らの評価はプラス!」

ジャン 「評価アップ!?」

課長  「勝った順位に応じて臨時ボーナスもつける!」

ラウーロ「ボーナス!?・・それは欲しい」

課長  「自分の義体を信じないでどうしてこの先やっていけるのか!

     担当官なら日々積み重ねた物を信じて腹を据えろ!」

マルコー「うーーーん、なんか上手く誤魔化されているだけな気も・・」

課長  「なんだ?、他にまだ言いたいことがあるのか?」

ラウーロ「自分としては・・・1日義体の言うことを黙って聞くというのは

     ちょっと・・」

ジャン 「やっぱり、それだけでもなんとかなりませんか?」

課長  「全く・・まだ言っているのか、

     義体といっても所詮年頃の娘だ、軽い洒落ぐらいにしか

     考えておらんよ、ほら、彼女達を見ろ!。」



促されて一斉に義体達の方を見る担当官たち。

見れば色とりどりのスパッツやワンピース水着達が異様な熱気の中でパワフル

に蠢いている。

シャドーボクシングをするアンジェリカ、憑かれた目でダンベルを振るヘンリ

エッタ、お昼寝するリコ、舌なめずりするエルザ、鏡の前で胸の詰め物をよせ

て上げて直すトリエラetcetc・・



満足げに微笑む課長の背後に慌しい足音。

課長  「こら!、担当官共、逃げるんじゃない!!」

■[LIVE] 中庭リング下放送席





アマデオ「ではクラエソ、今回のキーワードを説明してもらおうかな」

クラエソ「日々過酷な任務にいそしむ私達義体にとって担当官はコーチ

     であり、上司ででもある絶対服従唯一不可侵の頼れるフラテッ

     ロであります、が!。」

アマデオ「高齢出産みたいに年の離れたのもいるけど」

クラエソ「しかし!、今日もがんばる義体s達に、夢の企画!

     ロレンツォ課長の提案によりなんと!、憧れの担当官に一日中

     好き勝手に命・・いや我ままをおねだり出来るという、正に

     公社中の乙女への贈り物!、天使がくれた肩叩き券!。

     その名も「担当官1日好き放題命令チケット!!」

アマデオ「ぶっそうな肩叩き券だなあ、おい」

クラエソ「そうですか?」

アマデオ「じゃあ例えばどんな命令を?」

クラエソ「課長には話したんですけど、あの・・内緒ですよ?。

     例えばエルザはゴニュゴニュゴニュゴニュですって」

アマデオ「・・・・」

クラエソ「本当にラウーロさんには内緒ですよ?」

アマデオ「それって痛くないの?」

クラエソ「多分」



■担当官控え室



テレビに掴みかかるラウーロ

ラウーロ「痛いってなんだ!?、俺は何をされるんだ!?」

ジャン 「落ち着け!」

■[LIVE]再び中庭リング下放送席





クラエソ「「最強」の二文字を証明した義体のみが勝ち取るこの特典!

     これを手にした乙女は、一日だけ条件付けがどーたらとかは

     一切「(∩゚д゚)アーアーきこえなーい何も聞こえなーい。」と聞

     く耳不要なローマの休日モードも夢ではありません!。」

アマデオ「今大会の主催者であるロレンツォ課長に放送席に来てもらい

     ました!一言!」

課長  「あー、なんだ、ラウーロ、・・・すまない」

アマデオ「課長から激励の言葉を頂きました!」



■担当官控え室



またまたテレビに掴みかかるラウーロ

ラウーロ「課長!、何故謝るんですか!?、何故!?、離せっ

     アマデオ!、何で目を逸らしてんだ!?」

ジャン 「だから落ち着け!」

■[LIVE]中庭リング下放送席





アマデオ「これは義体達は負けられない、意地を見せて欲しいところだ。

     現代のコロッセオにあどけない瞳の戦乙女達が集う瞬間は後少し!、

     ロープに囲まれた乙女たちのフロンテに第一歩を刻む少女は誰な

     のか!。

     注目の花道!」



ドォオオオオーン!!



アマデオ「閃光と共に七色の炎が花道の両脇に立ち上った!

     「GUNSLINGER GIRL」のレーザータイトルが観衆の頭上を切り刻む

     ように乱舞する!

     場内一斉に息を呑んだこの静けさ!

     さあ火柱と共に最初に花道を踏んだのは!?」

ジョルジ「アァァァァンジェリィカァァー!!」

観客  「ウォォオオオオオ!!ブラァアアアボォ!」



クラエソ「さあ雷鳴のように轟く歓声を割って黒髪の天使が花道に降臨だ!、

     清楚な瞳に流れる黒髪、不安気な表情もまた愛らしい!

     恥らう微笑みはまさに童話の本から抜け出たプリンシペッサ!

     病室の花!、天然和みキャラと言われた日は大体昔!

     このきりりと引き締まった唇が新生アンジェリカの証だあっ!

     じゃあ一度は死んだのか?という質問はあなたも私も言わない良い

     子の約束!

     バトルの結末まで純白のワンピースは果たして白いままでいられ

     るのか!?

     それともカウントの果てに天使の名が独り立つのでしょうか!

     リングは私には狭すぎます、グランドにロープを張って欲しかった!、

     さあ、無垢な恥じらいでファンの心もわしづかみ!。

     デンジャラスなパスタ姫、アンジェリカ!、マルコーさんの後ろか

     ら恥じらいながら今堂々の入場だぁっ!。」

観客  「うぉぉおおおお!」

クラエソ「まさしくリングは「戦場」と言う名の大聖堂!、そこに今!、勇者を

     迎える歓喜という名の賛美歌がこだましております!

     ベロ、ベッラ、バンビーニの三重奏!、その間を健気に毅然と進む

     姿は現代に転生したパスタ姫とそれをいびる意地悪王様!!

     我々はこの21世紀に神話が甦る瞬間を立ち会っているのでしょう

     か!?」

アマデオ「神話というより赤頭巾ちゃんとオオカミかな?」



マルコー「やかましい!」



クラエソ「赤面しながら観客席から求める握手をマルコーさんのお尻の影か

     ら不慣れながらも次々と握り返していますアンジェリカ、健気で

     す!。

     涙を流しながら手首を抑えて転げまわる観客が続出!、」

アマデオ 「折れてるな、あれ」

クラエソ「感涙にむせんだ観客が涙が止まらないまま次々に救急車に運ばれ

     ていきます!、まさに忘れられない記念になるでしょう!

     あ、今公社の医療班が向かっています!」

ドナート「あー、医療班?、ドナートだが手首を押さえて痛がってがっている

     観客は速やかに応急処置を、何?、嬉しがってる?、そっちは精神

     病院へ送ってくれ」

クラエソ「リング上に昇ったアンジェリカ、何故か体育座りで花道を見つめ

     てます!

     さあ、握撃プリンセス!OVA最終回だけヒロインに挑む命知らず

     は誰なのか!」

ジョルジ「トォリィエェーェェェラアァァ!!」

アマデオ「ツインテールをなびかせて、小麦色のショットガンが弾かれる

     ように飛び出した!、ワイシャツネクタイ、そしてボーイッシュ

     な魅力の小粋な長ズボン!、風になびくネクタイを、お!、脱ぎ捨

     てた!?」

プリシッ「きゃあ!、大胆!」

クラエソ「ネクタイを腕いっぱいに引き抜いて次はワイシャツだあ!

     ちょっと待ってよ、みんなが見ている!?」

アマデオ「脱衣か!?脱衣なのか!?13歳の性が目覚めてしまったのか!?

     あーっと脱衣だぁ!、現れたのはあられもない・・いや黒いタンク

     トップにリングに向かって躍動するスパッツ!!・・胸の不自然な

     膨らみに、見えた少女の乙女心!。

     イタリアが作り出した史上希なる機能美!、トリエラ格闘スタイル

     だあっ!」

クラエソ「・・っていうかルームメイトとしては胸に無意味な見栄を張るのは

     止めたほうが良いと思うけど・・・」

トリエラ「大きなお世話」

プリシッ「トリエラちゃあん、かっこいい!」

アマデオ「公社の品行方正学級委員とは世を忍ぶ仮の姿、その正体は飲酒も覚

     えた義体棟の女総番長!「金髪・小麦色・ツインテール!」作者が3

     物も与えた少女!その実力は折り紙付き!

     撃ってよし!、勉強して良し!、歌って良し!、捨てゴロ上等!、でも男子

     トイレは苦手かも!、他の作品ならミニスカ穿いて日曜日の午前には魔

     法のステッキの一本でも振り回していたはずだ!、勿論視聴率も!。

     正に幻のヒロイン!

     嗚呼ヘンリエッタさえいなければと枕を濡らす夜があったとか無か

     ったとか!、人呼んで!」

クラエソ「人呼んで!」

アマデオ「男に逃げられ人生娘!」

クラエソ「・・・・・え?」

トリエラ「ちょっと何よそれっ!?」



アマデオ「ナポリで年上に逃げられ、モンタルチーノで若い男に又逃げられ

     た!

     追う男追う男、いつも寸前で私の腕の中をすり抜ける、ああ、少

     女が青い鳥に巡り会うのはいつの日か!?

     あ?、そういえばナポリでは娘にも逃げられたんだっけ?」

クラエソ「・・・アマデオさん?・・・ヒルシャーさんが後ろに来てるんです

     が・・聞いてますか?」

アマデオ「まさに薄幸の美少女!、努力の報われなさは公社1!、しかし!

     私は立ち直って見せます、どうせいつものことだから!。

     私の人生、太く・短くショットガン人生!、

     ショットガンナーは落ち込んでもリロードの早さが自慢です!

     でもヒルシャーさんにまで逃げられたら青春時代に後はない、

     崖っぷち13歳!・・・ンガ!?・・ン!?」

クラエソ「私知ーらないっと」

ヒルシャ「アマデオ、ちょっと一緒に来てくれないか、話したいことがある」

アマデオ「ンー!?、モガッ!?モガ!」

ヒルシャ「Wohin gehst du? Komm mit mir !」



クラエソ「えー、アマデオさんがヒルシャーさんに連れられてトイレ休憩に

     行きましたので不肖、クラエソのみで実況を続けさせていただき

     ます。」

アルフォ「赤コーナー○○ポンド、トリーエーラー!・・青コーナー・・・」

クラエソ「イタリアの国のアリス達が少女の夢「担当官1日好き放題命令

     チケット」目指して迷い込んだ6メートル四方の悪夢!。

    ルールは危険の代名詞、変則バーリトゥード!、3ラウンド3カウント

    フォール制、禁止は目突きだけ!、と言うことは金的オーケー!?。

    でも女の子ですから大丈夫、一応。

    まさにリングは男子禁制!、うかつに落ちたら担当官も危ないです!、

    そんな中で一人リングに立つレフェリーのジョルジョさん!

    毅然とした面持ちでリングを見渡しています!

    改めて公社課員の勇気と男らしさを見る思いです!」

ジョルジ(これって俺に何かあったら労災おりるんだろうなあ?

     アマデオ・・・代わってくれよお、どこ行ったんだよお!)

カーーーーン!

ジョルジ「ファイト!」

■[LIVE]トリエラコーナー

トリエラ(あっつうー、ヒルシャーさん私を置いてどこに行ったんだろう?

     ・・べ、別にずっとついていて欲しい訳じゃないけれど、うん)

■[LIVE]アンジェリカコーナー

マルコー「とにかく動くんだ、相手を良く見ていけ」

アンジェ「はい、マルコーさんがんばります」



クラエソ「さあ、暑い暑い真夏の聖女聖誕祭!、イタリア少女裸祭りが始ま

     った!

     無情なゴングが観客席ごとカーニバルにさらう第一ラウンド!。

     なんとか握力地獄にひきずりこみたいアンジェリカ!。

     捕まる前に体力を削いでフォールしたいトリエラ!。

     2人の弾丸列車が少女の儚い願いを乗せて一直線に飛び出した!。

     先手必勝とばかりに迫る褐色の槍!、危うし純白のプリンセス!

     ライバルを蹴落として終着駅に着くのはどっちだ!?」

トリエラ(なんとか最低限のダメージで終わらせなきゃ!)

トリエラ「アンジェリカ、御免ね」

アンジェ「あっ!?」

クラエソ「パアンと響きます鞭の音!、いやトリエラのミドルキックがアンジ

     ェのか細い足を捕らえた音だ!

     ロー・ロー・ミドル、両肩を躍動させて小刻みなワンツーから

     ストレートへ!、ガードされて又ミドル!。

     激しく交わる太ももと太ももに観客の目は釘付けだ!

     初っ鼻から飛ばすトリエラ、このラウンドで終わらせる気でしょ

     うか!?

     ミドル、タイ式ミドル、執拗にアンジェのももを襲う!

     やはりオーソドックスながらミドルの腰の切れが目を見張る。

     凄いぞトリエラ、ヒルシャーさんの仕込みが光る一番絞り!。

     蹴り技の特選黒ビール!

     おっとアンジェリカ!、早くも足元酩酊状態!?。

     恐るべし!トリエラ!、恐るべしドイツ黒ラベル!」

トリエラ(アンジェリカ、お願い、フォールさせて!)

アンジェ(私・・負けたくない、勝ってマルコーさんに・・・をしてもら

     うんだから!)

■[LIVE]アンジェリカコーナー

マルコー「止まるな!、動け!」



クラエソ「疾風怒濤のトリエラ連打!、これはトリエラ絶好調だ。

     何か強い薬でもうったのか!?、いや打ったのは頭である可能性も

     捨てきれない!。

     蹴って蹴って蹴って蹴ると見せかけてやっぱりトラースキック!

     全弾アンジェリカガード!、掴みたい掴みたいアンジェリカ!

     吠えるミドルの隙間からトリエラの腕を取りに行く!、行ったあ!」

パアン!

アンジェ「くぅ・・」

クラエソ「アンジェリカ、ロープ際に吹っ飛んだ!吹っ飛んだ!、これは堪

     らない!、ナポリでマフィアが見た異常気象、小麦色の竜巻!、

     後ろ回し蹴り!

     掴みに行った手を肘で弾かれてガードごとくらってしまいました!

     揺れるロープに白いお尻が挟まった!、光るフラッシュ、群がる

     パパラッチ!」

課長  「こちら課長、聞こえるか、ニハッド、愛を教えてやれ」

ニハッド「無線良好、こちらニハッド、了解」

クラエソ「それをニハッドさんがまとめてリング下に引きずり込んだ!

     ああっ出てこない!?

     一体どんな愛を教えているのでしょうか!?、

     リングの上も下も凄いことになってる!。

     っていうか、ちょっとトリエラ!、アンジェは病み上がりなんだか

     ら少しは考えてあげなさいよ!」

トリエラ(考えてるんだってば・・)

トリエラ「そっちこそ、さっきから聞いてたら私が悪役みたいじゃない!」

クラエソ「そ?、そう?」

トリエラ「うん」

クラエソ「・・・・(∩○д○)アーアーきこえなーい」

トリエラ「そんな可愛い顔しても誤魔化されない」

■[LIVE]アンジェリカコーナー

マルコー「大丈夫か!?アンジェ!、これは仕事じゃない!、無理するな!」

アンジェ「大丈夫ですマルコーさん」



クラエソ「セコンドから飛ぶマルコーさんの言葉に首を横に振りますアン

     ジェリカ!、マルコーさん早くもタオルを手にしている!」

トリエラ(なんでそこまでがんばるんだろう?、マルコーさんもそう言ってる

     のに)

アンジェ(私が勝たないと・・・マルコーさんは・・)

クラエソ「アンジェリカ、トリエラを用心深く見ながらロープから離れると

     肩で息をしながら輪ゴムで髪をまとめています。

     揺れるポニーテール、足取りもしっかりと中央へ、1ラウンドか

     らダメージが大きいアンジェリカ、さあ仕切り直せるか!!。」

ジョルジ「ファイト!」

クラエソ「仕留めるかトリエラ、一挙に間合いを詰めて・・かわされた!。

     ワンツーからのストレート、ポニーテールが紙一重でしのいでま

     す!。」

トリエラ(当たらない!?)

クラエソ「なんと今度は意外、トリエラの動きをまるで読んでいるかのように

     右に左に翻弄している!。

     アンジェリカ素晴らしいフットワークだ!」

マルコー「そうだ、止まるな!、動け!」

クラエソ「伊達にグランドを走らされているわけでは無いぞグランドの姫君!

     上手くトリエラを掴む機会をうかがっている!

     おーっと褐色の美脚が横殴りに襲う、スピンキック!

     ・・・がこれも綺麗な空回り!

     流れるように沈んだポニーテール、軸足を狩るまさかの強烈な一撃!、

     水面蹴りだぁ!」

トリエラ「うわっ!?」

クラエソ「背中から転倒したトリエラ!、これは!?、背中でマットを掴み腰から

     両足を捻り回した!、速い!

     人間扇風機がアンジェリカの追撃を阻む!、涼しそう!。

     スパッツの風車を目の前に用心深く止まったアンジェリカ!。

     ここで突っ込むとドンキホーテになったところだ!。」

カーーーン!

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