黄金色のマフラー〜続き(ヒルシャー視点) // トリエラ,ヒルシャー
 //黄金色のマフラー //,Snippet/,Romanc/e 4374Byte /Text //2005-12-12


黄金色のマフラー〜続き(ヒルシャー視点)


私《ヒルシャー》の首筋に巻かれた彼女の髪の毛は、少しひんやりとしていた。

彼女は背伸びをして、両の手は自分のテールの先っぽをつかんでいる。

自然に私たちは正面から寄り添う形になった。

彼女の体温がコートの上から伝わってくる。

「ありがとう、トリエラ」

と、言って、私は自然に彼女の背に手を回しかけた。

が、その声でハッとなった彼女は、私の胸を手で突っ張って離れようとした。

しかし、髪の毛で私とつながっているものだから二人で同時に、

「きゃっ、痛い」

「うぐっ、喉《のど》がっ」

と、声を上げるはめになってしまった。

「ひ、ヒルシャーさん、ごめんなさい」

「ちょっとまて、トリエラ」

と、私はトリエラの髪の毛を首から解き、

「こ、こうやって、つながっていては、仕事に差し支えそうだな」

と、冗談めかして言った。

トリエラは、

「はぁ〜。危うく、また、どじ踏むところでしたね」

などと、ちょっと頬を染め、照れ隠しを言ってる。



トリエラは、困ったような顔をしていたが、腕時計を見やり、

「さ、時間です。突入しますよ」

と、私に背を向け、ウィンチェスターを構えた。

(もう少しで彼女を抱きしめてしまうところだったな・・・)

などと、思いにふけっていた私は、両手で頬をパンとたたいて、気合を入れなおした。

「よし、いくぞ」

と、声を掛け、二人でパダーニャのアジトへ向かった。

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