朝鮮人戦時動員、いわゆる強制連行に関するウィキです。

否定派の主張

戦時中、「朝鮮人強制連行」という言葉は使われていなかった。これは朴慶植が戦後作った(捏造した)言葉だ。

反論

当時使われていなかった言葉が歴史用語として使用されることに問題はない


確かに、戦時中には「強制連行」という表現は使われていませんでした。しかし戦前の史料の中には「拉致」や「強制」といった、戦時動員の実態を示唆する表現が使われているもの(資料4)もあります。


「朝鮮人強制連行」という表現が1965年に出版された朴慶植「朝鮮人強制連行の記録」によって一般に広まったのは確かです。しかし、それ以前の時期、朝鮮総督府に勤めていた鎌田沢一郎による「朝鮮新話」(1950)では朝鮮人戦時動員を「労務動員の強制」「誤つた強制徴用」、1955年に刊行された「在日朝鮮人処遇の推移と現状」(法務省法務研修所)という文書(執筆者は森田芳夫)では「強制移住」と表現されており、「強制連行」とそれほど大きな違いはありません。


そもそも歴史用語の中には、後にその時代を歴史学者が検証して作られたものが少なくありません。分かりやすい例で言えば「縄文時代」や「縄文土器」という言葉が縄文時代に作られたわけではありませんが、だからと言ってそれを歴史用語として不適当だという人はいないでしょう。


「強制連行」という呼称が妥当か否かについては、これまでも研究者の間で議論されてきましたし、今後も検討の余地はあるでしょう。しかし「当時使われていなかったから」という理由で「強制連行」という用語を使用すべきでないという主張は、歴史学の方法論を無視した暴論と言うべきでしょう。


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「強制連行」という言葉について

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