朝鮮人戦時動員、いわゆる強制連行に関するウィキです。

否定派の主張

日本では1939年7月に国民徴用令が公布され、国民の徴用が始まったが、朝鮮で徴用が始まったのは1944年の9月だった。これは朝鮮人が日本人より優遇されていた証拠だ。

反論

徴用がすぐに本格実施されなかったのは、反発を恐れたため


朝鮮における本格的な徴用が日本内地と同時期に行われず、(ただし1944年9月以前に全く徴用がなかったわけではなく、軍要員の徴用は行われていました)代わりに「募集」方式が採られたのは、朝鮮人を優遇したというより、徴用に対する反発が反日運動や独立運動につながることを恐れたためと思われます。現に朝鮮での徴用が始まると、それに対する抵抗運動が朝鮮各地で活発化し、それが帝国議会で問題になったほどです(資料19)。

それに加え、朝鮮半島で徴用(それを実施するためには、人員に関する精密なデータや事務処理が必要とされます)を行うには、当時の行政機構や人員が不足・不十分であったという背景があったことを外村大氏が指摘しています。


また募集・官斡旋の場合、徴用とほぼ同様の扱いだったにも関わらず、労災の補償や死亡した際の遺族の援護が日本人に対する徴用ほど十分ではありませんでした。この点から考えても、徴用適用の遅れが朝鮮人に対する「優遇」であったとは言えないでしょう。


参照
朝鮮人強制連行―その概念と史料から見た実態をめぐって―

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