朝鮮人戦時動員、いわゆる強制連行に関するウィキです。

否定派の主張

1959年7月13日の朝日新聞に、「強制連行された朝鮮人は245人だった」と報道された。何十万もの朝鮮人が強制連行されたというのは嘘だ。

反論

徴用されたのが245人というのは誤読。実際には徴用だけでもおよそ20万人


この新聞記事(資料16)はネットでかなり多く出回っていますが、「徴用された朝鮮人の数が245人だった」というのは記事の誤読です。これは「国民徴用令」によって日本に連れて来られた朝鮮人の内、1959年当時に日本に在住していた人の数が「245人」であったと報道しているのであって、徴用された朝鮮人が245人しかいなかったと言っているのではありません。


またこの記事では「戦時中の国民徴用令による徴用労務者はごく少数」と具体的な数字を明らかにしていませんが、大蔵省管理局『日本人の海外活動に関する歴史的調査』朝鮮編などの資料によれば、1944年〜1945年度に国民徴用令で朝鮮から日本本土に新規徴用された数は21万975人。戦時動員の内の徴用だけを見ても決して「ごく少数」ではありません(なお、朝鮮人戦時動員全体の人数の概数については朝鮮人戦時動員の人数を参照のこと)。

この記事の「245人」という数字がどのような調査あるいは資料によるものなのか、詳細は分かりません。しかし徴用のほか、募集や官斡旋によって来日し、戦後も日本に残留した人を含めれば、その数はもっと多くなると思われます(在日コリアン史研究者の外村大氏は論文「在日コリアンと強制連行―1959年発表の「外務省資料」をめぐる議論に関連して― 」において、戦時動員によって来日し、1959年の時点で日本に留まっていた朝鮮人の数を「精度の高い推計は困難」としながらも、数千人〜一万人ほどという推計値を挙げ、「ごく少数と片づけられる規模ではない」としています)。


なお、この件については朝日新聞の記事が有名ですが、朝日新聞以外にも毎日新聞(資料17)や読売新聞(資料18)、また地方紙にも掲載されました。


参照
「強制連行は200人程」という誤認
「59年外務省見解」は朝日だけが載せたのではない

メンバーのみ編集できます