07/08/10 全国最高協議会

全国最高協議会でのスピーチ


 一、さあ、きょうも、新たな気持ちで出発しよう!
 昇りゆく太陽のように、わが生命を赫々と輝かせながら、生き生きと前進するのだ。
 一日一日が、勝負だ。
 一日一日が、研鑽(けんさん)だ。
 一日一日が、人間革命の闘争だ。
 戸田先生は語っておられた。
 「信心で、自身を磨いていけ! いい輝きが出るようになる」
 大事なことは、リーダー自らが日々、自身を磨いていくことだ。
 自身の弱さと戦い、自分の殻を一つ一つ打ち破っていくことだ。人間革命していくことだ。
 戸田先生は言われた。
 「生命力が弱っていては、戦は負けだぞ!」
 覇気のない幹部。惰性に流された幹部。自分は何もしないで、人にやらせてばかりいる幹部。
 そうした人間に対して、先生は本当に厳しかった。激しく叱咤することもあった。雷鳴のごとき師の叫びに、震え上がる人間もいた。
 
 一、皆さんは、同志に勇気と希望を送る存在であってもらいたい。
 「人々がどう自立し、生命力強く生ききっていけるか。宗教は、その点に鋭く目を向けねばならない」
 これも戸田先生の指導である。
 愛する同志と肩を組む。一人一人と固い握手を交わす――そういう思いで、最前線の友が安心し、自信を持って戦えるように、最大の励ましを送っていただきたい。
 そして、どこまでも謙虚に、誠実に、会員の方に接していくことだ。幹部だから自分は特別だと思ったり、威張ったりする人間は最低だ。
 広宣流布に生きゆく人は、全員が尊き仏子である。平等に偉大な存在なのである。

 一、「二人の人間の間で交わされる、一対一の対話においてこそ、その内容は、最も高く、最も深いものとなる。我々の心は高揚し、そこから、内なる天空に輝き続ける思想はうまれる」
 これは、アメリカの思想家エマソンの卓見である。
 一対一の対話ほど、強いものはない。
 学会においても、幹部が一方的に「上から」話す時代ではない。
 大勢の前で話をして、拍手をもらって、広宣流布が進んでいると思うのでは、幻想である。夢を見ているようなものだ。
 もちろん、会合には重要な意義があるし、大きな会合が必要な場合もある。
 しかし、それだけでは、「一方通行」になる。魂に入りにくい。
 牧口先生も、戸田先生も、座談会のような少人数の集いを重視された。
 そして、一人一人が、対話を通し心から納得して、行動を起こした。だから学会は、飛躍的に発展したのである。
 私自身、大人数の会合で話す際も、なるべく、一人一人に声をかけることを心がけている。
 一対一で語り合ってこそ、本当のことが分かる。
 一対一の触発があってこそ、一人一人の持つ「大きな力」を引き出していくことができるのである。
 すぐに「人を集める」のではない。
 幹部自らが「会いに行く」。
 友の励ましのために、一軒一軒、足を運ぶ。
 その地道な労苦によって起こした「一波」が、「万波」に広がっていくのだ。

 一、きょうは、海外のSGI(創価学会インタナショナル)を担当する日本のリーダーも参加されている。
 とくに海外では、その人その人に応じた、柔軟な対応が大事になってくる。
 その意味でも、一対一の対話を地道に積み重ねていってもらいたい。
 また、どうしても、人数の多いところは、にぎやかだし、幹部も目がいきがちだ。
 しかし、同志の少ないところ、これからのところに、どのようにして活動の勢いを広げていくか。それが重要である。
 たとえば、会合に集ってきた人が一人であっても、「よく来てくださいました。きょうは、ゆっくりと二人でお話をしましょう!」と温かく包んでいく。
 弘教が進まなくても、「大丈夫ですよ。信心をしている、あなたが生き生きと輝いていることが一番の折伏なのです」と明るく励ましてあげることだ。
 励ましがあれば、相手の心に「張り合い」ができる。
 そこから、「やってみよう!」「がんばろう!」と前進の力がわいてくるものだ。
 日蓮大聖人は仰せである。
 「木を植える場合には、大風が吹いたとしても、強い支えがあれば倒れない。もともと生えていた木であっても、根が弱いものは倒れてしまう。たとえ、ふがいない者であっても、助ける者が強ければ、倒れない。少々強い者であっても、独りであれば、悪い道では倒れてしまう」(御書1468ページ、通解)と。
 ゆえに「支える人」が大事だ。学会は、ともに仏道修行に励む“善知識の集い”なのである。
 戸田先生は言われた。
 「自分を大事にするのと同じくらいに、人も大事にしたら、人材も出てくる」と。
 ともあれ、メンバーが功徳をたくさんいただいて、一人一人が人生を楽しんでいくための仏法である。
 そうなるために、真剣に祈り、手を打ち、地道に行動していくことが、リーダーの戦いである。
 海外を担当する皆さん方は、使命ある世界広布のパイオニアである。苦労も多いと思うが、自分自身の大きな歴史をつくっていくのだとの強い気持ちで、勇敢に進んでいっていただきたい。

 一、だれも見ていないところで、どれだけ真剣に祈れるか。広布のため、同志のために尽くせるか。指導者の真価は、これで決まると言って過言ではない。
 私は見えないところで全同志の幸福のため、学会の発展のために、最大に力を尽くしてきた。命を削る思いで、あらゆる手を打ってきた。
 だれが知らなくとも、諸天善神は厳然と我々を見ている。御本尊が賞讃してくださることは間違いない。
 これが大聖人の仏法である。信心なのである。

 一、ノーベル平和賞受賞者のロートブラット博士は、私との対談で述べておられた。
 「若者の情熱はとても大切です」
 「青年の情熱、力、意気込みは、時には過激すぎたり、極端になったりしますが、それでも重要です。
 私はいつもそれを、広い心で包み込み、踏みつぶしたり、消沈させたりしないように努力してきました。反対にその情熱を燃やし続けるよう激励してきました」
 博士は90歳を超えてなお世界を飛び回り、平和のため、核兵器の廃絶のために戦っておられた。自身が青年のごとく戦うとともに、若い世代の育成に全力を注がれた。
 同時多発テロ事件から間もない2001年10月、私が創立したアメリカ創価大学を訪問し、1期生たちを前に記念講演を行ってくださったことも忘れられない。
 若き世代に、平和への思いを語りたい。青年に、すべてを託す以外ない――そういう思いで、生命を振り絞るようにして講演してくださったのである。
 青年が大事だ。
 青年こそ世界の宝である。平和への希望なのである。
 大きな事業を完成させるために、必要なものは何か?
 ドイツの詩人ゲオルゲは、それは「若い力」と「大胆な企てを敢行する新鮮な精神」であると綴っている(富岡近雄『ゲオルゲ全詩集』郁文堂)。
 新しい人材を見つけ、育てていく。不屈の闘争精神みなぎる青年を育成していく以外に、学会の未来もない。
 指導者の皆様は、この一点を深く命に刻んでいただきたい。

 一、この協議会には、信越の代表も参加しておられる。
 先月の新潟県中越沖地震で被災された皆様に、改めてお見舞いを申し上げたい。
 また、地震の直後から青年部を中心として、多くの友が被災者の救援活動に全力で取り組んでくださった様子は、詳しくうかがっている。
 私は妻とともに、愛する新潟の同志が雄々しく立ち上がり、幸福の大道を歩みゆくことを真剣に祈っている。お題目を送り続けている。

 一、ともあれ、いよいよ新たな戦いのスタートである。戦うからには、断じて勝つことだ。勝ち戦をすることだ。
 そのための最高の作戦と行動をお願いしたい。
 各地では猛暑が続いている。体調にも十分気をつけて、充実した毎日を過ごしていただきたい。
 各地域に戻られましたら、尊き同志の皆様に、どうか、くれぐれもよろしくお伝えください。
 新たな歴史を断じて勝ち開こう!
 また、お会いしましょう!(大拍手)

(2007・8・10)
 


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2007年08月16日(木) 22:39:40 Modified by hakata_dan




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