橋本多佳子様 / 海燕 - 龍舌蘭咲きて大き
龍舌蘭咲きて大きな旱り来ぬ   橋本多佳子 (48)
2008/08/10 18:53

【夏の季】  (日輪と龍舌蘭)


龍舌蘭はメキシコを中心に米国・南西部と中南米の熱帯域に自生する。

葉の形があたかも龍の舌を思わせる処から、その名前がついています。

一般に普及している「蘭」は外観が異なりますが、全くの別品種です。

尚、五十年とか百年に一度咲くといった誤った認識がされていますが、

事実は、気候等の条件さえ揃えば花は毎年でも咲くといわれています。

花茎は5月初旬ごろから伸び始め、暑い7月下旬ごろに咲くようです。

花茎の直径は6〜10センチ、花茎高は5〜10メートルに達します。

長い花茎を一度だけ伸ばして花が咲き、その一生に終止符をうちます。


砂漠地帯に自生するとされる龍舌蘭は大好きな高温・乾燥の夏を喜ぶ。

暑いあつい日照りの夏の到来を感じたとき、龍舌蘭は咲くのでしょう。


(りゅうぜつらんさきておおきなひでりきぬ)

(海燕・昭和十年の句)