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fixerさんが測定されたミニジャックの接触抵抗によるクロストークにびっくりした。
知ってるつもりだったが、、、つもりでした。
fixerさんのサイト
http://fixerhpa.web.fc2.com/
fixerさんのクロストーク関係のブログ記事
http://fixerhpa.blog.fc2.com/blog-entry-264.html
http://fixerhpa.blog.fc2.com/blog-entry-280.html

3極プラグをちょん切るのがちょっと嫌だなあと思っていたので他の解決法をとる。
4極ジャックを使えばちょうどスリーブとその前の極がプラグのGNDになるからその片方でセンシングする。

オペアンプを適当なものでシミュレーションしようとしたところ負荷が重すぎるため電流制限でクリップされてしまった。
そのためVCVSのeに適当なゲインを与えてほぼ理想オペアンプにしている。
回路自体は1倍安定のアンプで距離が短ければ発振はしないと思う。
ただし…センス端子の接点抵抗がモロにβ回路に入っているのでこの抵抗値が変化するとヤバい。
閉ゲインさえ変わる。これではプラグに触れない。

仕方がないので、オペアンプを追加する。

R5、R6、E3が検出オペアンプ、R12はセンス端子の接点抵抗、R7、R8、E5は単なる-1倍の反転アンプ。
抵抗値が変なのはさらにDCサーボを加えたときのノイズなんかをシミュレーションしていたため。
R20はプラグがさされていないときのベースバイアス電流路になる抵抗、これがあると打消しのこりが出るがなくすわけにもいかない。
V(out1)=V(V1)+V(V1)*(R3/R4)+{V(V1)-V(sense)*R12/(R12+R2)*(1+R5/R6)*(-1)*R8/R7}*R3/(R14+R19)
   =V(V1)*[1+R3/R4+R3/(R14+R19)]+V(sense)*R12/(R12+R2)*(1+R5/R6)*R8/R7*R3/(R14+R19)
第二項が検出されたV(sense)の項
R12>>R2なのでR12/(R12+R2)≒1
回路図より(1+R5/R6)*R8/R7*R3/(R14+R19)=1
よって第二項はV(sense)となる。
負荷にかかるのはV(out1)でははなくV(out1)-V(sense)なのでちょうど打ち消せる。
オペアンプを2回路も使う無駄に複雑な回路だがDCサーボに反転増幅を2回路使うのと同じ…というかこれはオンキヨーのWスーパーサーボのWな部分そのもの。
スーパーサーボがいわゆるDCサーボで、Wがついたのは
じゃあDCサーボも加えれば?という話だがDCサーボの動作範囲とかノイズとか考えるとここに加えるのはよくない感じがした。

とりあえずこの回路でシミュレーションしてどの程度クロストークが打ち消せるかをFFTで見てみる。
E1には1kHzの信号、E2には8kHzの信号を入力した。
FFTは4096ポイント、矩形窓、スムーシング1?
シミュレーションコマンドは.tran 9m 5m {1m/1024}
timestepは1m/1024にした。
シミュレーション時間をポイント数と同じかそれ以上かそれ以下かとかどうするべきかは知らない。
あと必須なのがコントロールパネルからcompressionのチェックを外すこと。


このあたりでE2のほうの閉ゲインがE1のほうと違っていたのに気付いたが、打消しの様子を見るのに同じである必要はないので目を瞑った。
さて緑が打ち消している方、青が打ち消していない方である。
青は8kHzを入力したE2側の出力である。1kHzが-50dBr程度は現れてしまっている。
緑はなんと、不要信号の8kHzは.fourコマンドによれば2.007e-08だいたい-154dBrくらいだ。
THDも0.000002%とまあR12の影響は僅少だ。

ヘッドホン端子のコモン側をアースにせずに打消しアンプ出力にしても打消し信号を加算できるが
負荷電流を打消しアンプがすべて負担しなければいけなくなるのでいや。

Eを適当なオペアンプにしてシミュレーションしてみた。


主アンプ、検出アンプで0.何度程度の位相回転があるため打消し残りがでる。
絵に描いた餅だった?何か間違えているのだろうか。
ちなみにU3はHauland current pumpで高い出力インピーダンスになっている。
そのおかげで主アンプの閉ゲインはほぼ1に保ったまま打消し信号を加算できている。
現実には位相回転の前に抵抗のマッチング誤差で打消し量に限界が…CMRRとかと同じ

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