GENOウィルス蔓延中! うつらないうつさない  このWikiは2ちゃんねるBBSPINKの「金の力で困ってる女の子を助けてあげたい」スレのまとめサイトです

身なりの良い青年が道を歩いていると、公園で力なく佇む幼女に気がついた。
やや錆び付いたブランコに腰掛け、漕ぐこともせずにただただ俯いている。
そのもの悲しい様子に、青年は声をかけずにいられなかった。

「どうしたの? お嬢さん。俯いたりして」

英字の書かれた白のタンクトップにピンクのミニスカート。
子供らしい色の服装の幼女は、声を耳にしてのろのろと顔を上げた。
青年の影に覆われた姿の中、大粒の瞳だけが濡れたように輝いている。
十数年後が楽しみと思わせる幼貌は、しかし今は翳りを見せていた。

「ん……」
「突然話しかけてゴメン。びっくりしちゃったよね。キミが悲しそうにしているから
 放っておけなかったんだ。もし悩みがあるのなら、僕に話してみないかい?」

戸惑う幼女の前に膝を折って屈み、ブランコに腰掛けた相手と目線を合わせる。
紅葉のような小さな手を取って「力になりたいんだ」と言うと、小さな唇が開かれた。

「……欲しいオモチャが買えないの。とっても欲しいのに……」
「そうだったんだ。辛かったね。……どんなオモチャが欲しかったんだい?」

言葉にすることで、感情の箍が外れかけたのか、泣き出しそうな表情になる幼女。
彼女を励ますように手を握る力をより強め、青年が励ましながら続きを促す。
幼女はぽろぽろと涙を流しながら、嗚咽混じりの言葉を続けた。

「ろ、ろーたーって、おも、ちゃっ。うぐっ、ほしかったの、でも、お金、たりなくってっ
 おまた、に、あてるとっ、きもちいーって、だからっ、ほしかったのにっ、うう〜っ」

我慢できなくなって泣き出してしまった幼女を、青年は優しく抱きしめた。
その幼く柔らかな身体の感触を愛しく思いながら、何度も何度も背中をさする。
やがて幼女が泣き止むと、青年は頭を撫でてやりながら口を開いた。

「明日の同じ時間、またここに来れるかい?」
「……? うん……」
「じゃあ、明日またここで会おう。その時に、僕がローターをプレゼントしてあげる」

青年の言葉に、幼女がきょとんとする。
幼い美貌は一瞬笑顔になりかけたが、戸惑うように途中で歪んだ。

「……でも……」
「いいから、ね? それじゃ、また明日」

パッと立ち上がって手を振って去っていく青年に、幼女は何も言えなかった。
そして次の日の同じ時間、幼女は戸惑いながらもブランコに座っていた。
そこに当然のように現れる青年。手にはラッピングされた小さな包み。
微笑みと共に幼女の前に跪いた青年は、幼女の手にその包みを置いた。

「はい、プレゼント」

可愛らしいラッピングのそれを渡されて、幼女の心は高鳴った。
戸惑いもなにも霧散させるほどの威力が、可愛いものには存在する。
その一瞬を逃さないように、青年は笑顔で幼女の頭を優しく撫でた。

「喜んで貰えて嬉しいよ。良かったら開けてみて」
「う、うん………………わぁ、ぴんくだ……」
「似合うかなって思って。気に入ってくれた?」
「うん! ありがとーおにーちゃん!」
「今度、感想聞かせてね」

青年は笑顔でわかれ、幼女は ねんがんの ろーたーを 手に入れた! おしまい。




|目次へ戻る|

管理人/副管理人のみ編集できます