社会なんてものは存在しない

京子難問を出された時、賢一が一気にまくしたてたセリフの中で「偉い人の言葉」として引用された文。
イギリスのサッチャー首相の言葉 "There is no such thing as society." の日本語訳。
意味は、人は何か問題に直面したときに「こんな世の中が悪い」といった類の逃避をしがちだが、「社会」という実体を持った存在などはなく、あるのは個々の人間の集合にすぎない。
つまり、存在しない社会なんてものに責任を押し付けるのではなく、一人一人が自立して自らの責任を果たさなければならない、という考え方。

賢一は自分も常々こう考えているとさらっと言ってのけているが、特別高等法に代表される「政府は人々を監督して正しい方向に導くべきである」という考え方とは真っ向から対立する哲学であり、聞く人が聞けば国家に対する反逆の意図があると受け取られかねないのではないだろうか。

幕間に表示される英文
2005年12月10日(土) 09:54:38 Modified by higuchi_ken




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