◆第十八話「冷たい方程式」

「…なんです? これ?」
「…ある場所ってどこです…?」
「鳴海さん!?」
「えっ ちょ…っ
 それだけですか!? ケガないかとかひどい目にあわな―」
「今のはひどいですよね!!」
「2度も捕まってあげませんよ」
「ええと…
 右手に川が見えて あれが電車の鉄橋だから… 朱鞠駅南400メートルってとこです!」
「鳴海さん! 先に首の爆弾外しましょう!
 死んじゃったら元も子もありませんっ! テープはくれてやる気で」
「あらっ ずいぶん強気ですね この前まで怯えてたくせに」
「………はい?」
「………」
「………
 …じゃあ 私はどうすればいいんです?」
「電車ですか?」
「わかりました 14時10分ですね」
「了解しました 必ず時間通り戻ります」
「…………」
「(下り各駅停車…) (4番ホームですね…)」
「(…はっ) !!」
「(駅に来るのを読まれてた―――!?)」
「(外に出る?) (でも浅月さんが出口で待ってる危険も…)」
「(えーと… どっちの電車がいいか―――)」
「……った」
「…あ」
「ごめんなさい鳴海さん! ヘンな電車に乗せられました!
 車掌さんに聞いたらタクシーでもそっちに戻るのは14時半過ぎになるって! 爆発に間に合いません!
 どうします!?
 このままじゃ解除キーが! 鳴海さんの首が――」
「へ?」
「私はよくても鳴海さんが! これじゃ解除キーが渡せないじゃ…
 (はっ) …鳴海さん 私を助けられたら死んでもいいって思ってません…?」
「答えてください!!」
「…そんなの…
 そんなの私 うれしくもなんともないですよ…!!」
2006年06月11日(日) 00:17:42 Modified by hiyono_serifu




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