みどり・市民派をめざす 井奥まさきが収集した情報、書き込んだ情報を整理して公開するために作った公開用のウィキです。

すぐに役立つ基礎知識 国保特別会計編


論点1 国民健康保険制度の構造的問題点(1) 社会的弱者が主な構成員

日本社会は「皆保険」です。なんらかの 組織に入ることが前提とされています。社
会保険・共済制度といった種類があります が、市町村議会で問題になってくるのは保険者を市町村とした国民健康保険であり、 その会計ということになります。
そもそも、この国民健康保険は明らかに赤字体質を抱えています。現在、加入者は
失業者・自営業者・専業農業者・高齢者といった人々が主な構成になっています。自営業者でも業者でつくる保険(建設国保など)に入っていない人が対象です。つまり、一言でいうならば社会的弱者が主な構成員となっているわけです。
高収入の人が他の有利な保険に加入してしまった結果、高砂市でいえば、国民健康
保険の加入者は所得 200 万以下が 2/3 以上を占めるような状態になっています。また、市町村単位の保険というのは規模的にも不利であり、赤字体質の大きな原因になっています。
国レベルでも長期的課題であるという議論をしているように 、保険の一元化により保険間の格差を解消すべきではないでしょうか 。

論点1 質問例
▼国民健康保険の構造的矛盾をどう考えるか?
▼国に対し、保険の一元化を求めるつもりはないか?
論点2 国民健康保険制度の構造的問題点(2)医療費の増大

論点1のように、「入り」の部分で収入 が伸び悩み、あるいは減少しているのに対し、「出」の部分は着実に増加しています。そして、その大きな原因は医療費の増
大です。この医療費の増大の大きな原因は、一人あたりの医療費が増えたことです。これは、高齢化社会の到来に伴い、構成員が高齢化したことが原因です。ここには、医療と介護が明確に分離されていないという日 本独特の医療問題も事態をさらに悪くさせます。また、国民健康保険から老人健康保険への拠出がどんどん増えていますが、これも高齢化社会が原因といえます。これらの「出」の増大が会計を必然的に赤字にしていきます。
それに対しての対案は国レベルの問題が多く、難しいのですが、自治体レベルでで
きることとして、健康診断の制度や病気の早期発見のシステムづくりにどれくらい力を入れているかという指摘はできるかもしれません。
また、医師からの請求金額が適切に支払われているかもチェックのポイントです。

論点2 質問例 
▼医療費の増大に対し、どのような対策を考えているか?
▼市民が健康でありつづけるための施策にどれくらい力を入れているか?
▼医師の請求の管理はきちんとおこなわれているか?
▼二重請求などへの防止策は?
論点3 国民健康保険制度の構造的問題点(3)国の補助金の大幅削減

日本共産党がよく取り上げる国の切り捨て行政についても触れておきます。被保険 者がかかった医療費の総額である総医療費の45%がかっては負担金として国が支出されていました。ところが1984 年に負担割合を総医療費の45%から38.5%に減らしてしまいました。
1988 年には、法律にもとづき各自治体がおこなってきた低所得者にたいする保険料(税)の法定減額の施策に対して、これまでは国がかかった額の 3/4 を負担していましたが、1/2 に減らしてしまい、国保財政は苦しくなっていきました。
また、収納率(各被保険者の納めた保険料の額が、計算上の全体の総額に対してど
のくらい納められているかをあらわす指標)の低い市町村に対して補助金を減らすということも行っています。

論点3 質問例
▼国の補助金カットへ何らかの改善を求めるべきではないか?
▼国保法第1条にある「社会保障と国民保健の向上に寄与する」という条文に対
し、国は責任を放棄しているのではないか?
論点4 基金の取り崩し、 一般会計からの繰り入れ

会計処理によって値上げが防げる場合は、それが論点になります。例えば、余裕のある時期に積み立てた基金がある場合、取り崩しを検討すべきです。
国保特別会計は、前回取り上げたようなハード的投資はほとんど生じないのですか ら、現在の経済状況こそ取り崩しの必要な時期だと思われます。
次に一般会計からの繰り入れにより赤字を解消する方法があります。
繰り入れには、法律で規定されている法定繰り入れがあります。保険基盤安定繰入金、職員の給与などで、国民健康保険法第 7 2 条の2などに規定されています。
実際には 、 それ以上の繰り入れを市は行っています。例えば高砂市では法定繰 り入れ金は1億5717 万9千円(1998 年度)ですが、さらに1億 7282 万1千円余分に繰り入れ、合計3億 3000 万円繰り入れることが「慣習的に」決まっています。これは兵庫県で1人当たりにして 22 市中 13 位ですから、もっと繰り入れている自治体もあるわけです。
その一般会計からの繰り入れを増額することで料金の値上げを防ぐことができるというのです。この主張を熱心にする議員もいますが、私は無原則の繰り入れは「特別会計」の意味がなくなってしまうと考えます。つまり、努力をしなくても最後は一般会計からどんどん入れればいいというのであれば、市民の負担と行政の責任の関係が非常にあいまいになるのではないでしょうか。
加盟人数によるとか、特定の施策に行うとか何らかの原則が必要と思われます。

論点4 質問例 
▼基金を今こそ取り崩す時期ではないか?
▼一般会計からの繰り入れ金額・基準を見直すつもりはないか?
  
論点5 滞納徴収

保険料(税)の滞納は前述のように国の補助金カットの対象になります。また滞納
額も膨大となってきます。高砂市は国保料ですが、7億円が滞納となっています。
そこでよく議論されるのが「徴収率アップ」ですが、総論はその通りとはいえ、な
かなか現実は難しいようです。特に料方式は2年、税方式ですと5年が時効となりますが、いったん滞納となるとなかなか徴収は難しいようです。
介護保険料の負担部分が国保料金に反映され、さらに滞納が増える見込みがあるこ
とから、国は 2000 年に国保法を改正し、資格証明書の発行を義務付けました。
滞納が1年半になると資格証明書で受診することとなり、診療時には 1 0 割を支払
い、市の窓口で還付を受けるというやり方を取らなければいけません。
そして、その中間措置として、短期保険証を導入している自治体もあります。本来
1〜2年の更新時期を短くし、半年や3ヶ月更新にして行政との接触機会を増やそうとするものです。
滞納をめぐる議論できちんと分けなければならないのは、「払いたくても払えない」という層と悪質な滞納者です。後に述べる応益割、あるいは介護保険部分により、「年収ゼロでも料金を請求される」というのが現在のシステムです。減免制度の柔軟な運用、あるいは事情書などの書類提出によって資格証明書発行にならないなど血の通った運用が望まれます。ことは命にかかわることです。議員活動としても相談体制を整えるべきだと思います。
しかし 、 一方で 「 払えるのに払わない 」悪質滞納者がいるのも事実です 。そのあたりの区分は非常に難しいものがありますが 、 きめ細かな運用方法の議論が必要だと思います 。


論点5 質問例
▼滞納の現状は?それによって国の補助金はどれくらいカットされているか?
▼税方式から料方式に変更していく予定はないか?
▼資格証明書発行をどのような形で運用していくつもりか?
▼滞納徴収をどのような方針 、 組織でやっていくつもりか?
▼法律で定められている減免以外に市はどのような時に減免しているか?
論点6 値上げの対象
  
国保料(税)は自治体により大きく料金システムがことなります。所得割、資産割、 均等割、平等割という種類があります。これらを4つ、3つ、2つ組み合わせて計算していくやり方があります。
基本的考え方として、大きくは応益割と応能割があります。つまり、所得や資産に
応じて決める(応能割)か、一律に賦課する(応益割)かということです。多くの自治体で応能割と応益割の比率は7対3のようです。
特に値上げの際には、階層別にどれくらい負担となるかを資料を出させて議論すべ
きだと思います。たとえば、私は昨年の値上げの時には上限打ち切り額のアップを求めました。高砂市ではサラリーマンで年収7 7 0 万以上に該当し、そうした層ならば少々の値上げは耐えられると思ったからです。このあたりにまさしく政策的判断が求められると思います。
最初に述べたように、さまざまな料金計算方式があるわけですし、例えば所得割を
重点的に値上げするとか、計算方式を変えるとか、政策判断にあった(例えば低所得者にやさしく、高所得者に厳しい)方式を対案として提示すべきだと思います。

論点6 質問例 
▼計算システムを見直すつもりはないか?
▼値上げ案は階層的にはどこをターゲットにしているのか?
▼年収ゼロでも保険料がかかる以上、できるだけ応益割をおさえるべきではないか?
(参考資料 議会と自治体 1999.12 No.19)

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